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チベット問題 日本マスコミが伝えない中国の真実 1

 今日はあまり日本で話題になることの無い、チベットについて書いていきたいと思います。
朝からネットを巡回していた所、気になるニュースを発見しました。
 国連によるパンチェン・ラマ接見要求、中国、再度拒否(大紀元より以下引用)

【大紀元日本9月23日】国連児童権利委員会は21日、中国当局に対し、北京に軟禁されているチベットのパンチェン・ラマ11世ゲンドゥン・チューキ・ニマ少年(16)との単独接見を要求したが、中国政府はこれを拒否した。中央社が伝えた。

 パンチェン・ラマ11世は、6歳の時、父母の同意なくチベットから北京に連行されて以来、10年にわたり中国共産党政府による軟禁状態にあり、未成年の長期にわたる軟禁に非難が高まっている。

 国連独立専門家委員会委員長のディオーク氏によれば、国連は、長期にわたり、中国当局に対しパンチェン・ラマ11世との接見を要求し続けてきたが、中国政府は頑なにこれを拒否。今回の接見要求に応じ、国際社会に「中国政府が児童の福祉を重視している」ことを示すべきとしている。中国側が独立専門委員会に行った釈明によれば、接見拒否は本人及び家族の意向であるとしているが、世界の人権団体多くのは、「ゲンドゥン・チューキ・ニマ少年は、世界最年少の政治犯」と認識している。

 亡命中のチベット最高指導者のダライ・ラマ14世は、1995年5月、ゲンドゥン少年は1989年に死去したチベット宗教界のNO.2であるパンチェン・ラマ10世の生まれ変わりと宣言した。本来ゲンドゥン少年はチベットに留まるべきだが、チベットでは、その肖像を掲げることも許されず、また、この10年間、中国政府は別の少年をパンチェン・ラマ11世として擁立している。


 普段、あまりチベットについての情報を得ることが無い日本で、このニュースを見ただけではピンと来ない人も多いかと思います。
実は私もその一人でして、いつも巡回するブログで中国の人権問題について紹介しておられる記事の引用元に、この大紀元という新聞社へのリンクが張ってあったので辿ってみた所、この記事の他にも何本かチベット関連の記事がありました。
 いずれもチベットの人権に関する内容で、読んでみると、そういえば中国ってチベットを弾圧して国王やえらいお坊さんなんかが亡命してたよなあ・・と、断片的な記憶が、霧がかかったように思い出される程度だったのですが、中国の日本に対する一連の挑発行動にイライラさせられっぱなしの私は(笑)、チベット問題について調べてみる事にしました。

 ダライ・ラマ法王日本代表部事務所HPによると、チベットの歴史は神話時代を経て、紀元前約200年頃に初代チベット王が現れ、7世紀頃に統一王朝が成立。(吐蕃王朝。但し、中国側からの呼称)8世紀、9世紀と勢力を拡大し、当時大帝国であった中国の唐と肩を並べる強国になる。
9世紀には、現在のチベットのイメージとも言える仏教指導者による国政が実現するも、国内の対立を引き起こし、王朝は分裂。吐蕃王朝は滅亡。
 
 13世紀には、当時ヨーロッパまで勢力を伸ばしたモンゴル帝国の脅威にチベットも例外なくされされ支配下に置かれるが、チンギスハーンの孫であるゴダンハーンがチベットの高僧を自らの幕舎に招き、モンゴルが仏教を受け入れる素地を作る。
 後を受けたフビライハーンは仏教を国教とし、パクパを導師と仰ぎ、いわゆる『寺と檀家の関係』を築き上げ、チベット全土に及ぶ政治的権威をを与えて、宗教的指導者(以下ラマと書きます)がモンゴル皇帝にチベット統治を保証してもらい、ラマがモンゴル帝国の統治が正当であることを皇帝に保証するといった、相互依存の関係を構築する。(なぜ、現在のモンゴルにチベット仏教を信仰する人が多いのか疑問だったのですが、この辺に起源があったのですね。)

 その後モンゴル族の王朝であった元は、漢族の王朝である明に滅ぼされ、それと同時にチベットと中国の関係も希薄になっていく。
また、この時代にモンゴル族のグシハーンがチベット内に王朝を樹立し、熱心なダライラマ信者であった王朝の支配者により、チベット仏教界で宗派を超えた宗教、政治の最高権威としてダライラマの地位は確立される。

 明の内乱に乗じて満州族は北京に清王朝を樹立、モンゴル族と同じ北方遊牧民族である満州族は、チベットと『寺と檀家の関係』を結び、互いの権威を保証する。
 チベットがネパールに侵略されたり、内乱が起きた際、清は軍を派遣してこれを撃退するが、4度目のチベット側の派兵要請に業を煮やした清は、これ以上清の軍隊に出動要請が無いようにと、チベット内政に一定の発言力を確保しようと布告を発し、受け入れられなければ、軍隊と大使を撤退させると恫喝するも、チベットの宗教指導者の選定方法まで言及した内容をチベット側は呑めるはずは無く、布告の内容を換骨奪胎した形を取り、この後チベットと清の関係は悪化する。

 19世紀に入り、西洋列強のアジア侵略によって清の力は衰退し、チベットはネパールや英領インドなどからの侵略を受けるが、清は国内を統治するのに精一杯でチベットを守ることが出来ず、チベットにおける清の地位は低下していく。

 1908年、チベットは清からかつて無い大規模な侵攻を受け、『寺と檀家の関係』は破綻する。英国の影響をチベット内から排除する目的で派兵されたはずの清の軍隊は、自らの主権を確立するためにダライラマを圧迫し、当時のダライラマ13世は隣国インドに亡命を余儀なくされた。

 1910年、清はダライラマの廃位を図ると、ダライラマは『寺と檀家の関係』終結を宣言。以後、清の侵略に抵抗する運動が激しくなり、1912年清朝滅亡を受けて抵抗運動は成功し、占領軍を降伏させ、ラサに戻ったダライラマは停戦と清軍の完全撤退を確認し、1913年チベットは独立を宣言。

 と、ここまで一気にチベットの近代までの歴史をかなり大雑把ではありますが、紹介してまいりました。古代においてはもちろん、元、清といった現在の中国からみれば外来政権、漢民族の明などの時代において完全な中国の一地域になったことは一度も無く、比較的関係の深かったモンゴル族、満州族の王朝なども、『寺と檀家の関係』を通じて互いの権威を保証する関係ではあっても、チベットが独立的な地位を保っていた事を示しています。

 清朝滅亡後、中国国内は群雄割拠する内乱の時代へと突入し、その中で力をもった『中華民国』政府がチベットは中国の一部とした宣言をするが、跋扈する軍閥や、日本軍への対応に追われ、直接統治することはなく、国共内戦を経た1950年、勝利を得た『中華人民共和国』政府は、中華民国政府のチベットは中国の一部という宣言を踏襲し、チベット全土の併合を目指し軍事行動を起こすことになります。

 チベット併合に関する当時の中国の行動は、ブラピが主演した映画『セブンイヤーズ イン チベット』の中で生々しく描かれており、公開当時この映画をみた私は、かなりの衝撃を受けた記憶があります。
しかし、その後チベット問題が日本国内で報道されることはあまりなく、私の記憶の中でチベット問題は薄れていったのです。

 中国の重大な人権侵害があるにも関わらず、日本のマスコミはこの問題を扱う事はタブーとしている印象があります。チベット問題を日本のマスコミがタブー視している理由に、中国政府とマスコミ各社の間に、ある密約があるからといわれています。

 それは、中国(この場合は共産党政権)に都合の悪い報道をしたマスコミは中国国内から追放するという内容。この様な恫喝に日本のマスコミは屈してしまったのです。日頃から言論の自由を盾に、政府要人や問題を起こした企業などに対して、情報の公開をしろ!説明責任がある!と、あること無い事を暴き立てるのに、中国の事になると途端に中国政府の見解をそのまま垂れ流し、中国共産党が隠したい事は徹底して報道しないという異常な事態を引き起こしたのです。

 このエントリーを書くに当たって、Googleのニュース検索をしてみたのですが、日本マスコミの報道規制はここまで徹底されているのかと背筋が寒くなりました。
まず、米国版のニュース検索で“Tibet human rights”と検索したところ、488件のHIT。次に“Tibet problem”は248件とかなりの数の記事があります。
対して、日本版のニュース検索で“チベット 人権”と検索してみましたら、なんとゼロ件。続いて、“チベット問題”で検索すると、中国の新華社通信日本語版の記事が1件見つかるだけでした・・(しかもダライラマ法王を批判する内容・・)
単純に“チベット”と検索してみても、比較的中国に批判的な記事は産経新聞の2件のみ。たくさんの記事がヒットしますが、目立つのは中国の報道機関、大使館が出している記事で、日本のマスコミはチベットに関連する記事自体をあまり書いてない様子。

 ネットが普及し、世界の情報を知るにあたってマスコミだけに頼る必要は無くなったとはいえ、貴重な情報源であることに変わりはありません。私は、たまに海外マスコミなどのサイトも覘きますが、読むのに時間がかかることもあって、日本語で読むことが出来るサイト中心に情報を集めることが多く、チベット問題に触れる機会がほとんどありませんでした。

 今回のエントリーを書いたのがきっかけで、この問題に興味を持てましたが、現在進行中の中国によるチベット侵略の事実を、日本のマスコミはもっと報道すべきです。
今年、中国の反日行動が激化した際、日本のマスコミは大使館や日本料理店などへの攻撃の被害を伝えましたが、一方でデモに参加している中国人の声と言って、中国政府の主張を垂れ流していました。
 普通に考えれば、中国政府との間に異常な密約がある日本のマスコミが、中国国内での暴動ともいえる反日デモを、あれだけ詳しく報道した事も何か裏があるに違いないと勘繰ってしまいます。

 日本のマスコミが、自らの存在理由である言論の自由を盾にした報道を相手によって暴き立てたり、逆に情報を隠蔽して国民の知る権利を侵害するのなら、報道機関の看板を下ろして機関紙という名前に改めるべきだ!

 取り乱しました(笑)そんな日本のマスコミが伝えない、『中華人民共和国』のチベットに対する行動について、次回のエントリーで書きたいと思います。



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中国政府によるチベットへの弾圧

チベットへの中国政府(中国共産党)による弾圧問題をいろいろ調べてくださり、普段気がつかないことを知ることが出来ました。改めて、日中間の問題のみならず国際的にも弾劾されなければならない<中国>であることを再認識いたしました。中国のみならず、人間はこの地上に生れ出たさまざまな国々の背景で<人権>がいかようにも変わるという過酷さを味わうことになるのですね~!!

ご訪問ありがとうございます

中国にはチベット問題だけでなく、その他にもウイグルや、貧民層、民主化運動に対しても不満を弾圧という手段で押さえ込んでいるようです。今後、機会があれば取り上げていきたいと思っていますが、本当に怖い国です・・

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2020年4月記


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