エイズ【AIDS】
AIDS エイズ
AIDSの原因となるのはHIV(HumanImmunodeficiency Virus:ヒト免疫不全ウイルス)と呼ばれる病原体です。
これに感染すると私たちの自己防衛の機能の一つである「免疫機能」が低下してしまいます。
このウイルスは感染後にゆっくり時間をかけて増殖を続けて、免疫機能の中心的な役割をしている リンパ球(白血球の一種)を次々に破壊していきます。
しかし、その破壊がすぐ体に影響を及ぼすわけではなくて、 自覚症状の無いまま確実にリンパ球の破壊が進行していきます。
その後、臨界点に達したときに体の抵抗力が極端に落ちて、正常な時には何ら問題にならないようなウイルスやカビ、細菌が繁殖してしまいます。 例えば発熱、下痢、倦怠感、体重減少のような現象が現れその後にカリニ肺炎、エイズ脳症、カポジ肉腫、視力障害等が発現します。
「HIVに感染した」というのと「AIDSといわれている症状が出る」というのは同じ事ではありません。
血液等の感染はありますが、風呂、唾液等日常生活では感染することはありません。
エイズ
英訳・(英)同義/類義語:AIDS, , AIDS, Acquired ImmunoDeficiency Syndrome, , acquired immunodeficincy syndrome
ヒトのT細胞に感染するエイズウイルス、HIV(Human Immunodeficiency Virus)による感染症で、免疫不全による様々な合併症を引き起こす。
後天性免疫不全症候群
エイズ(AIDS)
AIDS
エイズ
【概要】 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によって起こるHIV感染症の末期状態を定義した言葉。免疫の力が低下して、健康な状態では到底かからない感染症(日和見感染症)にかかったり、悪性腫瘍(日和見腫瘍)が発生して、最後には死にいたる。従ってエイズの診断は、HIV感染(+免疫能低下)+23のエイズ指標疾患または状態があることによって下される。
【詳しく】 ニューモシスチス肺炎やサイトメガロウイルスウイルスや非定型抗酸菌症の発症を予防すれば、CD4細胞数が非常に低くなってもエイズ指標疾患が発生しないかもしれない。このためアメリカは1993年からCD4細胞数が200/μL以下の場合もサーベイランス上ではエイズとすることにした。これはCD4数測定が大切なことを伝えると共に、医療や福祉の早期介入を法的にしやすくする政策的な狙いがあった。ただしCD4細胞数の検査が困難な場合もあるので、多くの国では必須項目にしていない。
《参照》 日和見感染症、 日和見腫瘍、 CDC分類カテゴリーC
aids、エイズ
HIV/AIDS
1981年に米国で、免疫不全症状がありカリニ肺炎を発症していた男性同性愛者の患者が現われ、それまでに記載されたことのない新規の疾患らしいということで、米国のCDCはこれを後天性免疫不全症候群(Acquired ImmunoDeficiency Syndrome :AIDS)と名づけた。1983年には、この疾患の原因ウイルスが患者のリンパ節培養から発見され、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus: HIV)と名づけられた。このウイルスはRNAでできているレトロウイルスのレンチウイルス亜科に属し、免疫機能をになうTリンパ球やマクロファージの細胞膜上のCD4分子をレセプターとしてそこから細胞内に侵入し、自らの逆転写酵素を用いて二本鎖DNAとなり、宿主ゲノムに組み込まれる。
HIVの感染経路は血液・体液感染、性感染、母子感染の3つで、感染効力は血液感染が強いが世界で最も比重の高いのは性感染である。いったんHIVが感染すると10年前後はほとんど無症状で経過し、血液検査をしない限り気がつかれない。この無症状期の間、CD4+細胞の破壊と増殖のせめぎあいが続いているが、通常1ulの血液中に1000個前後あるCD4+リンパ球が200以下くらいになってくると、ついに免疫不全症状を呈するようになる。すなわち通常の免疫能があれば感染しても症状を出さない弱い病原体による日和見感染が頻繁となる。このような症状を呈するようになって以降をAIDS(エイズ)という。このためHIV感染があるが無症状の状態と有症状のエイズを総称してHIV/AIDSと呼んでいる。(若杉なおみ)
参考資料:Atlas of AIDS Science Press Tokyo Japan 2002
後天性免疫不全症候群
(Aids から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/06 00:54 UTC 版)
後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん、英語: Acquired immune deficiency syndrome, AIDS(エイズ))は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす疾患[2]。照屋勝治はエイズを慢性ウイルス血症による「全身性炎症性疾患」としている[3]。性感染症の一つ。HIVに感染しただけでAIDSを発症するのではなく、HIVに感染した人が、免疫能の低下により23の合併症のいずれかを発症した状態のことをいう[4]。
- 1 後天性免疫不全症候群とは
- 2 後天性免疫不全症候群の概要
AIDS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 14:01 UTC 版)
包皮切除(割礼)を受けている男性は、受けていない男性よりも大幅にHIV陽性率が低い、もしくはエイズ罹患率が低いという話もある。現在イスラム圏である西アフリカのエイズ罹患率が南部アフリカよりも大幅に低いのは、割礼(包皮切除)を受けている男性の割合が高いことが一因であるという研究もある。この原因はHIVの対象となるCD4陽性T細胞やランゲルハンス細胞が包皮に多くあり、それが切除されるためと言われている。 ベルトラン・オヴェールの研究(成人に割礼を行わせ、「受けた群」と「受けない群」の2群を比較した)などを見る限り、割礼はエイズ感染に何らかの予防効果を持つ。ただ、オヴェール自身は安易にその事実を持ち出して割礼を受けさせる事は、複数人との安易な性行為の増加につながりかねないという警告を同時に行っている。現にアフリカではこの研究結果を信じて、コンドームを着けない人が増えたため、更にエイズが拡散されるという事態に陥っている。この研究結果をどれだけよく見積もったとしても、最大で60%の効果しかないので、結局はコンドームをつけないとエイズは防げない。(Westercamp 2010)。 インドでは 1993年から2000年にかけて HIV 未感染の男性2298人についての追跡調査が行われた。約1年間の調査期間中に感染が見られたのは割礼を受けている191人中では2人であったが、受けていない 2107人では165人に感染であった。介入試験ではフランス国立エイズ研究機関 (ANRS) により南アフリカで男性3000人に対して実施された試験では感染率は約1/3になるとされ、イリノイ大学によりケニアで男性2784人を対象に行われた試験では60%のリスク低減が、ジョンズ・ホプキンス大学によりウガンダで男性4996人を対象に行われた試験では51%のリスク低減が判明している。これらの試験はいずれも途中で、試験の中止および被験者全員への割礼が勧告されている。これらの研究から、衛生的・医学的に行われた男性割礼はエイズ感染を予防する有用な方法として認められ、UNAIDSを中心に特に東部・南部アフリカでの自発的医学的男子割礼 (VMMC : voluntary medical male circumcision) によるエイズ感染予防策が推進されている。 しかし一方で、いくつかの研究から割礼ではエイズ感染を防ぐことができないとする研究者もいる(Connolly 2008)。また結果が判明する前に試験が中断されるなど、これらの調査方法におけるいくつもの欠陥を指摘する研究者も多い。例えば、アフリカで実施された研究では男女間での性交のエイズのリスクしか調査対象になっておらず、同性間での性交、注射器のうち回しによるエイズのリスクが考慮されていない。そして試験が行われた土地の範囲が狭く、エイズのリスクが軽減したという報告する試験結果もまだ3件しかないので、未だ定説には至っていない。一方で、パートナーの男性が割礼済みであっても、性交をする相手の女性や男性のエイズ感染のリスクが下がることはないことも指摘されている(Wawer 2009, Jameson 2009)。
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