1950s
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 09:47 UTC 版)
戦後の1950年代になるとフランスをはじめとしたヨーロッパ中心のアートシーンに、アメリカが影響を及ぼすようになる。また、戦後のモダニズム絵画として、抽象画が流行した。一方、その反動としての具象的な絵画の再評価を試みるなど、現代美術は絵画がシーンの中心であった。絵画以外では、政治的なイデオロギーから逸脱を目指したものや、国家や既存の枠組みを越えようとするものなどが見られる。 抽象表現 抽象表現主義(Abstract expressionism) アメリカがはじめて世界に影響を及ぼした1940年代後半からの運動ニューヨーク・スクール(New York School) アメリカのニューヨーク市で1950年代から1960年代の詩人、画家、ダンサー、ミュージシャンによるグループ。抽象表現主義の一動向 カラーフィールド・ペインティング アメリカで1950年代末から1960年代に始まった「面」の色彩領域が大きな抽象表現主義の一動向 ワシントン・カラー・スクール(Washington Color School) 1950年代から70年代まで、ワシントンでおこったカラーフィールド・ペインティングからも影響を受けた抽象表現主義の芸術グループとその活動。 ジェネレーション・ルプトゥラ(Generación de la Ruptura) メキシコで1950年代はじめに生まれた、ブレイクアウェイ(Ruptura:切断)世代と呼ばれる若者たちによる1920-30年代のメキシコ壁画運動を引き継ぐ一派 Plasticiens(Les Plasticiens) 1955年ごろにカナダのケベック州でうまれた非-具象絵画の一動向 リリカル・アブストラクション(Lyrical Abstraction (Abstract lyrique)) 叙情的な抽象絵画。戦後のモダニズム絵画と関係しながらも、フランスの美術評論家ジーン・ホセ・マルシャンが1947年に名付けたものと、アメリカで1969年にラリー・オルドリッチ(アルドリッチ現代美術館の創設者)が解説したものの2つの運動がある。用語としては1940年代から使用されている。タシスム(Tachisme)の構成要素としても考えられている。 タシスム 具象表現 ニューヨーク・フィギュラティヴ・エクスプレッショニズム(New York Figurative Expressionism) アメリカン・フィギュラティヴ・エクスプレッショニズムの一派。1930年代から続くフィギュラティヴ・アートとは異なるが、 戦後のモダニズム絵画の抽象表現主義という語が使用されてから対峙するものとして具象の表現主義が認識された。 ベイ・エリア・フィギュラティヴ・アート(Bay Area Figurative Movement) アメリカ西海岸のサンフランシスコ・ベイ・エリアで1950年代から1960年代にあったフィギュラティヴ・アートの一動向 アンティポディーアンズ(Antipodeans) オーストラリアで1959年に生まれたグループ、フィギュラティヴ・アートの一動向 ファンタスティック・リアリズム/幻想絵画(Fantastic Realismus) 1950年代後半にオーストリアの美術評論家ヨハン・ムシク(Johann Muschik)が使用した語からくるウィーンの、多くは戦争のトラウマに関わる幻想的で精密な具象絵画の一群をさす。 その他 コブラ(COBRA) 西ヨーロッパで1949年から1952年まであった原初的なエネルギーに満ちた激しい絵画で知られるの運動 ソヴィエト非公式芸術(Soviet Nonconformist Art) 1950年代から80年代の国家の検閲やイデオロギーとは別の、アートムーブメント。「非体制芸術」「アンダーグラウンド芸術」とも呼ばれる。 具体美術協会(GUTAI) 日本の兵庫県芦屋市で1954年に結成された団体。既存の表現を断絶する表現形式 シチュアシオニスト・インターナショナル(Situationist International/SI) 国際状況主義連盟。ヨーロッパにおいては1957年の結成から1972年の解散までの活動。ギー・ドゥボールの著作「スペクタクルの社会」が彼らの理論の中心にある。 Red Shirt School of Photography 1950年当時、コダックフィルムで上手に表現できる赤色を差し色に用い、ジャーナリズムではなく絵画的な写真を追求しているように見える、ナショナルジオグラフィック誌に対する批評的な語。 バリ島の芸術(Modern traditional Balinese painting) 1920年からヨーロッパの芸術家たちがバリ島で制作を行う。ウォルター・スパイやR.ボンネットにより近代化されたバリの絵画は1930年代にはオランダやロンドンなどで紹介されるようになる。
※この「1950s」の解説は、「現代美術」の解説の一部です。
「1950s」を含む「現代美術」の記事については、「現代美術」の概要を参照ください。
- 1950sのページへのリンク