おうしょく‐ぶどうきゅうきん〔ワウシヨクブダウキウキン〕【黄色×葡×萄球菌】
黄色ブドウ球菌(おうしょくぶどう きゅうきん)
ミクロコッカス科に属するグラム陽性の球菌であるブドウ球菌の一種です。エンテロトキシンという毒素を産出し、この毒素によって食中毒を起こす、いわゆる毒素型の食中毒菌の一つです。ブドウ球菌自体は、卵殻表面あるいは液卵中にしばしば見いだされます。この菌は卵焼き、弁当、あるいは製菓関係では、その存否が重要視されている菌であるため、卵製品と黄色ブドウ球菌の関係を考慮しておく必要があります。黄色ブドウ球菌
<特徴>ヒトを含めた各種のほ乳動物、鳥類等に広く分布。特に、健康者の鼻、咽頭、腸管等に常在し、人間の手指からも検出。菌の増殖に伴い、毒素(エンテロトキシン)を生成し、食中毒を引き起こす。毒素は 100 ℃、30 分の加熱でも無毒化されない。
<食中毒症状>潜伏期は 1~3 時間。主症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢。 <過去の食中毒原因食品>乳・乳製品(牛乳、クリームなど)、卵製品、畜産製品(肉、
ハムなど)、穀類とその加工品(握り飯、弁当)、魚肉ねり製品(ちくわ、かまぼこなど)、和洋生菓子など。
<対策>手指の洗浄、調理器具の洗浄殺菌。手荒れや化膿巣のある人は、食品に直接触れない。防虫、防鼠対策は効果的。低温保存は有効。生成された毒素は、加熱調理により分解されにくいので、注意が必要。
黄色ブドウ球菌[Staphylococcus aureus]
近年はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による院内感染が発生しる。このMRSAはメチシリン以外の多くの化学療法剤にも抵抗性で、更に、MRSAに有効であったバンコマイシンに対しても抵抗性を示す細菌(バンコマイシン抵抗性黄色ブドウ球菌;VRSA)も増加し、益々治療が困難になっている。
黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 05:55 UTC 版)
「ブドウ球菌」の記事における「黄色ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus)」の解説
主として鼻腔や表皮に常在する。ブドウ球菌の中では最も病原性が高く、健常者に対しても化膿性疾患を中心とする各種疾患を引き起こすことがある。また足の裏の悪臭の原因物質を作る菌の1つであることでも知られている。
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