おおむね
別表記:概ね
「おおむね」とは、全体の大部分ではその状態であるという意味の表現である。
漢字では「概ね」と表記する。この漢字は「概略(おおよその内容)」や「大概(物事のほとんど)」のように、どのくらいと明確にはしないものの、全体の大部分での捉え方を示すような意味で用いられる文字である。「おおむね」は、「大部分に亘って」という意味の副詞として用いられる。一方、名詞として用いられる場合は、「修正案のおおむねを支持した」のように使用され、「大体の趣旨」という意味になる。数値や期間と合わせて用いられる場合、「概ね1時間ごとに休憩する」「避難区域を河口から概ね3kmから2kmに縮小」のように、目安の指標であって若干の誤差も許容される、という表現になる。
概ね正しいとは、全体的に見て事実に合っている、おおかた間違いがない、ということを示す表現である。「風の影響はあったが、おおむね正しく着岸できた」のように「正確である」ということを強調する意味でも使われるが、「こうした意見は冷静でおおむね正しいと思うが、中には反論も見られる」のように、前段と違った論調を登場させるときに使用することもある。
概ね問題ないとは、全体的に見て支障がない、ということを示す表現である。「システムの復旧について概ね問題ないことを確認した」「救助された人たちの健康状態は概ね問題ない」のように使用する。
概ね達成とは、「目標の大部分が達成できた」ことを意味する表現である。数値化する場合、だいたい8割以上程度の達成率で用いられる。目標のあらかたの部分が達成できて、未達成の部分はそれほど多くない、という意味合いが含まれる。「実習目標は概ね達成できたものの、実際の対象者との関わりは不可欠であったことが課題として残った」「全ての都道府県でサービスレベル向上の概ね達成を目指す」のように使用する。
名詞表現として、「この周囲のおおむねは畑に占められている」「生徒たちはおおむねが寮生活を送る」「研究の結果、おおむねは2005年時点と変化がないことが明らかとなった」「比較するとおおむねは一致するもののまれに逸脱した例が見られる」「事前のアンケート調査でおおむねの出席者数が判明している」のように使用する。
数値基準に付け加える表現として、「おおむね」には幅を持たせる意味合いが含まれる。「おおむね過去1万年以内に噴火した火山であることを条件とする」「勤続年数がおおむね10年以上である人が対象」「おおむね2万世帯分の電力に相当する」「種子の観察はおおむね10日おきに3年間実施した」のような表現がある。
「おおむね」とは、全体の大部分ではその状態であるという意味の表現である。
「おおむね」とは・「おおむね」の意味
「おおむね」とは、全体の大部分ではその状態であり、捉え方に大きな影響を与えるような例外は見られない、ということを示す表現である。「おおむね」は「大体」「ほぼ」「おおよそ」「あらかた」とも言い替えることができ、割合としては何割の範囲と決まってはいないが、8割から9割ほどを超えるようなときに用いられる。類似の言葉と比較すると「ほぼ」は100パーセントに近いことを表すのに対し、「おおむね」ではやや低い割合で、「全体ではないものの大部分が」という意味合いが含まれる。漢字では「概ね」と表記する。この漢字は「概略(おおよその内容)」や「大概(物事のほとんど)」のように、どのくらいと明確にはしないものの、全体の大部分での捉え方を示すような意味で用いられる文字である。「おおむね」は、「大部分に亘って」という意味の副詞として用いられる。一方、名詞として用いられる場合は、「修正案のおおむねを支持した」のように使用され、「大体の趣旨」という意味になる。数値や期間と合わせて用いられる場合、「概ね1時間ごとに休憩する」「避難区域を河口から概ね3kmから2kmに縮小」のように、目安の指標であって若干の誤差も許容される、という表現になる。
「おおむね」の熟語・言い回し
概ね正しいとは
概ね正しいとは、全体的に見て事実に合っている、おおかた間違いがない、ということを示す表現である。「風の影響はあったが、おおむね正しく着岸できた」のように「正確である」ということを強調する意味でも使われるが、「こうした意見は冷静でおおむね正しいと思うが、中には反論も見られる」のように、前段と違った論調を登場させるときに使用することもある。
概ね問題ないとは
概ね問題ないとは、全体的に見て支障がない、ということを示す表現である。「システムの復旧について概ね問題ないことを確認した」「救助された人たちの健康状態は概ね問題ない」のように使用する。
概ね達成とは
概ね達成とは、「目標の大部分が達成できた」ことを意味する表現である。数値化する場合、だいたい8割以上程度の達成率で用いられる。目標のあらかたの部分が達成できて、未達成の部分はそれほど多くない、という意味合いが含まれる。「実習目標は概ね達成できたものの、実際の対象者との関わりは不可欠であったことが課題として残った」「全ての都道府県でサービスレベル向上の概ね達成を目指す」のように使用する。
「おおむね」の使い方・例文
調査研究結果などの客観的表現として、「近年は治療薬が多数開発されており,高リスク者に対する使用はおおむね正当化される」「PTの評価についてセンターと事業所でおおむね共通した特徴がみられた」「理事会では加盟候補国に認定する方針でおおむね一致した」「各変数との関係はおおむね仮説に沿っていることがわかった」のように使用する。また主観的表現においても、「こういう質問をするのはおおむね初心者に限られている」のように使用する。「おおむね」はまた、「女王が在位70年でおおむね健康だ」「現在の雇用情勢はおおむね安定している」のように、ニュース報道でもよく用いられる表現である。名詞表現として、「この周囲のおおむねは畑に占められている」「生徒たちはおおむねが寮生活を送る」「研究の結果、おおむねは2005年時点と変化がないことが明らかとなった」「比較するとおおむねは一致するもののまれに逸脱した例が見られる」「事前のアンケート調査でおおむねの出席者数が判明している」のように使用する。
数値基準に付け加える表現として、「おおむね」には幅を持たせる意味合いが含まれる。「おおむね過去1万年以内に噴火した火山であることを条件とする」「勤続年数がおおむね10年以上である人が対象」「おおむね2万世帯分の電力に相当する」「種子の観察はおおむね10日おきに3年間実施した」のような表現がある。
概ね
読み方:おおむね
概ね(おおむね)とは、全体として見ればそういう状態にあると判断でき、その判断に影響が生じるような例外もないということを表す副詞である。概要あるいは大部分の意で、名詞としても用いる。「おおむね」と仮名書きすることが多い。「大旨」とも書く。主に文章や改まった会話で用いる、やや硬い表現である。
「概ね」は、大まかなところを意味する「おお(大)」と、物事の内容を意味する「むね(旨)」から成る語で、もとは大まかな趣旨を意味する名詞として用いられた。のちに漢文訓読で副詞的に用いられるようになり、近年では副詞としての用法が中心的である。「おおむね」に当てる「概」の字は、物事のあらましや、おおよそのものであることなどを意味し、「概略」「概算」などの漢語に用いられる。
「概ね」は、副詞として動詞にかかる場合、全体として見ればそういう状態にあると判断できることを示し、その判断に影響する例外はないということが含意される。「概ね」は単に全体に占める割合の大きさを表す語ではなく、たとえばある作品について、評者の8割から9割が良い評価をしていたとしても、残りの少数が極めて悪い評価を下していて、かつそれが無視できないほどの影響を持っているという場合には、「評価は概ね良い」とは言いにくい。
また、「概ね」が動詞にかかる場合、物事がそういう状態にあることについて、話者の評価は肯定的である(例、「今の生活に概ね満足している」)か、中立的である(例、「参加者は概ね男性だった」)ことが多く、その状態が否定的に捉えられる場合には用いにくい。したがって、「今の生活に概ね不満がある」「概ね問題だ」などとは普通は言わない。
「概ね」が「概ねの」の形で名詞にかかる場合は、それが厳密ではない大まかなものであることを表す(例、「概ねの金額を示す」「概ねの合意をみる」)。
「概ね」が数量や期間を表す名詞にかかる場合は、概してそのくらいの数量・期間であることを示す。その数量・期間が原則であり、わずかなずれであれば許容されるという場合に用いることが多い。例、「概ね50歳以上の方が対象」「概ね2年以内を目処に実施する」。
「概ね」は法令文でも用いられるが、法令用語としてその範囲に定義があるわけではない。
「概ね」と似た意味の言葉に「ほぼ」「大体」「総じて」などがある。
「概ね」「総じて」は文章語的であるが、「ほぼ」「大体」は口頭でも普通に用いられる。また、その状態が否定的に評価される場合には「概ね」は用いにくいのに対し、「ほぼ」「大体」「総じて」は価値中立的であり、話者のその状態に対する好悪の評価を感じさせない。
「ほぼ」は、客観的に見て完全に近いということを表し、「概ね」に比べ、例外があるというニュアンスが薄い。また、「概ね」は名詞としても用いるが、「ほぼ」はもっぱら副詞として用いる。
「大体」は、主要な部分はその状態であるということを表すのに対し、「概ね」は全体がおしなべてそのような状態であるということを表す。したがって、「概ね問題ない」と言えば、全体にわたり問題がないということを意味するが、「大体問題ない」と言えば、主要な部分は問題がないということを意味する。数量や期間、時期を表す名詞にかかる場合、「大体」は主観的な推量によることを表し(例、「大体50人くらいの部署」「大体夏ごろに咲く花」)、「概ね」のように、それが原則であるというニュアンスはない。また、「大体」には、「そもそも」の意で否定的な結論を導く用法があるが(例、「大体そんな上手い話があるか」)、「概ね」にはこのような用法はない。
「総じて」は、全体がそのような傾向にあると主観的に判断することを表す語であり、「概ね」と比べて例外があるというニュアンスが薄い。「総じて」はある程度広い範囲の物事について全体の傾向を述べるのに用いることが多く、「概ね」のように個人的なことには用いにくい。したがって、「君の意見には概ね同意だ」とは言えるが、「君の意見には総じて同意だ」とは言いにくい。また、「概ね」は名詞としても用いるが、「総じて」はもっぱら副詞として用いる。
上記のほかに、「概ね」と同じく大部分がそういう状態であるということを表す副詞には「あらかた」「おおかた」「おおよそ」「おしなべて」「およそ」「概して」「たいがい」「たいてい」「大略」「なべて」「ほとんど」などがある。
「概ね」の誤読からか、「おおむね」の意で「かねがね」が用いられることがある(例、「ご意見にはかねがね同意します」)。「かねがね」は本来、以前からそうであった意である(例、「お噂はかねがね伺っております」)。
概ねの用例:
(執筆:稲川智樹)
概ね(おおむね)とは、全体として見ればそういう状態にあると判断でき、その判断に影響が生じるような例外もないということを表す副詞である。概要あるいは大部分の意で、名詞としても用いる。「おおむね」と仮名書きすることが多い。「大旨」とも書く。主に文章や改まった会話で用いる、やや硬い表現である。
「概ね」は、大まかなところを意味する「おお(大)」と、物事の内容を意味する「むね(旨)」から成る語で、もとは大まかな趣旨を意味する名詞として用いられた。のちに漢文訓読で副詞的に用いられるようになり、近年では副詞としての用法が中心的である。「おおむね」に当てる「概」の字は、物事のあらましや、おおよそのものであることなどを意味し、「概略」「概算」などの漢語に用いられる。
「概ね」は、副詞として動詞にかかる場合、全体として見ればそういう状態にあると判断できることを示し、その判断に影響する例外はないということが含意される。「概ね」は単に全体に占める割合の大きさを表す語ではなく、たとえばある作品について、評者の8割から9割が良い評価をしていたとしても、残りの少数が極めて悪い評価を下していて、かつそれが無視できないほどの影響を持っているという場合には、「評価は概ね良い」とは言いにくい。
また、「概ね」が動詞にかかる場合、物事がそういう状態にあることについて、話者の評価は肯定的である(例、「今の生活に概ね満足している」)か、中立的である(例、「参加者は概ね男性だった」)ことが多く、その状態が否定的に捉えられる場合には用いにくい。したがって、「今の生活に概ね不満がある」「概ね問題だ」などとは普通は言わない。
「概ね」が「概ねの」の形で名詞にかかる場合は、それが厳密ではない大まかなものであることを表す(例、「概ねの金額を示す」「概ねの合意をみる」)。
「概ね」が数量や期間を表す名詞にかかる場合は、概してそのくらいの数量・期間であることを示す。その数量・期間が原則であり、わずかなずれであれば許容されるという場合に用いることが多い。例、「概ね50歳以上の方が対象」「概ね2年以内を目処に実施する」。
「概ね」は法令文でも用いられるが、法令用語としてその範囲に定義があるわけではない。
「概ね」と似た意味の言葉に「ほぼ」「大体」「総じて」などがある。
「概ね」「総じて」は文章語的であるが、「ほぼ」「大体」は口頭でも普通に用いられる。また、その状態が否定的に評価される場合には「概ね」は用いにくいのに対し、「ほぼ」「大体」「総じて」は価値中立的であり、話者のその状態に対する好悪の評価を感じさせない。
「ほぼ」は、客観的に見て完全に近いということを表し、「概ね」に比べ、例外があるというニュアンスが薄い。また、「概ね」は名詞としても用いるが、「ほぼ」はもっぱら副詞として用いる。
「大体」は、主要な部分はその状態であるということを表すのに対し、「概ね」は全体がおしなべてそのような状態であるということを表す。したがって、「概ね問題ない」と言えば、全体にわたり問題がないということを意味するが、「大体問題ない」と言えば、主要な部分は問題がないということを意味する。数量や期間、時期を表す名詞にかかる場合、「大体」は主観的な推量によることを表し(例、「大体50人くらいの部署」「大体夏ごろに咲く花」)、「概ね」のように、それが原則であるというニュアンスはない。また、「大体」には、「そもそも」の意で否定的な結論を導く用法があるが(例、「大体そんな上手い話があるか」)、「概ね」にはこのような用法はない。
「総じて」は、全体がそのような傾向にあると主観的に判断することを表す語であり、「概ね」と比べて例外があるというニュアンスが薄い。「総じて」はある程度広い範囲の物事について全体の傾向を述べるのに用いることが多く、「概ね」のように個人的なことには用いにくい。したがって、「君の意見には概ね同意だ」とは言えるが、「君の意見には総じて同意だ」とは言いにくい。また、「概ね」は名詞としても用いるが、「総じて」はもっぱら副詞として用いる。
上記のほかに、「概ね」と同じく大部分がそういう状態であるということを表す副詞には「あらかた」「おおかた」「おおよそ」「おしなべて」「およそ」「概して」「たいがい」「たいてい」「大略」「なべて」「ほとんど」などがある。
「概ね」の誤読からか、「おおむね」の意で「かねがね」が用いられることがある(例、「ご意見にはかねがね同意します」)。「かねがね」は本来、以前からそうであった意である(例、「お噂はかねがね伺っております」)。
概ねの用例:
- 評価は概ね良い(評価は、全体として見れば良好で、その判断に差し障る例外もない)
- 話は概ね理解している(話は、些末な点を除けば、理解している)
- 今の生活に概ね満足している(今の生活には、わずかな不満もないではないが、それを無視できる程度には満足している)
- 概ね問題なく利用できる(場合によっては問題もあるかもしれないが、普通に使う分には問題なく利用できる)
- 県内は概ねくもりとなった(県内は、くもりでないところもあったが、それは問題にならない程度であり、県全体がくもりとなったと言って差し支えない)
- 事件の概ねを説明する
- 会員の概ねは女性だ
(執筆:稲川智樹)
おお‐むね〔おほ‐〕【大旨/▽概ね】
読み方:おおむね
おお‐むね〔おほ‐〕【大棟】
おおむね
「おおむね」の例文・使い方・用例・文例
- おおむね健康です。
- 祖父の健康状態はおおむね良いです。
- 計画の趣旨はおおむね理解しました。
- 新しい流線型のデザインはおおむね好評のようです。
- 彼はそのスキャンダルとおおむね関係があった。
- 太陽熱は、他のどのエネルギー源より大きな希望を抱かせるが、それには特に、水が最も不足する地帯が赤道におおむね近く、空気も比較的きれいだという理由もある。
- おおむね、そのイベントは成功した。
- あなたが言ったことはおおむね正しかった。
- この批評はおおむね的を射ている.
- その提案にはおおむね賛成だ.
- 細胞や器官で、おおむね一定の生理的状態を維持するプロセス
- その時点では,結果は「おおむね良好」であるとされた。
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