大気圏突入
別名:大気圏再突入
宇宙空間から天体の大気圏へと進入すること。単に「大気圏突入」という場合は地球の大気圏への突入を指すことが多い。
地上から打ち上げた宇宙船や探査機が、地球の大気圏内に突入する場合、学術的には「大気圏再突入」の語が用いられる。なお、宇宙の彼方から飛来する隕石などに対しては「再突入」の表現は用いられない。
地球に向かって大気圏突入を行う宇宙船や探査機は、音速の数十倍に上る速度で大気と衝突する。そのとき、大気が側面などに逃れられず、前方に押しつぶされ、熱を持つようになる(断熱圧縮)。
大気圏突入時の断熱圧縮による熱は千度を超え、十分な耐熱処理が施されていなければ、大抵のものは燃え尽きる。人工衛星や探査機の場合はスペースデブリと化すことを避ける目的で意図的に大気圏に落とされる場合がある。小惑星探査機「はやぶさ」の機体などはこの目的で大気圏へ突入を行っている。
関連サイト:
地球の大気圏(たいきけん)に突入した宇宙船は高温になりますが、この熱はどうして発生するのですか - JAXA宇宙ステーションキッズ
大気圏再突入
大気圏再突入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/07 08:24 UTC 版)
スカイラブの落下は国際的なメディアの関心事となり、Tシャツや帽子が売られ落下の時間や場所が賭けの対象となり、毎晩のニュース番組で取り上げられた。サンフランシスコ・エグザミナー紙は同社のオフィスに最初にスカイラブの破片を持ってきた者に1万ドルの賞金を出すと申し出、ライバル社のサンフランシスコ・クロニクルは同紙の購読者で身体や財産に損害を負った者に20万ドルを出すと言った。NASAはラブの破片が人体に当たる確率は152分の1で、それを世界の人口40億人 (当時) で掛けると、誰か特定の人間を直撃する確率は6,000億分の1であると試算した。人口10万人以上の都市に落下する確率は7分の1で、残骸が落ちた国や、あるいは救助を求める者のところに向かわせるための特別チームが待機した。 私たちは、スカイラブはこの地球上のどこかにあるものと推測します。 スカイラブ管制官チャールス・S・ハーラン (Charles S Harlan) 再突入の数時間前、地上管制は人口密集地帯に落下する危険性を最小限に抑えるべくスカイラブの姿勢を調整した。管制は再突入が1979年7月11日16:37 (UTC) ごろ、ケープタウンの南南西1,300キロメートルで開始するよう狙いを定め:371、空軍は突入の状況を監視できるよう極秘の追跡システムからのデータを提供した。だがNASAの計算に4%のミスがあったため、分解は予想したほど早く始まらず、残骸は西オーストラリア州パースの南西に落下した:371。発見された場所はエスペランスとローリンナ (Rawlinna) の中間で、南緯31度から34度、東経122度から126度、バラドニア (Balladonia) の周辺半径130から150キロメートルの地点であった。住民や航空機のパイロットは大きな残骸が大気圏内で分解したとき、色とりどりの花火のような数十もの光跡が空を横切るのを目撃した。地方公共団体のシュライン・オブ・エスペランス (Shrine of Esperance) は、NASAに対し冗談で400ドルの罰金を科した。この罰金は30年間払われることはなかったが、2009年4月にアメリカの路側放送の司会者スコット・バーレイ (Scott Barley) が彼の朝の番組の視聴者から寄付を募り、NASAの代理として支払われた。 17歳のスタン・ソーントン (Stan Thornton) はエスペランスの彼の自宅で24個の破片を発見し、フィラデルフィアのあるビジネスマンがスタンと彼の両親およびガールフレンドを、エグザミナー紙の賞金を受け取るサンフランシスコまで飛行機で送り届けた:371。1979年度のミス・ユニバースは、主催者にとっては全くの偶然だったが、この数日後の7月20日にパースで開催されることになっており、大会当日には大きな残骸がステージの上に展示された。破片を分析した結果、スカイラブは予想よりもはるかに低い上空10マイルに達するまで分解していなかったことが判明した。 スカイラブの後、NASAはスペースシャトルで宇宙に運ばれ地球に回収される、再使用型の軌道作業室スペースラブに傾注することになった。アメリカの次期宇宙ステーション計画フリーダムは1993年に国際宇宙ステーション計画に統合され、1998年に建設が開始された。シャトル・ミール計画も別に進行し、アメリカの出資により1990年代にスペクトル、プリローダ、ミール・ドッキングモジュールの各区画が建設された。
※この「大気圏再突入」の解説は、「スカイラブ計画」の解説の一部です。
「大気圏再突入」を含む「スカイラブ計画」の記事については、「スカイラブ計画」の概要を参照ください。
- 大気圏再突入のページへのリンク