乾燥したもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 07:21 UTC 版)
貯蔵に耐えるので備荒食糧に適する。加藤清正が熊本城の築城(現在の城より改築前に当たる)に際して篭城を予見して、畳の芯になる畳床(本来は藁床を用いる)や珪藻土とベントナイトもしくはドロマイト土(両方とも口にしても無害な土類)を主成分にした土壁にスサ(土壁に補強のために梳きこむつなぎ。本来は藁を用いる)として芋茎を用いた逸話がある(ベントナイトについては水分を吸うと膨らむ性質があるので乾パンの原料にも日中戦争以前より用いられてきた)。近年、災害時の非常食として、干した芋茎の利用が模索されている。 里芋の葉も富山県や岐阜県では「いもじ」と称して、乾燥させて、同じように利用される例がある。 関東ではほしずいき、関西、千葉県、茨城県ではわりな(割菜)、香川県ではずきかんぴょう(髄茎干瓢)と称する。茎を細く割いて乾燥したもので、徳島、高知、和歌山、奈良などで産する。 水に浸けて軟らかくし、だし汁、酒、醤油、味醂または砂糖で、薄味に調味したなかで煮込むのもよく、刻んだ油揚げを加え、また、生姜の千切りをもふり込む。下味を付けたのを味噌和え、芥子和えにしたのも好まれる。煮込みの五目飯に混ぜても野趣が喜ばれる。煮込んだものを、干瓢の代わりに海苔巻き寿司にするのも美味である。 中国広東省や福建省などでは「芋茎干」、「芋梗干」などと称して、スープの素材やアヒル、ニワトリなどと煮込んで食べる例がある。 ネパールでは、水で戻して黒大豆の粉をまぶして炒めることで肉に近い食感の「モシュラ」という食材とし、煮物、炒め物などの素材として使う。
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