マギウス
マギウス
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マギウス(MAGIUS:Multiple Assignable Game Interface for Universal System, 普遍的なシステムのために複合の割り当てが可能なゲーム・インターフェース)とは、富士見ドラゴンブックで展開されていた汎用テーブルトークRPGのルールのこと。1995年から1998年まで、アニメやライトノベルを原作にしたタイアップもののゲームがマギウスのルールを用いて多数作られた。
概要
マギウスは、シンプルな基本ルールを基幹にし、そこにゲームの舞台となる世界観にあわせたオリジナルルールを組み込むことで、様々なゲームをルールを新たに学習することなく遊べるようにしようというコンセプトで開発された。
マギウスは徹底してライトユーザー向けに特化したシリーズであり、普段テーブルトークRPGをやらないような層でも簡単に遊べるゲームという方向性が重視された。ゲームプレイは数十分から2時間程度で終わるものが多く、ゲームに必要な準備なども極力少なくてすむように工夫されている。アニメやライトノベルを原作にしたメディアミックス作品が多数を占めるのも普段ゲームをやらない層へのアピールを意識したからと言える。
そのようなコンセプトのためマギウスを使用した多くのゲームは、テーブルトークRPGが本来的に持っている煩雑さを極力無くすようにデザインされた。中にはプレイヤーキャラクターが行える行動を限定しているものや、ゲームマスターを廃しているものも存在する。テーブルトークRPGというよりボードゲームに近いプレイ感覚のものが多かったのも特徴である。
マギウスは、一人プレイを行うためのゲームブック形式の「ソロプレイ」と、通常のテーブルトークRPGと同じく多人数プレイを行うための「マルチプレイ」の両方の遊び方ができるのも特徴で、「ソロプレイ」と「マルチプレイ」のどちらを重視しているかはサプリメントごとに異なっている。
システム
マギウスの基本になっている『マギウス・ベーシック』のルールは至極シンプルである。基本の行為判定は「六面体サイコロを2個振った出目の合計が能力値を足し合わせて、GMが指定した難易度以上が出れば成功」というものである。もしもその行為判定に関係する技能を所持していれば、六面体サイコロを3個振れてそこから任意の2個の出目を選ぶことができる。
能力値や技能は舞台になる世界によって決定することになっており、どのサプリメントで遊ぶかによって全く違う能力値や技能が使われる。そのようなわけでマギウスのゲームを遊ぶための実際のルールは各サプリメントに掲載された追加ルールの方が比重が高い。マギウスの基本ルール自体は実に文庫本15ページに収まるものになっている。
作品リスト
基本的にマギウスは富士見ドラゴンブックにより文庫サイズで販売された。ただし『でかマギスレイヤーズ』のみA4版ソフトカバーである。
スタートブックのルール部分の内容は暗記できるほどわずかなので、慣れればサプリメントだけでゲームを遊ぶことも可能。
スタートブック
- MAGIUSスタートブック (富士見書房編集部)<13-1>
- マギウスの基本ルールブック。基本ルールである「マギウスベーシック」と付録サプリメント「MAGIUS亭」を収録。「MAGIUS亭」はゲームブック形式で書かれた基本ルール教習用ツール。著者は富士見書房編集部となっており、マギウスベーシックのデザイナーについては現在でも不明である。
スレイヤーズ系列
スレイヤーズ系列はマギウスの原作の中では看板タイトルであり、量もかなり多い。ゲームデザインはORGの中澤光博が中心になって行われていた。スレイヤーズというタイトルがテーブルトークRPGと親和性が良いこともあって、スレイヤーズ系のマギウスは多くのシリーズが作られた。
- スレイヤーズRPG - ナーガ様といっしょ (中澤光博/ ORG) <13-4>
- MAGIUSスタートブックと同時発売。プレイヤーは白蛇(サーペント)のナーガとともに冒険をする冒険者となり、ゲームマスターがナーガを操る。ルールは「ナーガの気まぐれな行動」のために大部分が割かれており基本的にPCに対して迷惑をかける。全てのPCにはナーガをあしらうための様々な「対ナーガ技能」が設定されており、暴走するナーガに対応することになる(例えばリナの対ナーガ技能は「金で釣る」「ジト目」「突っ込む」と設定されている)。「敵に回せば面白いが味方に回すと頼りない」というナーガの特徴を如実にシステムに反映させている。
- だんぢょん大作戦(オペレーション)! - スレイヤーズRPG (中澤光博/ ORG)<13-8>
- プレイヤーはリナのパーティーの一員となり、ダンジョン探索をする。ダンジョンの構造や配置モンスター、トレジャーなどはトランプによりランダムで決定されるのが特徴で、ゲームマスターはシナリオを作る必要がない。手軽にダンジョンハックが行える。原作の豪快さを表現するため、大ダメージを与えすぎるとダンジョンそのものが崩壊するというルールが実装されている。このルールのため、MAGIUSのシステムに則って、余計なダメージを与えないよう3個振ったダイスから任意の2個を選択することになるが、ナーガの場合は「常に最大になるよう選択する」というルールも実装されている。
- 入門!リナの魔法教室 - スレイヤーズRPG (中澤光博/ ORG)<13-15>
- プレイヤーは原作キャラクターの弟子になり、一人前の魔法使いになるために師匠の無理難題を解決していくというゲーム。キャラクター育成型シミュレーションゲームの形態をとっており、キャンペーンを行わずとも1回のセッション(ほぼソロプレイ)でキャラクター成長の醍醐味が味わえる。
- 魔道士になるためのデータとして、当時までに小説版スレイヤーズに登場した魔法が解説付きで網羅されたデータ集が付属しており、資料としての側面もある。
- ナーガ様がいっぱい - MAGIUSスレイヤーズRPGリプレイ集 (中澤光博/ ORG)<13-17>
- 『ナーガ様といっしょ』と『だんぢょん大作戦』のリプレイ集。追加ルールも掲載されている。『だんぢょん大作戦』と『入門!リナの魔法教室』のコンバートルールが掲載されている。
- 聖王都(セイルーン)あどべんちゃあ - スレイヤーズRPG (中澤光博/ ORG)<13->
- 『だんぢょん大作戦』の続編。今回は街をダンジョンに見立てたシティアドベンチャーであり、地形破壊のルールがより強調された。PCは聖王都を破壊せぬよう悪人を捕まえなくてはならない。
- お宝くえすと スレイヤーズRPG (中澤光博/ ORG)<13->
- プレイヤーはリナのパーティーの一員となり、冒険者として依頼を受けて世界の各街を巡る。冒険には依頼人が同行し、依頼人の「ガマン度」が設定されており「ガマン度」が一定を超えると依頼人は冒険の障害と変化するのが特徴。
- でかマギスレイヤーズ! (山北篤)
- マギウスのルールを利用したすごろく形式のボードゲーム。A4ソフトカバーの書籍で、切り離し可能なペーパーフィギュア(コマ)、ボード、カードが同封されている。マギウスのシリーズ最終作でもある(1998年11月発行)
天地無用!系列
『天地無用!』はAIC製作のアニメーション。ゲームデザインはスタジオ実験室の泥士朗が中心になって行われた。
- 天地無用!RPG - 天地争奪戦 (泥士朗/スタジオ実験室) <13-5>
- MAGIUSスタートブックと同時発売。OVA版の『天地無用!』をモチーフとしている。テーブルトークRPGの形式をとってはいるがゲームとしてはプレイヤー同士で勝敗を競うマルチゲームとしてデザインされている。プレイヤーは柾木天地の周囲にいる美少女たちを担当する。ゲームマスターがルールによって発生させる様々な日常的もしくは非日常的なイベントに対しそれをもっとも高い達成値でクリアすることでそのキャラクターの天地への好感度があがり、セッション終了時でもっとも天地に好かれているキャラクターが勝利する。
- 騒動無用! - 天地無用!RPG (泥士朗/スタジオ実験室) <13-11>
- こちらはTV版の『天地無用!』をモチーフとしたゲーム。また、プレイヤーキャラクターに清音が選択可能。
- 天地無用! in LOVE RPG (たのあきら)<13-14>
- 劇場版『天地無用in LOVE』がモチーフ。映画の後日談という設定になっている。現代の東京に迷い込んだ阿知花をプレイヤーたちが探し出すたというもの。ボードゲーム風。
- 天地無用!漂流記 MAGIUS天地無用! RPGリプレイ集 (泥士朗/スタジオ実験室) <13-16>
- 『天地争奪戦』と『騒動無用!』のリプレイ集。追加ルールとして『天地争奪戦』に戦闘を持ち込む要素が掲載されている。
- 魔法少女プリティサミーRPG (泥士朗/スタジオ実験室) <13->
- TV版の『魔法少女プリティサミー』がモチーフ。2人用対戦ゲーム。プレイヤーはサミーとミサに分かれて魔法対決をする。
新世紀エヴァンゲリオン系列
ガイナックス製作のSFアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』がモチーフ。ゲームデザインはスタジオ実験室の泥士朗が中心になって行われた。
同時期に角川書店より発売されたテーブルトークRPG『新世紀エヴァンゲリオンRPG』シリーズとは全くの別物である。
- 新世紀エヴァンゲリオンRPG - 決戦!第3新東京市 (泥士朗/スタジオ実験室) <13-13>
- エヴァと使徒との闘いを軽量級のウォー・シミュレーションゲームとして再現したもの。軽量級とは言ってもデータ量やルール量はマギウスの中ではかなり多い方に入る。
- エヴァパイロットでプレイするのは戦闘シーンで、それまでの通常シーンではNERV職員をPCとして使用するという珍しいルール。葛城ミサト、赤木リツコのような主要人物から、伊吹マヤや冬月副司令のような脇キャラクターでプレイすることができた。
- 新世紀エヴァンゲリオンRPG〈2〉使徒接近! (泥士朗/スタジオ実験室) <13->
- エヴァが主役だった前作とは逆に、キャラクターに焦点を当てた。NERVの日常に潜む使徒の陰を掴むことが目的。基本的にソロプレイ用のゲームとして作られており、マルチプレイとしての遊び方は薄い。
- 使徒、撃滅! - MAGIUS新世紀エヴァンゲリオンRPGリプレイ集 (泥士朗/スタジオ実験室) <13->
- 『決戦!第3新東京市』と『使徒接近!』のリプレイ集。追加ルールとして二つのルールを同時に運用する要素が掲載されている。
- エヴァを題材にしながらも、軽いコメディタッチを基本として展開されるシナリオが特徴。
魔術士オーフェン系列
『魔術士オーフェン』は秋田禎信のライトノベルのシリーズ。『スレイヤーズ』と並ぶ、ライトファンタジーというジャンルの代表作である。
- 魔術士オーフェン 私闘編 (高平鳴海) <13->
- 短編集の『無謀編』がモチーフ。
- 魔術士オーフェン 野望編 (高森健一) <13->
- 長編である『はぐれ旅』がモチーフ。
その他の原作もの
- 五竜亭RPG - 五竜亭の大騒動! (富永民紀/冒険企画局)<13-2>
- MAGIUSスタートブックと同時発売。『ファンタジーRPGクイズ』や『ウィッチクエスト』などの冒険企画局のゲームに共通する舞台である「ユキリア世界」で冒険するための、オーソドックスなファンタジーTRPGとして作られている。
- セイバーマリオネットJ‐RPG - ぼくだけのアリシア (Studio PACCHI)<13-10>
- 1996年にTVアニメ放映された『セイバーマリオネットJ』がモチーフ。マギウスの中では複雑なキャラクターメイキングのルールが実装されており、それを使い自分の好みのマリオネットをセッションを通じて育成していくゲーム。
- サイレントメビウスRPG (山北篤)<13-9>
- 麻宮騎亜のサイバーパンク風のSFコミック『サイレントメビウス』がモチーフ。
- モンスターメーカー学園RPG〈学園祭編〉 (藤浪智之)<13-3>
- 翔企画の『モンスターメーカー学園』がモチーフ。『モンスターメーカー学園』はモンスターメーカーの現代学園版という派生作品。同名のカードゲームやコミックの設定を元に、マギウス版用に作成された設定とシナリオを搭載している。ゲームとしてはボードゲーム風でゲームマスターは不要。
- ロケットガールRPG (野尻抱介)<13-6>
- 野尻抱介の宇宙開発SF『ロケットガール』がモチーフ。作家デビューする前はゲームデザイナーであった野尻自身がデザインを行っている。ロケットを使って宇宙に行きミッションをこなし地球に帰還するまでの一連の流れを遊ぶゲーム。エンジン点検などはもちろんのこと、パイロットの健康診断まで組みこまれており、原作同様に宇宙開発に携わる職業のリアルさが意識されているが、それを煩雑にすることなくマギウスのルールで軽量に表現している。
- 蓬莱学園RPG - 蓬莱83分署 (賀東招二)<13-7>
- プレイ・バイ・メールより発展した遊演体の架空世界『蓬萊学園』を舞台にしたマギウス。ゲームデザインは、1994年のアンソロジー『弁天女子寮攻防戦』から蓬莱学園シリーズに携わった賀東招二が務めている。『蓬莱学園』のテーブルトークRPGとしては『蓬萊学園の冒険!!』が存在するが、基本的にそれとは関係はない。プレイヤーは蓬莱学園の公安委員となり、学園の様々な事件を調査、鎮圧する。ポリスアクションRPGとしての色も強い。
- ゲットレディ、GO! - それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコRPG (久保田悠羅/F.E.A.R.)<13-12>
- 庄司卓の戦争SFライトノベル『それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』 がモチーフ。ハックアンドスラッシュが楽しめる戦闘ルールとともに、キャラクターの性格や設定に似つかわしい台詞や行動をするとキャラクターが強化される「ロールプレイ支援」のギミックが搭載されている。
- 魔法学園LUNAR! RPG (鈴木猛) <13-24>
- ゲームアーツのコンピュータRPG『LUNAR』シリーズのスピンオフ作品であるセガサターンのRPG『魔法学園LUNAR』がモチーフ。
- MAZE☆爆熱時空RPG (たのあきら/ F.E.A.R)<13->
- アニメ化もされたあかほりさとるのライトノベル『MAZE☆爆熱時空』がモチーフ。“押し倒しゲージ”を使ってメイズと敵キャラの1対1のバトルが再現されている。
- ロストユニバース 芸夢轟く (中澤光博/ ORG)<13-28>
- 神坂一のスペースオペラ『ロストユニバース』がモチーフ。デザイナーが同じことからスレイヤーズ系マギウスと似たゲームで、トランプを使ったランダムイベントをクリアしながら宇宙で金儲けするゲームになっている。
- 機動戦艦ナデシコ - ときめき『キッス』は誰のもの!? (設楽英一/ F.E.A.R.)<13->
- XEBEC製作の戦争SFハーレムアニメ『機動戦艦ナデシコ』がモチーフ。通常パートで女の子たちと仲良くなり、戦争パートではエステバリスで木連と戦争するという、コンピュータゲームの恋愛シミュレーションゲームに近い雰囲気のルールになっている。
オリジナル作品
- 町内防衛隊RPG - 空想科学MAGIUS (小野洋一)<13-23>
- 第1回MAGIUSゲームデザイン・コンテスト準入選作。怪獣映画をモチーフにしたゲームで、プレイヤーは地球防衛軍ならぬ「町内防衛隊」となり、様々な秘密兵器を町内会の予算内でやりくりしながら怪獣を撃退する。ただ撃退するだけでなく町内会からの支持を得るためには活躍のアピールが必要になることから、巨大ヒーロー(プレイヤーキャラクターが変身できるが正体は秘密)が怪獣を倒してしまうと防衛隊の人気が下がり、予算が減らされるというジレンマが組み込まれている。
マギウス(ヴァルヴレイヴ搭乗者)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 07:45 UTC 版)
「革命機ヴァルヴレイヴ」の記事における「マギウス(ヴァルヴレイヴ搭乗者)」の解説
時縞 ハルト(ときしま ハルト) 時縞 ハルトを参照。ヴァルヴレイヴIのマギウス。 流木野 サキ(るきの サキ) 流木野 サキを参照。ヴァルヴレイヴIVのマギウス。 犬塚 キューマ(いぬづか キューマ)(KYUMA INUZUKA) 声 - 小野友樹 咲森学園3年生。18歳。バレーボール部所属。誕生日は1月9日。山羊座のO型。ヴァルヴレイヴVのマギウス。新生ジオール内閣設立に伴い、財務大臣に就任。 ハルトたちにとっては良き先輩であり、ハルトやショーコ、アイナとよく行動を共にする。高額な手術費用が捻出できずに病気の姉を亡くした過去があり、お金への強い執着を持っている。そのため、「将来は大金持ちになる」と公言してお金の話ばかりするが、性格自体は明朗快活。学園の独立後は義捐金を集めようとホームページで独立維持費を募ったり、ショーコの作った羊羹を新生ジオールの名物として売り出そうと考えるが、本人の金儲けの能力自体はさほど高くない模様。執着心は企業からの契約金目的で愛機名を決めるほどで、ライゾウには呆れられた。 ドルシア軍の初襲撃の際、ハルトの身体とヴァルヴレイヴIの奪還に協力し、彼の身体の異常を知る1人となった。それゆえ、ショーコへの告白を断念してしまったハルトを心配している。アイナに好意を持っていたため、彼女の死を目の当たりにして深く悲しむと同時に自分の無力さを痛感し、戦うための術を身に付けていく。ドルシア軍の策略でハルトらが引き離されたモジュール77の窮地に際し、どさくさに紛れてヴァルヴレイヴIIIへ搭乗しようとするライゾウと口論を繰り広げた末、自分もアイナへの思いから戦う意志を固め、「皆を守るための盾」を持つヴァルヴレイヴVのマギウスとなった。 『2nd』では地球降下作戦に参加し、年長者として他のパイロットのまとめ役を務める。輸送艦奪取時には、ライゾウと共にイデアール・ブルーメを撃破した後、キルシュバオムによって窮地に陥るものの、マリエの駆るヴァルヴレイヴIに救われ、作戦を成功させる。その後もヴァルヴレイヴVの特性を活かし、輸送艦の盾になる活躍を見せる。 月への帰還後は金策に奔走する一方、思い悩むハルトを先輩として支えるが、サミットを契機に他のパイロットたちと同様に周囲から迫害され、脱出の際にはショーコたちの裏切りに直面する。それでも「神憑き」の名に込めた想いやアイナのことを胸に秘めながらショーコたちの盾となり、売り渡されたハルトとエルエルフを救出。追撃を受ける中、ハルトにショーコへの気持ちを訊くと、彼らだけでも逃がすべく、敵を道連れに宇宙へ散った。その後、第三銀河帝国誕生の英雄の1人(始まりの騎士)として祀り上げられている。 山田 ライゾウ(やまだ ライゾウ)(RAIZO YAMADA) 声 - 中村悠一 咲森学園2年生。17歳。誕生日は12月10日。射手座のO型。部活動では茶道部に所属(ただし幽霊部員)。ヴァルヴレイヴIIIのマギウス。 リーゼント頭で不良グループのリーダーを務めており、粋がって「サンダー」を自称しているが、仲間達からそう呼ばれたことはなく、そのたびに修正するのがお決まりとなっている。やや粗暴な性格から学園内での評判は良くないが、ドルシア軍の初襲撃で死亡した友人のノブ(風本ノブテル)の墓を前に涙して、彼の仇を討つためにヴァルヴレイヴIを自分に渡すようハルトに迫ったほか、ダウンした環境システムのリストアへ向かった際にはユウスケの窮地を咄嗟に救い、アイナの死を気安く扱う集団を「可哀想ごっこ」と吐き捨てるなど、根は義理人情に厚く勇気に溢れた性格である。その一方、おだてられると調子に乗ってしまう軽薄な面もあり、代表選出総選挙の際は「面白そう」という理由だけで出馬した。 自分の手で友人の仇を取れない現状にもどかしさを感じ、何度も保管中のヴァルヴレイヴへの搭乗を目論んでは独房入りとなっていたが、モジュール77が窮地に陥った際に独房を脱出して格納庫でヴァルヴレイヴへの搭乗を巡りキューマと口論を繰り広げた末、結果的に彼のマギウス化を後押しすることとなった。また、自身もイメージカラーである黄色をしていたヴァルヴレイヴIIIのマギウスとなるが、サキやキューマと違ってハルトの異変を目にしていなかったため、搭乗者登録時の質問を深く考えずに承諾した。初戦後にハルトたちから詳しく説明されるが、むしろ自分に起きた変化を嬉々として受け入れている。 『2nd』では地球降下作戦に参加し、ハルトたちと行動を共にしている。輸送艦奪取作戦時にはキューマと共にイデアール・ブルーメを撃破する戦果を挙げるものの、キルシュバオムによってヴァルヴレイヴIIIの左腕を損失したため、月に帰還するまではアキラと共に後方支援に回る。ショーコたちの裏切りを知った時は真っ先に激昂し、殿を買って出たキューマとの別れに悔し涙を流しつつ、生き残った学生たちのシャトルとともに月を脱出する。その後、シャトルへの乗船を拒否するショーコに罵声を浴びせながらも、キューマの遺志を尊重して彼女たちを守り続けることを誓う。 同盟式典の戦いの最中、アキラを守るべくクーフィアと交戦。死闘の末、油断した隙を突かれ敗北するが、マギウスとなったことは後悔せず、仇討ちができて仲間を守れることを誇りに思いながら戦死した。その後、第三銀河帝国誕生の英雄の1人(始まりの騎士)として祀り上げられている。 連坊小路 アキラ(れんぼうこうじ アキラ)(AKIRA RENBOKOJI) 声 - 悠木碧 咲森学園2年生。17歳。誕生日は2月2日。水瓶座のA型。連坊小路サトミの妹。ヴァルヴレイヴVIのマギウス。 卓越したクラッキングスキルを持ち、学園内のシステムどころか軍用最新式暗号回線もクラッキングできる。WIREDの開発者。 かつて両親からの重圧・受験に苦悩していたサトミを助けたい一心で受験校の試験問題をハッキングで入手し補導されたことが原因で、 小・中学校時代に渡っていじめを受けていた。その経緯から重度の対人恐怖症に陥っており、サトミ以外とは会話もおぼつかなく、大勢との接触を促されるとパニックに襲われる。そのため、学園の校舎内に設立したダンボールハウスへ引きこもり、外部とはWIREDのユーザー・「RAINBOW」として接触している。サトミとは顔を合わせて接触できる程度には気を許しているが、自身へのいじめに対して見て見ぬふりをされていたため、少々邪険に扱っている。 ドルシア軍の襲撃以降は、ハルトがヴァルヴレイヴIでドルシア軍を相手に奮戦する映像をWIREDを介して世界中へ拡散したり、ARUSの通信を傍受したりと、独自の情報戦略を用いて対応する。その最中に偶然拠点を発見したショーコに遭遇し、初めはパニックに陥って拒絶するが、その後も度々訪ねてきては強引に交流を持とうとする彼女に少しずつ心を開いていく。モジュール77がドリルビットの侵攻を受けた際には避難せずそのまま死を選ぼうとするが、モニター越しにショーコの危機を目にし、彼女を救うべくダンボールハウスから飛び出す。救出に向かう最中に瓦礫の中で偶然見つけたヴァルヴレイヴVIへ搭乗し、躊躇せずにマギウスとなった。すぐにショーコを救い、ヴァルヴレイヴVIのハッキング性能を使いこなしてカインの作戦を破綻させ、モジュール77全体を救う。これ以降、ショーコへの友情はさらに固いものとなり、ハルトとの仲睦まじい姿を見て嫉妬するほか、彼女を危機に晒す者へ容赦の無さを見せるようになっていく。 『2nd』では地球降下作戦に参加し、当初はヴァルヴレイヴVI内に閉じこもって皆と顔を合わせようとしなかったが、夜中に食料を調達しようとコクピットから出た際にマリエと友人になり、輸送艦奪取の際にはサキとも友誼を交わすなど、徐々に周囲との距離を縮めていく。 大気圏突入時、サトミのミスが原因で敵に見つかった事実を知った際には、そのフォローをしようと必死に戦う。輸送機と離れすぎた事で孤立してしまい大気圏の摩擦で命の危機に瀕するが、サトミが自身を助ける為にエルエルフに進路変更を懇願したことを知り、ハッキング能力で情報を送って彼に助けを求め、一応の仲直りをした。その後も数々の作戦にて、その類稀なクラッキング能力を最大限に駆使した電子戦によって、作戦を成功に導いている。 ARUSによる咲森学園の虐殺時には、ヴァルヴレイヴVIでパイロットたちの反撃の端緒を作り、生き残りの学生たちと共に月を脱出する。また、カミツキの存在を拒絶するショーコに対して次第に悲しみと憤りを募らせていく(しかし、親友であるショーコにカミツキのことを黙っていた後悔もあり、責める立場ではなかった)。一方で、自身がマギウスと知ってからも変わらず接しようと努力してくれたサトミに対しては安心感を覚えていた様である。 同盟式典の戦いではライゾウに守られながらアンテナをクラッキングし、アマデウスの正体を全世界に向けて発信。無事に戦いを生き残り、ショーコに死んだハルトのヘルメットを渡し、泣き続ける彼女の姿を見届けた。 モジュール77奪還作戦後、サトミとタカヒの結婚式に参列していた際には、どこか寂しそうな表情をしていた。その後は第三銀河帝国の一員となっており、サキと共に自分達の経験した戦いについて皇子に語っている。 野火 マリエ(のび マリエ) 声 - 福圓美里 咲森学園2年生。17歳。誕生日は2月27日。魚座のB型。水泳部所属。新生ジオール内閣設立に伴い、総務大臣に就任。 ショーコの親友。幼い外見に反して精神的には成熟しており、ショーコに片想いしているハルトを見て「青春」と茶化している。口数が少なくマイペースな面を持ち、リオンやアキラにセクハラまがいの行動を取ることもあった。その一方、負傷したタクミを手当てしたり、選挙ではショーコを信じて立候補用紙を用意しておいたりするなど、気の配り方は上々。2年前から記憶喪失であり、かつてはそのことに引け目を感じ他人との交流を持たなかったが、ショーコの言葉により「未来の思い出」を作っていくことを決め、以来「友達」という言葉に強い思い入れを抱くようになる。モジュール77司令部の配置整備後は、モニター監視を担当。 『2nd』では失われた記憶の手掛かりを求め、ハルトたちと共に地球降下部隊に参加する。ショーコからはアキラの面倒を見るよう頼まれており、降下作戦前に彼女と友人になる。大気圏突入中の戦闘にてハルトの右目が負傷からすぐ治るという異変を目撃するが、輸送艦奪取作戦時にそれをハルトに詰問していた際、エルエルフの銃撃を受けたことで自分も人間でないことを知る。直後に、キルシュバオムの爆撃に遭って地盤崩落に巻き込まれ、エルエルフやヴァルヴレイヴI共々生き埋めになる。 彼女の正体は、ヴァルヴレイヴIのテストパイロットにして人類初の第三世代マギウス(神憑き)である。ただし、レイヴによるRUNE搾取へのリミッターを持たず、搭乗するだけでもRUNEを急速に消費する「欠陥品」であることから、テストパイロット登録を抹消されていた。ヴァルヴレイヴIを操縦すれば記憶を失うことをピノから聞かされるが、状況の打開と仲間の窮地を救うために再度パイロット登録を行い、出撃する。かつてショーコに激励された時のように「思い出も友情もまた作ればいい」と、残存する2年間の記憶と引き換えにヴァルヴレイヴIの出力を上昇させ、圧倒的な力でドルシア陸軍を殲滅した。そして、モニター越しのハルトと言葉を交わした後に「自分にも大好きな友達がいた」と微笑み、残された力でハラキリ・ブレードを使用したことで全てのRUNEを失い、命を落とした。ハルトたちが月へ帰還した後、マリエの死は多くの生徒たちの悲しみを呼び、彼女の亡骸は地球に残されたまま、他の生徒たちの亡骸と同じ場所に墓が作られた。その後、第三銀河帝国誕生の英雄の1人(始まりの騎士)として祀り上げられている。
※この「マギウス(ヴァルヴレイヴ搭乗者)」の解説は、「革命機ヴァルヴレイヴ」の解説の一部です。
「マギウス(ヴァルヴレイヴ搭乗者)」を含む「革命機ヴァルヴレイヴ」の記事については、「革命機ヴァルヴレイヴ」の概要を参照ください。
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