おこじょ
オニオコゼ
オコジョ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/18 03:40 UTC 版)
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オコジョ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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オコジョ(夏毛) Mustela erminea | ||||||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Mustela erminea Linnaeus, 1758 | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
オコジョ ヤマイタチ | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Ermine Stoat | ||||||||||||||||||||||||||||||
亜種 | ||||||||||||||||||||||||||||||
→詳細は「§ 分類」を参照 | ||||||||||||||||||||||||||||||
オコジョ(白鼬、学名: Mustela erminea Linnaeus, 1758)は、ネコ目(食肉目)イタチ科イタチ属に分類される動物の1種。別名ヤマイタチ(山鼬)、エゾイタチ(蝦夷鼬)、クダギツネ(管狐)。
イギリスを含むヨーロッパ中北部、北アメリカ、およびアジア中北部に自然分布している。また、日本では北海道や本州の東北地方、中部地方などに分布している。一方、ニュージーランドにはウサギ駆除を目的として導入されたが、外来種として在来種の生態系に深刻な影響を与える害獣と化している。
形態
体長はオスで16–33 センチメートル、体重は150–320 グラム程度。
イタチ科は一般に胴長短足であるが、オコジョの後ろ足は比較的長く、これによる強力な跳躍力を有している。目から鼻にかけての吻が短く、イタチ科にしては丸顔をしている。耳も丸い。
一年に2回換毛をし、夏は背側が茶色で腹側が白い。冬は全身が白になる。尾の先は黒い。
- 夏毛
- 冬毛
- 頭部
- 幼獣
生態
気性が荒く、ノネズミなどを食べる他、自分の体よりも大きいノウサギやライチョウを捕食することがある。
単独で生活し、岩や樹根の隙間に営巣したり、ネズミの巣穴を乗っ取って自分の物にすることもある。
他のイタチ科と同様、オコジョには着床遅延という現象があることが知られている。交尾後、受精卵は長期間にわたり発生を休止し、妊娠、出産に適した暖かい季節になって初めて子宮壁に着床する。妊娠期間は1ヶ月程度である。
動きはきわめて敏捷で、木登りや泳ぎなども得意。
分類
オコジョは35以上の亜種に分類される。一般に哺乳類は寒い地方ほど大型化する傾向があり、ベルクマンの法則として知られているが、オコジョでは北方に生息するものほど小型化する傾向がある。このため、ロシアなど北方に分布するオコジョは、今後別種として分類される可能性もある。日本では、環境省指定の準絶滅危惧種に指定されており、2亜種が生息している[2]。
- ホンドオコジョ M. e. nippon Cabrera, 1913
- 青森県から本州中部にかけて生息する。尾の先の黒い部分が尾長の1/3程度と小さいことが特徴である。
- エゾオコジョ M. e. orientalis Ognev, 1928
- 北海道・ロシア極東に生息する。ホンドオコジョに比べ、一回り大きい。東シベリアの M. e. kaneii Baird, 1857 のシノニムとする説もある。
保全状態評価
- オコジョ Mustela erminea
- LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[1]
- 亜種 ホンドオコジョ Mustela erminea nippon
- 準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)
- 亜種 エゾオコジョMustela erminea orientalis
- 準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)
- 亜種 Mustela erminea ferghanae (インド産亜種)
- ワシントン条約附属書III
人間との関わり
毛皮
オコジョの毛皮は外套やストールの縁取り用に珍重され、特に純白の冬毛が好まれた。イギリス英語では冬毛のオコジョのみを「アーミン」("ermine")と呼んで区別する(北アメリカでは夏毛のオコジョもアーミンと呼ばれる)。
ヨーロッパでは、アーミンは王族の象徴とされた。中世の王侯貴族はこの冬毛のオコジョの毛皮をいくつも並べて1枚に縫わせ、それをガウンの裏地などに好んで用いた。王族や貴族の肖像画やトランプのクィーンやキングの絵札で黒い点のある白い縁のある服を見かけるが、その部分がアーミンである。イギリス貴族院議員の正装の上着にもアーミンがあしらわれているが、現在は人工毛皮が使用される。アーミンは西洋の紋章学で毛皮模様を表すティンクチャーのひとつともなっている。
14世紀前半に熊夢祥によって書かれたと思われる大都(北京)の地誌『析津志』において、銀鼠(オコジョ)に関する記事中にアイヌと野人女真との間で沈黙交易でオコジョの毛皮が取引されていたことが記述されている[3]。
伝説
ルネサンス期には、冬毛のオコジョは純白の毛皮を汚されるよりも死を選ぶと信じられたため、純潔の象徴ともされた。
群馬県・長野県・山梨県の一部では、オコジョは山の神十二様の使いであり、人に祟ったり憑いたりすると伝えられる[4]。地域によってはオサキやクダの正体とされる[4](オサキやクダは全国的には狐の変種とされる)。
出典
- ^ a b Reid, F., Helgen, K. & Kranz, A. (2015). "Mustela erminea". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2016. International Union for Conservation of Nature. 2023年4月16日閲覧。
- ^ “めったに遭遇できない!!「山の神様の使い」と呼ばれるオコジョ!萌ぇ~な写真集発売”. PR TIMES (2015年2月13日). 2015年4月16日閲覧。
- ^ 「アイヌ民族と北方の交易」(中村和之、アイヌ文化振興・研究推進機構講義、2005年)
- ^ a b 伊藤龍平『江戸幻獣博物誌』青弓社、2010年、52-53頁。ISBN 978-4-7872-2040-0。
関連項目
- 日本の哺乳類一覧
- 白貂を抱く貴婦人 - ただし、抱かれているのは白貂ではなく白いフェレット(M. putorius)である。
- しあわせソウのオコジョさん
外部リンク
- ウサギを捕獲するオコジョ - BBC
オコジョ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/16 03:28 UTC 版)
絵本「小さなともだち」から登場。楽しい事を探してあちこち歩き回っているうちに地面に頭から突っ込んでしまった所を、タヌキとキツネに助けられて友達になる。「冬のおはなし」では体毛が白(冬毛)になり、タヌキ山に遊びに来た際に2匹を驚かせた。
※この「オコジョ」の解説は、「タヌキとキツネ」の解説の一部です。
「オコジョ」を含む「タヌキとキツネ」の記事については、「タヌキとキツネ」の概要を参照ください。
オコジョ
出典:『Wiktionary』 (2021/08/28 14:24 UTC 版)
名詞
オコジョ【白鼬】
- ネコ目イタチ科イタチ属に属する哺乳類。アジア北部、ヨーロッパ、北アメリカ、日本の本州中部以北に分布。年に二回換毛し、夏毛は背中が茶、腹が白。冬毛は尾の先端のみ黒で、その他は全て白。毛皮はア一ミンと呼ばれ、珍重される。別名、山鼬。学名:Mustela erminea。
発音(?)
- お↘こじょ
翻訳
- アルバニア語: ermelina (sq)
- アラビア語: قاقم (ar) (qāqim) 男性
- アルメニア語: կնգում (hy) (kngum), սպիտակ աքիս (hy) (spitak ak’is)
- 古典アルメニア語: ախազ (xcl) (axaz)
- バスク語: erbinude zuri (eu)
- ベラルーシ語: гарнастай (be) (harnastáj) 男性
- ブルトン語: erminig (br)
- ブルガリア語: хермелин (bg) (hermelin) 男性
- カタルーニャ語: ermini (ca)
- 中国語:
- チェコ語: hranostaj (cs) 男性
- デンマーク語: hermelin (da) 通性, lækat (da) 通性
- オランダ語: hermelijn (nl) 男性
- 英語: ermine (en), stoat (en)
- エスペラント: ermeno (eo)
- エストニア語: kärp (et), lahits (et), hermeliin (et)
- フェロー語: roysikøttur (fo)
- フィンランド語: kärppä (fi)
- フランス語: hermine (fr) 女性
- フリウリ語: armelin (fur)
- ガリシア語: armiño (gl)
- ドイツ語: Hermelin (de) 中性
- ギリシア語: ερμίνα (el) (ermína) 女性
- ハンガリー語: hermelin (hu)
- アイスランド語: hreysiköttur (is)
- アイルランド語: easóg (ga) 女性, cailín bán (ga) 男性
- イタリア語: ermellino (it) 男性
- ノルマン語: b'lette (nrf) 女性
- ラディン語: armelin (lld)
- ラテン語: Mustela erminea (la) 女性
- ラトヴィア語: sermulis (lv) 男性
- リトアニア語: šermuonėlis (lt)
- 低地ソルブ語: hermelin (dsb)
- マケドニア語: хермелин (mk) (hermelín) 男性, ермелин (mk) (ermelín) 男性
- マルタ語: ermellin (mt)
- マオリ語: toriura (mi)
- ナヴァホ語: dlǫ́ʼiiłgaii (nv)
- ノルウェー語:
- ノルウェー語(ブークモール): røyskatt (nb) 男性
- ノルウェー語(ニーノシュク): røyskatt (nn) 男性, røysekatt (nn) 男性
- オック語: ermina (oc) 女性
- ペルシア語: قاقم (fa) (qâqom)
- ポーランド語: gronostaj (pl) 男性
- ポルトガル語: arminho (pt) 男性
- ロマ語: ermina (rom) 女性
- ルーマニア語: hermelină (ro) 女性, hermină (ro) 女性
- ロマンシュ語: ermelin (rm)
- ロシア語: горностай (ru) (gornostáj) 男性
- サーミ語: buoidda
- サルデーニャ語: ermellinu (sc)
- スコットランド・ゲール語: neas (gd) 女性, neas mhòr (gd) 女性
- クロアチア語:
- ショル語: ас (cjs) (as)
- スロヴァキア語: hranostaj (sk) 男性
- スロヴェニア語: hermelin (sl) 男性
- スペイン語: armiño (es) 男性
- スウェーデン語: hermelin (sv) 通性, lekatt (sv) 通性
- トルコ語: as (tr), kakım (tr), ermin (tr)
- ウクライナ語: горностай (uk) (hornostáj) 男性
- 高地ソルブ語: hermelin (hsb), hronostaj (hsb)
- ヴォラピュク: (♂♀) härmin (vo), (♂) hihärmin (vo), (♀) jihärmin (vo), (♂♀ offspring, young) härminül (vo), (♂ offspring) hihärminül (vo), (♀ offspring) jihärminül (vo)
- ウェールズ語: carlwm (cy) 男性
- 西フリジア語: harmeling (fy)
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