受精
受胎 1は、精子 4による卵子 3の受精 2の結果であり、妊婦の妊娠状態 5あるいは妊娠期間 5の開始を指す。受胎の成果 6は妊娠経過と共に、順次、胚 7、胎児 7と呼ばれる。胚が胎児になる瞬間ははっきりとは決まっていない。一部の学者はそれを、子宮内の生命の12週目または3ヶ月目の最後と決めているが、受胎後8週目以後の生命の発達段階も胎児状態と呼ばれることが多い。卵着床 8とは子宮 9の内膜に卵子が着床することを指すが、この過程は受精後数日で起こる。
- 1. 受胎conception(名);受胎するconceive(動)。
- 2. 受精fertilization(名);受精するfertilize(動)。
人工受精artificial fertilization:人工授精artificial insemination、すなわち性交渉(性行為)(627-2)とは別の過程で達成された受精。 - 3. 受精卵は卵子eggまたは接合子(融合子)zygoteと呼ばれる。
- 5. 妊娠pregnancy(名);妊娠したpregnant(形):あるいはgravid, expectant。一部の学者は、妊娠は卵子着床(602-8)をもって始まると考える。
- 7. 胚embryo(名);胎生のembryonic(形);胎生学embryology(名):胚の発達を扱う学問。
胎児foetus, fetus(名);胎児のfoetal, fetal(形)(§411参照)。 - 9. 子宮uterus(名);子宮のuterine(形)。
受精
受精/受精卵 (じゅせい/じゅせいらん)
受精
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/20 18:26 UTC 版)
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受精(じゅせい、英: Fertilization)は、雄の生殖細胞が雌の卵(または卵細胞)の中に入り込み、細胞分裂によって成長可能な状態になること。定義としては、一方が卵と見なされる場合の接合のことである。動物の場合の接合はすべてこれである。一般に受精といえば、動物の場合を指すことが多い。
概要
一般に精子は卵の表面に誘引される。連続した液体の中に卵と精子がおかれた場合、精子は極めて素早く卵の表面に集まる。精子が卵の表面から侵入すると、その直後に、侵入点を中心として卵の表面から透明な膜が持ち上がってくる。この膜を受精膜(じゅせいまく)という。受精膜が生じると、他の精子は卵の表面から遠ざけられる。
卵に侵入する精子の数は、通常は一個だけである。侵入した精子の核は、卵核に接近し、やがて両者が融合して受精が完了する。複数が侵入しても、卵核と融合できるのは一個だけであるから、残りの精子は行き場がなくなる。それらは卵に吸収されてしまう場合もあるが、ウニでは複数の精子が侵入すると、卵割が異常になることが知られている。普通には複数の精子が侵入することはない。これは、受精膜の働きと考えられたこともあるが、必ずしもそうでないとの説もある。
受精後、そのまま卵割が始まる場合が多い。ウニなどでは受精膜はそのまま胚を包む膜となり、そこから脱出することを孵化という。
遺伝学的に見れば、受精は配偶子からもたらされる現象のことであり、精核と卵核の融合をもって受精の瞬間と考えるのが正しい。発生学的に見ると、新個体の核が形成されるのが両核の融合であるから、それをもって受精の瞬間と見ることもできるが、精子が卵に接触した時点で卵の変化が始まるので、それをもって受精の瞬間と見ることもできる。実際、卵の表面に化学的な刺激を与えただけで発生が始まる例もあり、その面から見入れば、受精における精子の役割は卵の発生への引き金を引くこと、との見方も成り立つ。
受精の形式
動物において、受精に向かう過程をそれぞれの個体の関係において体外受精と体内受精に区別する。前者は各個体が卵や精子を体外に放出し、そこで受精が行われること、後者は卵が体内に留まり、そこに精子が到達して受精が行われることである。詳細は各項目を参照。
ヒトは卵子1個体に対して精子1個体が侵入することで受精が成立するが、鳥類は1個体の卵子に複数の精子が侵入しないと受精が成立しない。ただし、鳥類のこれは胚の成育に精子に含まれる遺伝物質とは別な物質が大量に必要なためであり、遺伝物質その物は精子1個体分あれば良い[1]。
ヒトの受精
射精一度あたりの精液が含む精子数は通常1億〜4億程であるが、このうち、腟内に射精された場合、子宮頸部に到達する前に約99%が死滅、子宮まで到達できるのはおよそ数千〜数十万、排卵期に卵子の目前まで到達できるのはおよそ数十〜数百である。また、膣から受精の場である卵管まではおよそ数十分〜数時間で到達すると考えられている。ただし、数分で到達したという例も確認されている。
受精のタイミング(妊娠可能時期)
排卵期には、卵子は卵胞を飛び出し(排卵)、卵管に入って子宮へ向かって行き、受精をすれば着床し、しなければ数時間〜24時間以内に退化してしまう。一方で、精子の受精機能の保持期間は数時間から3日、最大で7日(頸管内や子宮内、卵管内)とされており、このことから最大の場合を考慮して、精子の受精可能期間である排卵前の7日間と卵子の受精可能期間である排卵後の1日を合わせて、排卵の前後8日間が1回の月経周期での受精が可能な期間ということになる。
排卵は生理の14日前頃に起きるが、排卵期は様々な原因で容易に変動してしまうため、妊娠可能時期を予測することは困難である。
種子植物の受精
種子植物は、花粉が雌蘂の柱頭に着くことを受精と同一視する場合があるが、これは受粉と呼ばれる。花粉から花粉管が伸び、それが胚珠に届き、胚珠内にある卵細胞と花粉管内の精核(精細胞)が融合することが受精である。花粉管が卵細胞に正確にたどりつけるのは、胚のうにある助細胞が導いているからである。トレニアという植物を使いこのことを発見した名古屋大学教授の東山哲也らの論文は2001年「Science」に掲載され、写真が表紙を飾った。その後も東山らは研究を続け、助細胞が出すシステインに富む2種類の低分子量タンパク質によって花粉管が誘引されているということを突き止め、これらのタンパク質を「ルアー1」、「ルアー2」と名付けた。(2009年、この研究結果の写真は「Nature」の表紙に採用されている。)[2]。また、被子植物は重複受精と呼ばれる独特な受精形式を行う(被子植物#重複受精を参照)。
その他
ヒトの双生児は1つの卵に精子が2つ入ったため、との俗説があるが、誤りである。詳しくは双生児の項を参照。
脚注
関連項目
外部リンク
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受精
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 20:45 UTC 版)
詳細は「受精」および「ヒトの受精(英語版)」を参照 精子が卵子の膜にうまく入り込むと受精する。精子の染色体は卵子に受け渡され、固有のゲノムを形成する。卵子は受精卵になり、胚発生の胚期が始まる。胚期とは、受精から初期胚の発生を経て、着床するまでの期間を指す。胚期は妊娠10日前後で終了する。 受精卵にはすべての遺伝物質が含まれ、一人の人間の生物学的特徴をすべて備えており、胚へと発達する。簡単に説明すると、胚発生には、桑実胚期、胞胚期、原腸胚期、神経胚期(英語版)という4つの段階がある。着床前の胚は、透明帯というタンパク質の殻に包まれたまま、卵割と呼ばれる一連の急速な有糸細胞分裂を行う。受精から1週間後、胚はまだ大きくなっていないが、透明帯から孵化して母親の子宮の内膜に付着する。このとき、子宮細胞が増殖して胚を取り囲み、胚が子宮組織の中に埋め込まれる脱落膜化(英語版)が誘発される。一方、胚は増殖し、胚組織と胚外組織の両方に発達し、後者は胎膜(英語版)と胎盤を形成する。ヒトの場合、胚は出生前発達の後期には胎児と呼ばれるようになる。胚から胎児への移行は、受精後8週間と任意に定義される。
※この「受精」の解説は、「ヒトの発達」の解説の一部です。
「受精」を含む「ヒトの発達」の記事については、「ヒトの発達」の概要を参照ください。
受精
「受精」の例文・使い方・用例・文例
- 人工受精
- 体外受精
- 彼女は亡くなった夫の冷凍精子を用いて受精した。
- 胚発生とは受精と胎児との間の段階である。
- ベンソンとホームズは人工受精が両親に及ぼす心理的影響を分析した。
- 人工受精.
- 試験管内受精, 体外受精.
- 卵は受精した
- 他家受精を受けるようにする
- メンデルは異なった種類の豆を交雑受精させた
- 他家受精する
- 花粉を移して受精させる
- 2つの分離した受精卵からできた(双子の)
- (植物について使用され)交雑受精が可能である、融合することでできる
- 体外受精卵
- 卵を受精させるのに必要な物理的変化を経験させる(精子)
- 自身の花粉によって受精
- 同じ種類の別の花からの花粉による受精に特徴付けられる、または適切なさま
- 密接に関連しない花による受精に適したまたは特徴づけれる
- 更なる複雑化なしで出生母の子宮に植えつけられた試験管内での受精卵
受精と同じ種類の言葉
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