白山さんと黒い鞄3 [★]
シリーズも好調のような第3巻。
呼吸するように「白山さんかわいい」という感想が浮かんでしまいますが、今回は九衛にもヒロインとしての見せ所があったような気がする。将を射るにはまず馬からのごとし、九衛をデレさせてから白山さんをゆっくり攻略するとでもいうのか……衡ってば恐ろしい子……。
白山さんと黒い鞄 3 (電撃文庫 す 5-20)
夏休み。『図書館部』の面々は海へと繰り出すことになった。インドア派の遠咲先輩が言い出した旅行をいぶかしみながらも、結局みんな大はしゃぎ。特に海初体験の九衛は尋常ではなく、いつもの数倍のテンションで白山さんと衡を振り回す!
しかし、そこに『嚢界』のことを知っているらしい少女が現れ、楽しいはずの旅行はだんだんと雲行きがあやしくなっていき──。
少しずつ明らかになる白山さんの鞄の秘密とは? そして、それを知った衡は──!? 不思議系学園ラブコメ、待望の第三弾!
図書館部の夏合宿。しかしそこでもトラブル続発――!?
図書館部IN海! 海といえば水着!
季節感はいまとそぐいませんませんが、そんなの無問題。白山さんが眩しすぎる。
まあその裏の目的は立案人の遠咲先輩こそ知るのですが、今回はなんかそういう悪意めいたものではなく、ちゃんとした目的だった気がする。というか遠咲先輩がそういう境遇ってなんか意外だ。ってなんかそんなこと以前明記されていた気がするな、1巻ぐらいで。
今回襲ってくる阿頼耶識の流姐と、その人によって溺死から生き返ったただの人間・汐の関係はなんとも言いがたいものだった。というか、私はどうしても流姐が悪いやつだとは思えなかった。まあ最終的な彼女の目的は、どちらにせよ衡や九衛とは対立してしまうことになっていたでしょうけど。
それでも汐の願望はなんか身勝手だなあーとしか思えないんだよなぁ。仮にもいっぺん死んで命を救ってもらった人に対してそういうことを言うか。流姐が汐の所有権を主張したところがあったけど、ほんとその通りだと思ってしまったよ。まあ普通の人から観れば非人道的なのは認めますけど、なんか納得いかんよなあ。
それから九衛の印象もここに来てがらりと変わった気がする。
主要人物の賑やかし役なのはいままでどおりですが、白山さんのみならず衡に対しても心を開いてきたことが意外。それは「友人」としてか、はたまたは「同志」としてか、あるいはそれ以外のなんらかの感情なんだと思います。鞄の中の住人が徐々にこの世界でなにを得るのか、という意味では九衛の成長についても楽しみですね。
そして最後の白山さんね。もう言わずもがなだけど、かわいいなあもう!
誰のお嫁さんになりたいのかもこの際はっきり言ってくれれば私としても心象穏やかだったんですけどね!
安定しておもしろいです。今後もこの可愛さを維持してくれれば満足。オススメ。
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