

えむえむっ!8 [★]
表紙に太郎ちゃん(女装時)がいるもんだから、すっかりそっちの方向なのかと思ったら、そういえば前回であんな展開があったことをすっかり忘れていたよ。告白してから嵐子がものすごい積極的になってこちらとしては非常においしい展開ですね。
でもドMでド変態コメディは不動のごとし。そしてドラマCD化おめでとう。
えむえむっ! 8 (MF文庫 J ま 1-11) (MF文庫J)

「M」な体質をなんとかして治したい砂戸太郎は「生徒たちの願いを叶える」という第二ボランティア部の美少女部長、石動美緒のハチャメチャな治療法のせいで、むしろ深みにハマっていく日々を送っていた。――ついに嵐子が太郎に愛を告白!! その現場を偶然目撃してしまった美緒は、次の日からなぜか太郎への治療をさらにエスカレートさせる。そしてついには合宿をすると言い出して……。「飛べないブタロウはただのブタロウ……でも、飛んだブタロウもただのブタロウだったわ……」。今日の痛みが明日への活力!? 美緒さまパワー全開のトラブルコメディ第8弾。
告白後の嵐の合宿!? 美緒の真意は――!
このド変態コメディもいよいよ佳境になってきたような気がしなくもない8巻。
前回ついに嵐子が太郎に告白。そこで切れてしまったのでこの8間はどうなるかることかと思っていたのですが、案外いつも通りだ。でもそこにあるはずのなかった、緊張感というかなにかピシッと張り詰めた空気を少なからず感じる。まあ太郎まだ返事してないしなー。
また美緒様がドメスティックに目覚めたと思いきや、あんな真意があったとは美緒様も丸くなったというかなんというか、もっとハチャメチャで傍若無人な貴方様はどこへ行ったのですか。まあそれにしたって太郎にとっちゃ肉体的にも精神的にも死ねるレベルですがね。まあ彼ならなんとかなります。
美緒様も変わったけど、男性恐怖症持ちの嵐子もずいぶんと変わったと思う。
まず告白したことに箍が外れたのか、積極的になった。「好き」と言葉に出す回数も多くなったと感じるし、何よりそこの好意をちゃんと行動に示せるようにまで成長しました。あえて言えば、この嵐子はすごくいい!
逆に驚くほど変わらないのが母姉ズですね。
太郎も大概に変態野郎だと思いますが、言ってみればその諸悪の根源である母並び姉はそれ以上だった。でも毎回見せ場があるのはやっぱり盛り上げ役にもなるし、このシリーズの根底である変態コメディというのも忘れさせてはくれないねえ。その意味では店長もそうだけど、あの人はなんかもういいや。
そんな第二ボランティア部は太郎の体質改善のために合宿へ。
まあこれには美緒様が太郎と嵐子のキューピット役を買って出たいという裏があるのですが、本当に丸くなったな……。
でも嵐子は美緒様も太郎のことが好きなんじゃないかと思っているから、いらない気を使っちゃったりするんですよね。読者には美緒様が太郎に好意を多少は向けていると匂わせているから、この反撃には美緒様もたじろぐのはわかる。そして素直になれないのが彼女らしいのですが、私としては嵐子に行ってもらいたいなぁ。がんばれ。
というわけでド変態ドタバタラブコメの感想でした。オススメ。
そろそろ終わりが見えてきそうですが、これも10巻ぐらいで完結なんだろうかねー。
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