放課後トゥーランドット [★]
「ぶよぶよカルテット」のみかづき紅月さんの音楽モノ新作でことで手に取りました。
いい感じに青春してるなーと思ったけど、正直これ吹奏楽部クビになっても文句言えなくね?
前作はすごい好きだったけど、なんか今回はアラが目立つ作品だなーと。
放課後トゥーランドット (一迅社文庫) (2009/04/20) みかづき 紅月 商品詳細を見る |
入学式の直後に生徒会長を糾弾して追い落とし、自ら学園権力を握った彼女の名前は姫ノ咲楼蘭。ドイツ帰りの世界的な歌姫。
サムライ魂を胸に秘めた楼蘭が掲げる『部活道不覚悟制度』の旗印のもと、活動実績の無い部活が淘汰される中、なんと僕の吹奏楽部と渚の演劇部も文化祭で公演の一つもしなければお取りつぶしの危機に。
え、オペラ公演のために僕は楼蘭をスカウトしてくる任務なの? しかも、楼蘭は変な謎々を出してきたんだけど……。
青春と音楽、そして恋。吹奏楽部と演劇部を守るための僕たちの戦いが始まる。
再会した幼馴染みは、天下無敵の独裁者!?
転校初日から生徒会長になり、その独裁っぷりをご披露する楼蘭さんの傍若無人さがハンパない。
やる気のない部活は即刻クビ。公然と会長様の前でいちゃいちゃしようものならそいつらも所属している部活がクビ。そしてなぞなぞを解けないと全員クビという素晴らしいくらいの独裁者。それでも好感が持てるのはきっと、後半部分の彼女の弱さを知ってしまったからなんだろうね。
話としては展開がすごく早くてあっという間に読み終わった印象。文が軽いのよね。悪く言えばちょいと物足りないってのとイコールだけど、駆け足気味だったのはやっぱり否めないかなー。
ですがとっても「青春の1ページ」って感じが溢れてて私は好きです。なんかすごくどうでもいいことなのに、本人達は楽しくてやってるんだよね。肉を盗むことにしろ、ゲームを楽しむにしろ、そしてみんなが一丸となって舞台を作り上げるにしろ。今が楽しくて楽しくて仕方ないんだろうなー、と千尋目線で読んでいて思いました。
千尋、渚、楼蘭さんが一度は思い違いでバラバラになり、それでも分かり合って一つの舞台に挑むところは、王道だけどやっぱこういうの好きなんだよねー。楼蘭さんとだんだん打ち解けていくのもいいし、天然でもストレートな渚の好意の表し方も好き。あとパジャマのボタンが弾け飛んでナイスおっぱいを晒す渚の挿絵がとんでもなく眼福でございました。
ただやっぱなんか物足りない感がありますねー。
キャラの配置は良かったと思うのだけれど、なんかストーリーが全体的に粗いと思う。気になるところが多いなぁ。
そういうところがもっと丁寧になっていれば、もっと深く入り込めたと思う。残念。
というわけで、青春モノが好きな方は読んでみても損はないかも。オススメです。