

ラノベ部2 [★]
全てのラノベ好きへ贈る、軽小説部ことラノベ部の面々が織り成す他愛もない日常を描く学園コメディ第2弾。
ラノベ部――ってホントにちょっと羨ましい空間だなーなんて思ったり。
いや、同じ趣味で好きなものの話をすると楽しいじゃないですか。例えば「『境界線上のホライゾン』の喜美姉さんが好きだ!」とか「『ムシウタ』の萌々の話が特にいいよね!」なんて言い合える空間があったらそれだけでちょっと幸せなんじゃないのかなあと思います。高校には文芸部どころかマン研すらなかったのでそういうのが妙に新鮮に映るのかも。
あと「なん……だと……」の元ネタがBLEACHだってこれで初めて知った。コミックス持ってたのに!
ラノベ部〈2〉 (MF文庫J)

軽小説部――通称『ラノベ部』。そんな不思議な部に入部した物部文香。クラスメイト・藤倉暦や部長・浅羽美咲らとともに、本を読んだりお喋りしたり、たまには勉強もしてみたりといつまでも続きそうな毎日を過ごしていた。
そんなある日、文香たちのクラスに留学生・リアがやってきた。リアは幼い頃から日本の漫画や小説が大好きだったらしく、それがきっかけで文香と仲良くなっていく。でも、ラノベ部の日常は変わりなく過ぎていき――。
美咲&竹田のラノベ部設立のエピソードも収録した、大好評の日常系ライトノベル第2弾、読むといいことある、かも?
ラノベなしでは、日常は語れない――!
軽小説部ことラノベ部のメンバーたちが繰り広げる、なんてことない日常を語る学園生活第2弾。
今回はメンバーがアニメキャラにコスプレしたり、留学生がやってきたり、ラノベ部創設秘話など盛りだくさんです。一つ一つはショートショートなのでサクサク読み進められることでしょう。ラストの「ヤロートーク」にはニヤリ。
アニメ好きやコアなラノベ読みにはたまらないあるあるネタやメタ論など満載の一冊になっております。本棚ネタはさすがにうちの本棚は底が突き抜けるってことにはなったことありませんが、現在微妙に弓なりになっててちょっと不安です。インターネットのネタはもう首がもげるほど同意ですね。本当に時間泥棒の罪なヤツです。このハイテクめがっ!
留学生のリアもいいんですが、私としては文香の妹の雪華がとんでもなくツボでした。彼女はとんでもない度を越えたシスコンで「姉=神」の構図を当然としているところがたまんなく面白いです。姉の神々しさを語るためならば自分をどれだけ貶めても平気な雪華の将来がちょいと心配。
それと無口なレズっ子・暦の『もえ○ん』のコスプレが目に焼きついて離れませんよ。天然マイペース過ぎる文香とリアに振り回されるも、暦からお泊まり会への参加を表明したり、自分がプロ作家であることを明かそうか否かの境界で迷う暦かわいいよ暦。そして文香へのラブは本物なのか……?
それと今回もあったリレー小説ネタ。すかさず腐女子歓喜な展開に持っていった綾に吹いた。あとアンカーの文香が面白すぎる。これもある意味一種の天才だよね。
ラノベ部創設に関しては美咲と竹田の淡い恋物語も交えてのお話でした。
現在の文香みたいに徐々にラノべに嵌っていく竹田に自己投影しつつ、しかし彼の一つの恋はあまりにも切なすぎた。またか、また幼馴染みが不憫なのか(今回は男性サイド)!
互いを知りすぎ、距離が近すぎ、ゆえに恋人とはまた違う特別な存在になってしまったわけで。家族と同等かそれ以上に近い存在の何か。親友と呼ぶのもまた何か違う。あー、なんなんだろうこのもどかしい気持ちは!
お互いには絶対の信頼関係があって、だから有耶無耶にならずに今でも同じ部活で他愛も無い会話ができるのでしょうか。言葉には出さない「分かってる」が切ない。けど心地いい。幼馴染みって単純な存在に見えるけど、深いよなぁ。
美咲にしろ竹田にしろ、いずれ自分の運命の人が見つかれば互いを真摯に祝福するのだろうと思うとホロリとくる。いいなあそんな関係。
いやー、面白い。まさかこのお話に美咲と竹田のような切ないコイバナが出てくるとは思わなんだ。オススメです!
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