とらドラ9! [★★★]
やばい。みのりんマジやばい。何がやばいかってやばいものはやばい。
この終わり方は正直想像もつかなかった。うん、やばい。とにかくやばいんだよぅ!
こういう青春独特のもどかしいとかキラキラしているみたいな持ち味のラノベだったけど、最早遥かに凌駕している。
とにかく早く続きを! 頼むよゆゆぽ先生!
とらドラ 9 (9) (電撃文庫 た 20-12) (2008/10/10) 竹宮 ゆゆこ 商品詳細を見る |
修学旅行の冬の雪山で思いがけず大河の本当の気持ちを知ってしまった竜児。
大河はそのとき事故によって意識朦朧となっており、しゃべってしまったことを覚えていなかった。そんな大河を前に竜児は態度を決めかねるが……。
そして高校二年も残りわずかとなり、竜児は進路をめぐって泰子と衝突。なにかと先の見えない五里霧中の竜児に、一方では実乃梨と亜美が本当のところを見せはじめる──。
超弩級ラブコメもいよいよ佳境に突入。目が離せない第9弾!
高須親子初めての衝突――、そしてひとえの恋の決着。
雪山で遭難した大河を助けた竜児が、大河の本当の気持ちを知ってしまう。
数々のすれ違いがあり、もうあのときには戻れないところまで来てしまいました。
そしてここで初めて竜児とやっちゃんとの衝突も。さらにみのりん、あーみんも想いの内を次々告白――と色々目が離せない超弩級ラブコメ9弾でございます!
ところで、今回独身(30)の言葉には何かと力がこもっていましたね。
私もつい高校を卒業したばかりだけれど、独身(30)の言葉は何かと突き刺さるものがありました。
まだ高校生やそれ以下の皆さんはこの独身(30)の言葉をよく覚えておくといいです。ホント、世の中何でもうまくいかないようにできてます。
なんか今回カッコよかったというか、意外に教師やってるんだなって好印象でしたね独身(30)は。
竜児とやっちゃんは進路について初の衝突。これも意外だったなー。
やっちゃんはちゃんと竜児に勉強して良い大学に行ってもらいたいのだけど、竜児は家庭の事情を心配して十分に貯蓄してからでも遅くないと言い張ります。それで無茶して働き口を増やしたやっちゃんが倒れちゃったら、まあ竜児の選択肢も次第に固まるわけですね。
いつも明るくてにへらっとしてるやっちゃんだから初のシリアス場面で、すごい印象的に残った。
でもさ竜児、いくら熱くなってても終盤のあのセリフは禁句でしょ。確かにやっちゃんの我が子への思いはちょっと押し付けがましいですけど、そういう言い方はずるいと思うんだ。
こんな不器用でもどかしい青春に悩む竜児が主人公だからこそ、この物語も盛り上がるわけなんですけども。
次、あーみん。
「――寂しくて寂しくて寂しくて、寂しくて。本当に、寂しくて、仕方がないよ」
このセリフで涙腺崩壊しました。あーみんやばいよホント。
誰が誰を本当に好きでそれを見抜いていた彼女は、表は毒舌でしたが全てがうまくいくようにことを運ぼうとしていた事実に呆然。
「みんな救わなくちゃ」「私がなんとかしなくちゃ」とそんなことを思った彼女が、関係が悪化し、全てに責任を感じて逃げたいと思う気持ちは私には分かりません。だけど、どれだけ辛いのかは文章を通じて肌に伝わってきました。
救われない不器用な彼女ですが、この行く末どうなるんでしょうか。そしてみのりんとの和解は……。
そして、みのりん。
「高須くんが、私を知ろうとしてくれたからだよ。……きっとこうやって、私たちはこれからもずっと、ずっとずっと、頑張る姿を、想いを、伝えあうんだよ。それはさ、」
実乃梨が片手を顔の前に上げて見せた。自然に、竜児はその手に自分の手を合わせた。
「永遠だぜ」
「……おう」
もおおおおおおおおお! みのりんやべえよ!
何事にも頑張る理由――それは意地である。夢のために意地張って、諦めないで、何度這いつくばっても立ち上がる。常に前向きで、走り続ける。そんなみのりんの告白に私は心から応援したい気持ちになりました。
恋は実りませんでしたが確かな絆を感じ取ってもう泣きそう。みのりんのあの間接キスとか涙が出そうだった。
さて、竜児が向かう先は自ずと決まったわけです。もう一直線ですね!
と思ったらどんでん返しであれやこれやと急展開。ついに大河の母親も現れます。
そして様々な問題を抱えたまま走り出す竜児と大河。一体どうなる。
なんともどかしい、これぞ青春。このとらドラもついに佳境ですがどのような結末になるのか。
早く続きを! とにかく気になる! というわけで超オススメの超弩級ラブコメ第9弾でした!
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