空色パンデミック Short Stories [★★]
空色パンデミック Short Stories (ファミ通文庫) 本田 誠 庭 エンターブレイン 2010-11-29 売り上げランキング : 3899 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
①結衣、お下げ髪の純真文系少女になりきりロマンス編「空をあおげば」
②結衣、再び発作を起こしロボットアニメのヒロインになりきりツンデレ編「閉じた世界の片隅で、私に響くほしのおと」
③結衣、三度発作を起こし最強女エージェントになりきりバトル編「そして伝説は引き継がれる」
④メアリー、自ら薬で幼児化して景にロ●コン疑惑発生のリベンジ編「バッド・メディスン」
──"空想病"をめぐる悲しくも可笑しい日常のドタバタ悲喜劇集。
普段とは打って変わって、日常分多めなコメディタッチな短編集。
「空想病」は本編のようにシリアスにもできるし、こういったパロディを含んだメタコメディにもできるのが良い設定だなあ。緩急の付け方も大きくできるし、こういった短編集は今後も間を持つためにほしいかもしれないなーなどと思いました。
いやー、それにしても結衣さんのいろんな面を見れて嬉しいっちゃ嬉しいんですが、やっぱりこれはちょっと痛いなw
書き下ろし以外は全部元ネタがあって、まあ読めば誰でもわかるんですが耳すま、エヴァ、MGSになっております。結衣さんが月○雫のような夢見溢れる文学少女なったり、アス○・ラングレーのような居丈高なセカンドチルドレンになったり、ソリッド・ス○ークのような傭兵くずれの工作員になります。その結衣さんのプチ空想病を景や青井くん、セーフガードの人たちが役割を演じきって完結させるような流れです。しかしこのセーフガードたち、ノリノリである。
そして結衣さんと張り合う役がきまって青井くんに回ってくるのですが、彼女すごい役得だよね。そして結衣さんの空想病に振り回され、その完結を担う一番重要なやくをたらい回しにされる景は一番痛い目をみるのは明らか。周りもなんだかんだで楽しんでいるし! あと青井くんやっぱかわいいな!
書き下ろしの話はあのいけ好かない幼女所長が逆襲しにやって来ます。やっぱりここでも痛い目をみる景でした。なんか全編通して不憫だな今回の景は……。
そしてやっと自分が女の子であると認識する青井くんが見れると思ったのに、なんかお預け状態食らったよ! いまのままでも十分魅力的なのに(いや、だからこそか?)、乙女な青井くんが見れるそのときがきたらいったいどうなってしまうのか。景もいよいよ結衣さんから鞍替えしてしまうとか……いやないか。
そんなこんなで楽しくも空想病についての復習にもなった一冊でした。満足な短編集。
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