

ヴァンダル画廊街の奇跡3 [★]
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「──四枚の絵が揃った時、世界に審判が下る」
絵画を掲げる事によって、混乱を振りまこうとするアンノウン。ヴァンダル一行は、彼の目的を知るためのカギがエナの母・イソラの研究内容にあると推測し、行動を起こす。一方ゲティスバーグたちは、文化制定局局長アナベルに出頭を命じられる。そして独自のルートでUMA──アンノウンの目的を調査していく……。両者が最終的に行き着いた真実は世界政府の構築とイソラに関わる驚愕の真実だった……!
果たしてヴァンダルたちはアンノウンを止められるのか!?
第16回電撃小説大賞《金賞》受賞作、感動の完結編!!
2巻の感想で息の長くなるシリーズになりそうって言ったら、これで完結ですと……。しかもすごい静かに閉幕した。
消化不良ではないといえば、実際そうでもないしもっと読んでいたかった。
たった一枚の絵が、一人の価値観を変え、人生をも変える転機となることもある。そんな芸術に託された思いを様々なかたちで受け取り、自らのしるしとしていた人々と、『ヴァンダル』が絡んでいくのが心地良かった作品でしたね。まあ完結となるこの巻はほぼひとつに集約されるのですが。
正直『DEST』とかアンノウンとかいらなかったのになあと思うのは、この物語においては無粋な考えなんだろう。ダンタリアンみたいな方式で、珍妙な一団が世界そこかしこをめぐり周って、絵画によって世界の変わった人たちと出会い、あれやこれやのいざこざ、それを追い続けるインターポールの刑事たちってのをずっと見続けていたかったなあというのが本音。この作品は説明の前にとりあえず読んで感じてみてって類の作品なので尚更。
「誰かの心にある一枚の絵」「芸術に、その自由を!」というロマンあるテーマ性は最後まで突っ切っていたので、そこは好印象でした。
ううん、綺麗っちゃ綺麗だったけど本当にこれで終わるのが残念だ……。
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