

GENESISシリーズ 境界線上のホライゾンⅢ<下> [★★★]
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M.H.R.R.が仕掛けた、K.P.A.Italiaの厳島上空での竜脈炉爆発を合図とするように、遂に三十年戦争における最悪の敗戦を生むマクデブルクの掠奪の歴史再現が始まった。
そんな中、トーリ達はマクデブルク郊外にある、M.H.R.R.の総長ルドルフ二世が幽閉された鋼鉄の塔へと向かう。
仏蘭西、そしてM.H.R.R.の旧派と改派、P.A.Oda、それぞれの思惑はどこへ向かうのか? その中で武蔵が取る選択と決意とは!?
中世の日本と世界各国が同居する“極東”を舞台に繰り広げられる学園ファンタジー第3話、完結!
どの国をも凌ぐ圧倒的な武力・政治力を以てして武蔵の目的に立ちはだかるP.A.Oda。まだ見ぬ帝王・織田信長の指導力に敗戦を余儀なくされた武蔵。世界を敵に回す覚悟はあったはずだった。戦況をひっくり返すような転機もあったはずだった。しかし敵はあまりにも大きすぎ、多すぎた。武蔵の犠牲は大きく、得たものは少ない。
「次に歴史を動かすのは、私達の方よ」だが、武蔵の意志は死ななかった。
彼らを前に散った人間たちから遺された言葉は、彼らに火を点けた。
その火種は水面下で燻り続け、彼らの心で力強く、確かに燃え続ける。その意志を各々の双眸に湛えながら。
というわけでホライゾン3巻下、言うところの第3話完結です。カーチャンの表紙が目印な!
いやもうストーリー的にも物理的にも圧巻だったのは言うまでもないですが、これかなり武蔵が不利な状況になってきているよなあ。というかP.A.Odaが強大すぎるのもあるけどさ。
それにしてもこれで序盤って言うんだから、今後の物語の壮大さが計り知れない。まあこれが最初の川上作品なのでちゃんとついて行けるようにがんばります。もう2下のようなページ数が4桁いく厚さはでないと信じてる……!
この話を通じて一番成長したのはやはりネイトでしょうか。
カーチャンとのちょっとした親娘の確執もバカを通じて和らいだのは確かですし、ルドルフ二世やカーチャンとの正面衝突を経て精神的にも戦力的にもレベルアップしたしね。
そしてなんつっても義経ですよ義経。なんだよこの男前なロリババア惚れさす気かよ。しかしその分彼女の退場がなんとも物悲しい。このまま武蔵に付いっててくれると思ったのに……! でもまあ義頼がおいしいところすべて取ってった感ありますけどね。彼の最後となったトーリに対する激励の言葉は、今後様々な局面でトーリの意志を左右しそう。でも総長たる器には、やっぱりそういうことが必要なんでしょうか。トーリの人間性も大きいと思うけど。
さて、序盤が終わり、今後武蔵の面々がどういった力をつけて反撃するのか楽しみです。
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