電波女と青春男6 [★★★]
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どもども丹羽真です。
えー、俺は今、青春ポイントが浮遊しまくる魅惑のボーナスステージに立っているのだった……! そう。本日は我が母校の文化祭なのである。
今年は 『引力』 をテーマとしているらしく、生徒も一般入場者も、全員その小指にはカラフルな糸がぷらぷら結ばれている。なんでも、同じ種類の糸を巻いている人を発見して結び合えば、『運命という引力で引き寄せられた者』 同士ということで、めでたく文化祭のメインイベントである体育館ライブコンサートにアリーナ席で参加出来るらしい。さて。俺はその 『引力』 とやらでどんな相手を引き寄せるんだろうねぇ。
ふと気づけば、見慣れた水色の粒子があたりをキラキラ散乱していた。
この晴れ舞台で、ついにエリオは 「せーしゅん女」 になる。
やべえ、これはシリーズいままでで一番おもしろかったと断言できる。読了後に無性に感動していた自分がいた。
というわけで夏もすぎて文化祭編です。丹羽くんまたしても青春しまくりです。
中でもとりわけ、とにかくリュウシさんがかわいすぎる。丹羽くんもにぶちんですなあ、と思いながらニヤニヤ読んでたんだけど、もうリュウシさんが丹羽くんしか見てなくてもう乙女乙女しちゃってるわけですね、はい。もう最近は好き好きアピールが超露骨になってきましたけど、むしろこっちの方が彼女の正確に適っていてとてもいいキャラ付けになっていると思うのです。あの某バカップルに対抗するところだったり、星中さんに対して明らかな敵意オーラを出してたしなんかもうホント筆舌に尽くし難いほどかわいい。かわいいなぁもう!
前川さんも前川さんで、だんだん丹羽くんへの秘めた好意が出てきてると思う。素直になった、って言うのだろうか。それまではその好意に対して自制をかけていた感じがしていたのだが、今回を通じてなんだかそれが薄くなっていた気がしました。あと多摩湖さんと地味に知り合いだったのかw
でも今回はやっぱりエリオのための話なんだなあ、と思います。
とにかくこの「引力」にちなんだ演出がとても素晴らしかったです。妖怪すまきんとなって町一番の変わり者と蔑視さえされていたエリオ。でも数々の出会いが彼女を少しずつ更生させ、また表舞台に引っ張り上げるための礎になっていたと思うと、いままでの登場人物たちがすべて伏線とさえ思えてきてなんかもう心が温まるどころじゃなかった。丹羽くんが藤和家にやっかいになるようになり、母との繋がりを取り戻し、かつての友人たちと縁も切れないまま和解を経て、いまエリオは新しい一歩を踏み出しました。
女々さんとエリオットさんからの、16年越しの素敵なプレゼントに胸が打たれるようでした。いいステージだったよ。
なんか一区切りした感じですが、丹羽くんをめぐる恋模様だったりエリオの復学とかももしかしたらありえるんじゃなかったりと期待の膨らむ展開が待ってそう。とにかくいまだけはこの余韻に浸ろう。
そういえばあのバカップル、この学校と舞台一緒だったんだな。左絵の制服と見比べて初めて気づいた。案外気づかないものだ。
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