星灼のイサナトリ [★★]
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砂に覆われた不毛の惑星。人類は科学文明の粋を集めた巨大な塔の中で暮らす人々と、過酷な自然の中で暮らす人々に二分されていた。
砂漠の巨大な生物【鯨】と戦う鯨獲りの少女・ミルファの危機を救ったのは、空から降ってきた少年・那取洋だった。
徴兵から逃れるために塔を脱走した洋は、斃れた鯨の腹の中から謎の少女・いさなを発見する。捕鯨船の一員となった洋を追って動き出した塔の軍に追い詰められ、いさなの秘められた力が覚醒する――。
荒廃した大地の王者となった巨大な鯨と、砂漠の海をたくましく生き抜く人間たちを描いたファンタンジー巨編、堂々の開幕!
「ほうかごのロケッティア」の作者というのと、あらすじと絵師が好みだったこともあって購入はあまり悩まなかった。表紙からも感じ取ってもらえるはずですが、カラーもモノクロもすごく丁寧でイメージも十分世界観にそぐわうものだと思いました。巻末の設定資料集もわかりやすくてよかった。この絵師はふつうにレベル高い。
肝心の中身ですが、おもしろかったです。超好みのファンタジーです。
砂漠に覆われてしまったテラとそこに暮らす現地民・テラナーたちの過酷でも生きがいのある生活に思わずこっちも飛び込んでみたくなってしまいます。だって砂漠という砂の海でバカでかい鯨が泳いでるんだぜ。しかもそれをパワードスーツ着て狩って生活するってんだからロマンバリバリ。そういえば「イサナトリ」って「鯨取り」に変換できるんだね。
さて砂漠に覆われたテラですが、では現地民意外の人はどうしているのかといえばちゃんと塔と呼ばれる安全地帯で文明を気づいて生活しているのです。移民ですね。しかもこちらは結構近未来的な世界。二分された世界を中心に進むSFファンタジーみたいな感じで受け取ってもらえれば。
お話も基本燃える展開だった。徴兵から逃げ出した洋をもてなす捕鯨船・カジマヤーの人たちの人情と生きざまが生き生きと描かれていてよかった。そういえばこういう船での生活に「蒼海ガールズ」を連想させた。あっちは女の子だけだけど。でもやっぱりミルファよりいさなの方がヒロインヒロインしてるよなあ。というかどう考えてもミルファさん勝ち目ないような。
いさなにもまだ隠された秘密があるみたいですし、塔と砂漠と二つの世界の繋がりも気になるし、続刊を期待。まさかこれででないってことはありませんよね。
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