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ティーンエイジ・パパラッチ
2011年02月15日

2011_0211_223916-DVC00001.jpgパパラッチ・・・・・ イタリア語で「やぶ蚊」の意味で、フェデリコ・フェリーニ監督の「甘い生活」に出てくるカメラマンの男、パパラッツオを由来として、セレブにまとわりつくカメラマンのことを総称するようになった。・・・だそうです。

エイドリアン・グレニアー・・・・・「プラダを着た悪魔」でアン・ハサウェイのカレシ役を演じていた人・・・だそうです。
男性版「セックス・アンド・ザ・シティ」と評判のTVドラマ「アントラージュ★オレたちのハリウッド」(これもよく知らない・・)で、映画スター、ヴィンス・チェイス役を演じてブレイク。

それまで大スターというほどでもなかった彼は、セレブを演じて、プライベートでもセレブになってしまったのである。

そうなると当然のごとくパパラッチが群がってくる。  
 一歩、家の外に出た途端、パシャッ!  買い物に行ったらパシャッ!  レストランでもパシャッ!
「アーッ、うっとおしいのぉ!」
売れっ子になるのもつらいのお、エイドリアン君

ある日、エイドリアンはパパラッチの集団の中に混じってカメラを構えた少年を見つけてショック大吉。
「若いのに大変だねぇ、御苦労さん・・・じゃなくてー! なんで子供がおるんじゃー!?」

オースティン・ヴィスケデイク・・・・・ハリウッド在住の13歳のパパラッチ少年。
最初は彼も風景や草花を撮るカメラ小僧だった。

しかし、ある日、スパに行った時にセレブに遭遇。
「オォーッ!パリス・ヒルトンやんけえ! 写真撮っちゃろ!」
ハリウッドで暮らしてるとセレブがパパラッチに囲まれる情景など日常茶飯事で、そのエネルギッシュでアドレナリン全開な空気にすっかり魅了されたオースティン少年は、「ボクもパパラッチになるっちゃ!」と決意したのである。

エイドリアンはそんなオースティンに興味を引かれ、少年に密着取材しながら、名声に群がるビジネスの本質に迫ろうと試みたのが、このドキュメンタリー映画であります。 
 

 「どこそこにセレブ出現」という情報が入れば(専門の情報屋がいる)、夜中であろうと高級カメラをかついでスッ飛んでいくオースティン君。
相手が車で走り去っても、タクシーを捕まえ、「あの車を追って!」と、刑事ドラマみたいな大追跡もやるのである。
セレブの車に向かって、カメラの突き出し方もサマになっておりますね。

お母様は、どう思ってらっしゃるのですか?
「アタシは息子の判断を尊重してるわよん。」 そうですか。
「そのかわり、[学校の成績が落ちないこと]、[ドラッグに手を出さないこと]。」
その点は心配ないようですよ。

マット・デイモンウーピー・ゴールドバーグエヴァ・ロンゴリアアレック・ボールドウィンリンジー・ローハンらがインタビューでパパラッチへの恨みつらみを激白。

パリス・ヒルトンは、「写真のおかげで私の商売は成り立ってるもん。しょうがないわよ。パパラッチは必要悪よ。」と、意外にオトナなコメント。

一方のパパラッチ側は、「注目されることを望んで、自分の意志で芸能界に入っておいて、写真はイヤだなんてのは通らねえぜ。」と、みんなが口をそろえる。
人が嫌がることをするアンタらの定番のお題目だな。

ボロカスに言われようが、結局、「生活のためだから」。
写真は1000$~3000$で売れ、旬のセレブの決定的瞬間なら、ン万$。
もちろん金を出すのはゴシップ誌などの出版社。
つまり、ゴシップ誌はそれだけ売れるってことですね。
そんなにセレブのプライベート写真が面白いのでしょうか。

セレブが口にご飯粒をつけてたり、スーパーのビニール袋をぶら下げてたり、階段でスッテン転んでたり・・・、人はそんな大スターの粗相に親近感を抱く。
「ああ、私たちと、そんなに変わらないんだ。」
雲の上の存在だったセレブの価値観は様変わりし、「この人のことは何でも知ってる」ぐらいの友人感覚の目線になってるんですね。

セレブのプライベートが身近になると、「自分の住んでる世界」との差がなくなり、妙な憧れも生まれます。
ある職業調査では、上院議員よりも、セレブの荷物持ちになりたいと答えた人の方が多かったとか。
好きにしな。 「自由の国」だもんよ。

昔はスタジオがタレントを守り、プラスのイメージだけが表に出るようになってたけど、今やスタジオがタブロイド誌の会社を持ってる時代です。
俳優が映画の宣伝をしたら、お次はタブロイド誌に悪口を書かれるのが規定路線になってます。
まっ、俳優も承知の上なんですがね。

さて、オースティン君のパパラッチ活動に同行しているエイドリアン
「オテテつないで2ショット」がパパラッチの大好物と聞いて、パリス・ヒルトンを誘いフェイクのデートを敢行。
速攻で、出てくる、出てくる、わいてくる。 「蚊」とは、よく言ったもんだ。

やがてオースティン君も、13歳のパパラッチ少年という話題性で、逆にカメラを向けられたり、取材を受けるようになります。   
嫌がるのかと思いきや、逆に悦に浸っとるがな。
「名声」の陰を見てきたはずの彼が、逆に「名声」の虜になっちまっとるよ。
フフン。 坊主、世間をなめとるのお。

有名になれて嬉しかろう。
しかし、その代償は高くつくぞ。
わかってるってか? いんや、オメエはわかっちゃいねえよ。

エイドリアンは、そんなオースティンを危ぶんで、手遅れになる前にある行動を起こします。 一人の友として。


いくらでも選択肢のある、君のような若者が、憧れの存在から嫌な顔をされてまでやる仕事ではないよ。
お互いに尊敬し合える友だちを一人でも多く作ることが、君にとっては一番大切なことだとオッサンは思うぞ。

オオッ! エンディング・テーマはLADY GAGAじゃないかあ!


「賢人のお言葉」

 「高言する青年、話好きの老年、彼らの弁解は異なり、彼らの要望は同じ、善きにつけ、悪しきにつけ、名声を好む。」  ポープ

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