奇兵隊と一兵卒
http://www.youtube.com/watch?v=yXrj2DyJhlQ
今日あたりは何を書いてもサッカーの話題に食われてしまうんじゃないかと思います。上の動画「青空」はアパルトヘイトを批判した歌。
南アフリカ繋がりってことで。ケータイの方はアドレスからどうぞ。
菅直人新内閣が発足したかと思う間もなく亀井静香郵政担当大臣の辞任(@_@;)
動きが早いというべきなのか。さすがに「強い経済、強い財政、強い社会保障」を唱える人は違います。連立相手に対してさえも強気です(;一_一)
この政局に関連して再び注目を浴びた田中康夫「新党日本」代表が、長野県知事時代「しなやかな県政」を提唱していたことも思い出しました。「強い」と「しなやか」。
菅直人という人は、相変わらず「勝とう勝とう」としている人なんだと改めて思いました。
まず自分が強くなって、敵に勝つ。それで初めて弱者を守れるのだ…そういう考え方。
これからの御紹介は、そういう考えとは一線を画した人。歴史学者の網野善彦氏、すでに故人です。
甥の中沢新一氏に『僕の叔父さん網野善彦』(集英社新書)という優れた伝記本があります。中沢新一氏としては唯一と言って良い好著かも(^^ゞ
以下の引用元は『リアル国家論』(教育史料出版会)所収のインタビューより。本来は「新しい歴史教科書を創る会」への批判本でした。
菅首相と西尾幹二氏を比べるのが適切かどうかはともかく…案外似ていることにも気付かされることでしょう(^_^;)
(引用はじめ)
――『戦争論』や『国民の歴史』、「新しい歴史教科書を創る会」といった、国家主義的な歴史意識の攻勢に、どのようにして立ち向かったらよいのでしょうか。
わかっていない事についてわかったような顔を絶対にしないことです。これが最悪ですよ。小林さんや西尾さんには、それがありありとみえます。「そんなことわかっていないじゃないか」と思えることを、あたかも初めからわかったようにいっていることが、彼らのなかにたくさんあると思いますね。
だから、「これもわかっていないではないか」「こんなこともわかっていないのに、よくそこまでいえますね」というほうが、はるかに強力な批判になると思います。
しかし、いままでの「左翼」の悪いところで、「左翼」や「戦後歴史学」もまた、みんなわかっているとして、ものをいっている姿勢があるのです。「わからない事があるというのは罪悪だ」という感じがあるのではないでしょうか。(中略)
西尾幹二さんや、小林よしのりさん、藤岡信勝さんの性格は、共通しています。勝とう勝とうとしているのです。『国民の歴史』も「勝とう勝とう史観」ですよ。小林よしのりさんも、絶対勝とうと最初から思っているようにみえますね。
でも、私は、負けてばかりいましたから、負けたことのある人間の心を知らないで、なにが「国民の歴史」だといいたいですね。
(97―98頁 引用ここまで)
菅内閣は「奇兵隊内閣」だとか…。山口県は一回それで勝ったんだから、もう良いだろうと思うのに、またそれで勝とうとしているようです。
あるいは菅直人という人は、勝者から学ぼうとする人なのです。敗者の無念を背負って、曲げられぬ信念に斃れる人とかではありません(^^ゞ
単純な比較は禁物ですが、この政変で一敗地にまみれたあの人が「一兵卒」になったのと、菅首相が目指す「奇兵隊」とは、好対照じゃないでしょうか。
……でも、私は、負けてばかりいましたから、負けたことのある人間の心を知らないで、なにが「最少不幸社会」だといいたいですね(^^ゞ
私負けましたわ(ワタシマケマシタワ)
回文手抜きじゃねぇか…(+_+)
お粗末さまでした(^o^)
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