石原都政はなぜ潰れないのか
東京都の来年度予算が議会を通過したそうです(^_^;)
いや、予算が通るのはニュースでもなんでもありませんけれど、この予算が特別なのは築地市場を豊洲に移転するための費用が含まれているところなのです。
移転はオリンピック誘致にも絡み都市再開発の一環です。目的も少し曖昧なところがあるのですが、豊洲には東京ガスの旧工場跡があり、環境面での不安が指摘されていました。
食べ物を扱うところですから、土壌と地下水に有害物質が残存していれば、そりゃあ大変なことになるわなぁ……(@_@;)
というわけで移転問題は先の都議会選挙でも大きな争点となっていました。予算審議では都政野党の民主党は絶対反対・移転阻止で、凝り固まっていたはずなのですが……(_ _)
まあ見方によって様々でしょうが都議会民主党は善戦したと思います。予算は付けたものの事業の一時停止を不完全ながら取り付けたのですから(^_^;)
思いだして欲しいのは前長野県知事の田中康夫氏と県議会の対立、あるいは現名古屋市長の河村たかし氏。
阿久根市長の竹原某氏までもそうですが、首長と自治体議員との対立は、余程のことがない限り首長の方が有利に運ぶようになっているのです。
民意で選ばれた首長の地位というものは、それほどまでに強いのです。まして新人議員の多い都議会民主党には最初から荷が重かったことでしょう。
今の民主党が「都市型政党」になりきれていないことも理由の一つです(あまりなって欲しくもないけど…)。
とはいえ石原都知事はしぶといなぁ…と思います。何でこんなに強いのかちょっと頭の体操をしてみました。
そこで考えたのですが、移転問題を考えるときに良く使われる「食の安全」という言葉。雪どけ水はあれにちょっとだけ違和感があるのです(^^ゞ
いや、食の安全は大事だと思いますが、そもそも魚市場が何故あんなに大規模になるのかという疑問が以前からあったのです。
要するに近海のみならず世界中の魚があそこに集まっているからでしょう。今問題のクロマグロもあそこで取引されています。
場合によっては日本海で獲れた魚が築地に卸され、それを新潟の業者が落札して、それをまたトラックで運んで新潟の消費者が食べたりして…ま、ちょっと極端な例ですけど(^^ゞ
築地を介して世界中の魚が日本国内をぐるぐる回っている。そういうシステムで輸入大国日本の食糧事情が成り立っているということ。市場が大きくなければいけないわけです。
だから今の「食」は生産地と消費地が遠く離れ過ぎています。その間がどうなっているかはブラックボックス、何がどうされてもすぐには分かりません。
あ、ちょうどありましたね、中国産の毒ギョーザ事件。まさにブラックボックス化の弊害です。それを暴いた外相がイオングループの御曹司というのがこれまた何とも(^_^;)
食じゃなくて職の方もブラックボックス化が進んでいますね。同じ職場で同じ仕事をしていても片方は正社員、片方は非正規…あ、これも毒ギョーザ事件と関係あるぞ(^_^;)
私たちの生活はいつの間にかいろいろなことが見えなくなっているのです。見えないものがそばにたくさんあるのですから不安が募ります。
そこで登場するのが石原慎太郎というわけです。人々の不安に付け込み恐怖感を煽るような言辞をもてあそび、強いものに対する依存心を利用して求心力を高めます(-_-メ)
石原慎太郎氏の強さとは、今の東京都(だけに限らず)の都市構造の矛盾を背景にしているのです。
都知事のくせに矛盾を解消する方向ではなく、矛盾を増幅させる方向で求心力を保つのですからひどい話です。
今の都政野党は都市構造の矛盾をどう解消していくのかの具体的な提示を模索しつつ、石原都政にストップをかけなくてはなりません。
逆に都市構造の矛盾を解消する手段を持ち得なかったら、仮に民主党都政や共産党都政・社民党都政が実現したとしても、やはり恐怖型にならざるを得ないでしょう(+_+)
豊洲は絶対いけませんが築地だったら安全というわけではない。その矛盾を権力に利用されてはいけません。
世界的建築家の黒川紀章氏は、かつては石原慎太郎氏の盟友でありながら、晩年は石原都政に対する最も辛辣な批判者へと変わりました。
建築家の本能として、石原都政を支える構造的欠陥にいち早く警鐘を鳴らしたということだと雪どけ水は解釈しています(^^)
石原らは恣意(イシハララハシイ)
嫌な都政の渡世だなぁ…(+_+)
お粗末さまでした(^o^)