2024-05-21(Tue)
政権交代はおきるか? 立憲は れいわは どうなる
このところ政治を正視すると あまりにも苦しくて息が詰まりそうになる。
イスラエルは依然としてパレスチナで大虐殺をつづけ、アメリカのみならず日本をふくめた各国はそれを後押しし続けている。
裏金議員は、もう何もなかったかのような顔をして、政治倫理審査会にすら全員揃って出席拒否。
共同親権やなにやら、世紀の悪法が、野党まで賛成してじゃんじゃん通過してしまう。
これだけひどい現状に、政権交代を望む声は高まれど、肝心の野党第一党はやる気なし。
一筋の光とも思えるれいわ新選組の支持率も、3月にピークになってから ここ2ヶ月は下降傾向だ。
長年政治の世界を注視してきたけれども、最近は目をそむけて、韓ドラの世界に逃げ込んでしまうことが多くなりがちだ。
でも、韓ドラは結構世情を鋭く反映していて、そこから振り返って、またぞろ政治に目をやったりしている。
ちょうど1ヶ月ほど前にこんな記事を書いた。
政権交代の期待から逃げ回る立憲民主党。。。。 れいわ新選組はいかに(4.22)
その後の比例投票先調査の推移を、三春充希氏のデータで確認してみると、立憲とれいわは かなり明暗を分けている。
立憲は15%弱だったものが17.5%に上がり、れいわは3月末に6%ちかくあったものが4.7%くらいに下がってどうにか下げ止まった感じだ。
5月20日現在の比例投票先の平均
自民 24.2 %
未定 19.5 %
立憲 17.5 %
維新 11.8 %
共産 5.1 %
公明 5.1 %
れいわ 4.7 %
国民 3.2 %
参政 1.4 %
教育 0.9 %
社民 0.8 %
みんな 0.5 %
5月20日現在のリアルタイム得票数推定
自民 1526 万票
立憲 1015 万票
維新 610 万票
公明 597 万票
共産 425 万票
れいわ 299 万票
国民 266 万票
参政 144 万票
社民 98 万票
教育 60 万票
みんな 30 万票
■立憲とれいわ 何が違うの?
どっちかの支持者だと、冷静に見ることができなくなりがちなので、すこし客観的に両党を比較してみようと思う。
まず、ホームページのトップから
立憲のトップに出てくるのがこれ
「政治改革」
ふ~ん 漠然としてる
じゃあ これをクリックすれば具体案が出てくるのかな? ポチッ
悪いことは言ってないよ 確かに
でも、国民が切実に思ってるのは 裏金議員は逮捕しろ! 脱税すんな! じゃないの?
その決着をウヤムヤにして 制度だけあーしますこーします とか言われてもピンとこない。
それに、この書き方。
「こーします」ですらなくて、「考え方はこうです」と発表しているだけ
やる気が感じられない・・・・
では れいわのホームページのトップはどうだ?
「絶望してる? だったら変えよう」
絶望してる人に訴えてるのは明確だけど、具体的ではない。
良くも悪しくも感情に訴える作りだ
では、ここをポチッ
緊急政策が並んでいる。
デザイン凝ってる割に字が小さいし、色合いも読みにくいとか難はあるけど、内容は具体的でわかりやすい。
何より、「こう思います」という意見表明じゃなくて、「やる」という決意表明だ。
■意志と主体がない立憲
2009年から枝野幸男をずっと見てきて、一貫して感じるのは、「常に逃げ道を計算している」ということだ。
「おれが責任負ってやる」という決意がなく、どんなに頑張っているように見えても その言動には常に逃げ道が計算されている。
その象徴が例の原発爆発したときの「直ちに影響はない」だったわけだが、要するに、後で影響が出たときに「ちゃんと『直ちに』と言ったじゃないですか。後からも影響がないとは言っていません。」と逃げられるように計算しているのだ。
「まっとうな政治」という枝野の好きな言葉もそうだ。
何が「まっとう」なのかは明らかにせず、なんとなく「まっとう」と言っておけば、どんなに日和っても寝返っても言い訳できる。
ホームページで「考え方」と書いているの同じ。
たとえ自民党にすりよって、腑抜けな修正案に賛成しても、「実現するとは言っていない」と言い逃れできる。
政治とは、「自分たちが」「国家権力を握って」「これこれをやる」と宣言して、それを実現することだ。
立憲には、この3点が抜け落ちている。
「自分たちがやる」という主体と意志が表明されていない。
「政権交代して国が実現する」という決意がない。
「これをやる」という宣言がない。
私の目には政治家ではなく、政治評論家にしか見えない。
それが、立憲がかつての2009年の民主党のような支持率を得られない、最大の原因だと思う。
ではなぜ、ここ1ヶ月で急に支持を伸ばしているのか。
ひとえに、野党第一党だからである。
あまりの自民党の酷さに、立憲自身のやる気の無さを乗り越えて、「野党たのむよ」という国民の悲鳴なのだ。
■ 本気なのに本気に見えないれいわ
こんな悲痛な国民の声が、れいわ新選組の支持に直結していない。
たしかに、2019年の結党、2021年の衆院選、2022年の参院選のころから比較すると、平均的な支持は1.5倍から2倍程度に大きくなっている。
これは、山本太郎や大石あきこはじめ、国会や地方の議員や、その仲間たちが命を削ってでも活動してきたことが少しずつ認知されてきたということだ。
先月の記事でも書いたように、全国津津浦浦でのデモも効果絶大だったと思う。
とは言え、3月下旬のピーク時の比例投票先6%弱で、近畿ブロックがギリギリ2議席というのが前出の三春充希氏の分析だ。(比例代表の考察の現状と議席計算の結果3/29)
現在の水位では2議席は難しい。
近くで見ていると、もっと支持が広がってもいいのでは、と思ってしまうけれども、そうならないからには何か理由があるはずだ。
一つには、これも前回記事で書いたように、「共闘に後ろ向き」というイメージを進んで振りまいてしまっていることがある。政権交代を切実に望んでいる人々には、これはマイナスイメージにしかならない。自らが本気の共闘を主導して見せることで「共闘を拒否しているのは立憲の方だ」というイメージ戦略をとらなくてはならない。
もう一点は、冷静にれいわ新選組のホームページを見返してみると、やはり「本気じゃない ふざけてる?」と思われるところが多分にあるのだと思う。
思い起こせば、最初に「れいわ新選組」という党名を聞いたときに、私も「そりゃないぜ!!!」と思ったし、実は今でも違和感はある。かなり。
既存の政治から徹底的に阻害され、何一つ期待してこなかった人々には強烈な印象をあたえ、小さくても熱く固い支持を得られたけれども、今直面しているのは、その先だ。
230万票の壁を突破して、500万票、得票率10%の壁に挑むための戦略が必要だ。
既存の政治にもそれなりに目を向け、2009年には民主党に投票したけれども、その後は投票に行っていない、2000万人の人達の、およそ20%を獲得する必要がある。
これだけの人数の大きさにアプローチするためには、これまでの「れいわ的」な感覚だけではダメなのではないか。
スーツを着ているから真面目で、ピンクのハッピだからふざけてる、なんて感覚は 「れいわ的」には「何いってんだ!スーツ着てる裏金ドロボウのほうがよほどふざけてるだろうが!」という話になる。たしかにそのとおりだ。
私自身、スーツなんて冠婚葬祭以外ではまず着ないし。
しかし、500万人という規模に向き合うためには、いくら無意味な「スーツ=真面目」のような既成概念であっても、そういう感覚を持っている人たちにも支持を広げるにはどうしたらいいか? という問題意識を持たなければならない。
国民は、結局のところ「ほんとに実現してくれそうだ」と思う政治家に託すのだ。
そう思われるには、政治家本人が「本気でやってる」だけでなく、「本気でやっているように見せる」ことが不可欠なのだ。
共闘についてのイメージもしかり、デザインの作り方もしかり。
れいわ新選組に不足しているのは、そこなのだと私は思う。
「本気でやっている」のは、痛いほどわかっているつもりだけれども、それを多数に伝えるには、そのための戦略が必要だ。
これまでの、固い支持層に好まれるイメージ作りから、より広い層に「本気が伝わる」イメージ戦略へ、フェーズアップすること。
案外、こんなベタなところが、れいわ新選組がジャンプアップするための鍵なのかもしれない。
■山本太郎頼みのれいわ新選組
もう一点、れいわ新選組の致命的な弱点は、圧倒的に山本太郎個人の人気に頼っているということだ。
減税デモも、太郎さんの時間と体力が活動量の限界になっている。
次の解散総選挙は、初めて山本太郎がどこでも立候補しない選挙だということもある。
これは、一朝一夕で改善できるものではないが、しかしこれが本質的な「れいわの限界」なのだということは、支持者こそがよくよく理解しておくべきだと思う。
本物の市民政党を名乗るのであれば、山本太郎や大石あきこが、仮にいなくても自分たちで活動する、というつもりで積み上げていく覚悟が必要だ。
それは実は大層なことではなくて、れいわ新選組が結成されるずっとずっと前から続けられてきた市民運動というのは、皆そうやって細々とでも闘ってきたのである。れいわ支持者は、そうした地味で息の長い運動を軽視しして、自分たちのノリノリの活動が全てだと思いがちだけれども、そのノリノリは「山本太郎頼み」と表裏一体だということを自覚しなくてはならない。
むしろ、スター選手が誰もいないところで、コツコツ自力で積み上げてきた市民運動に見習うところは大きい。
つまり、スターを中心にした同心円構造から、目的を同じくする戦隊のような布陣に、していくこと。
ファンクラブから、闘う組織への脱皮。
そうした変化が、支持者自身の自覚の中で目覚めていくことが、今必要なのだと思う。
■で、政権交代はおきるのか? 6月解散は?
残念ながら、野党第一党が今のような立憲で、第ニ党があろうことか維新であるこの国で、政権交代は一朝一夕には起こせない。
仮に自民・公明で過半数割れしたとしても、維新と国民民主が事実上の与党なのだから、絶対に政権交代は起きないし、そもそも今の立憲では過半数割れに追い込むこともできないだろう。
なにせそれだけの候補を立ててない。枝野は単独過半数をとか言ってるけど、実際は過半数233に対して、5/19現在で178人。目標が200というのだから、勝てるわけがない。
それが明確だからこそ、いくら自民党の支持率が低くても、6月解散の可能性はある。
岸田文雄という人間を舐めてはいけない。
彼は、とんでもなく、おそろしく、ある意味で安倍晋三以上に「自分が第一」なのだ。
自らの権力を維持するために、自らに楯突く安倍派の議員は、落選すれば良い くらいは十分に考えている。
安倍晋三の死後に、安倍神格化に動くかと思いきや、真逆で、反統一教会キャンペーンが広がったのはそのためだし、裏金を暴露したのも、肉を切らせて骨を断つ という岸田の安倍派潰しの戦略だ。
その結果、自民党が過半数割れしても、上記のように政権交代とはならない。
むしろそのほうが、9月の総裁選を勝ち抜けると計算している可能性はある。
上川は舌禍で叩き、河野はマイナ不祥事で抑え込み、石破は官房長官でもちらつかせれば尻尾をふるし、麻生は財務省だけ懇ろにしておけばおとなしくしている。
萩生田は、実質お咎めなしの厚遇で丸め込んだ。あとは、あくまで反抗する安倍派の一部の残党を落選させれば、自らの権力は安泰だ。
こんな岸田政権に、打撃をあたえるためには、単に自民党を減らすだけではダメだ。
まず、岸田が「保険」だと思って頼みにしている維新をも減らすこと。
万博会場でのガス爆発の影響は甚大だし、建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞をとった山本理顕氏が、その受賞後のインタビューという晴れの場で、ものすごい舌鋒で正論批判を繰り広げたりと、万博カジノに命運をかけていた維新の人気は激落ちしている。
「海外のカジノ業者の利益になるだけ」 世界的建築家・山本理顕が明かした「大阪万博批判発言」の真意 「安藤忠雄さんは逃げてはいけない」 2024.5.21 デイリー新潮
そして、岸田にとって、ほんとに「いや~な」勢力が増えることだ。
それがれいわ新選組だけだ、とは言わないが、れいわ新選組が得票にして倍増以上、議席にして15。国会議員合計で20を実現することが、政権交代にまでは至らずとも、次は「やばいな」と思わせることができる、ほぼ唯一の方法だろう。
もちろん、共産党もそれなりに伸びてほしいとは思う。
ただし、比例復活をあきらめて事実上の引退を決めた方が、地元事務所もないのに、わざわざれいわ新選組の現職のいる選挙区に出てくるのはやめてもらいたいが。
また、消滅の危機(※)にある社民党は、れいわと協力すればいいのに。
合流はどちらの側からも抵抗が大きすぎるだろうけれども、統一名簿やらなにやら、協力することで相乗効果はあるはずだ。
社民も立憲に首根っこを押さえつけられて、言いたいことも言えない状況では、何のために政治をやっているのか虚しくならないだろうか。。
ということで、みなさん 6月解散に備えて、体力を蓄えておきましょう。
夏の選挙は過酷ですから。
※政党要件は「前回の衆院選」か「前回または前々回の参院選」で得票率2%とればOKなので、福島瑞穂が1回おき(6年ごと)に参院選に出て2%とればずっと要件は満たせるが、それで安泰としていいのか?という問題提起として消滅の危機という表現をあえて使っている
■ガザ虐殺をやめろ
こんな発想をしてはいけないのだろうけど、イスラエルの首相官邸に隕石が落ちればいいのに と思ってしまう。
ジェノサイドを許してはいけない
#FreePalestine
#StopGazaGenocide
#ガザ侵攻やめろ
イスラエルは依然としてパレスチナで大虐殺をつづけ、アメリカのみならず日本をふくめた各国はそれを後押しし続けている。
裏金議員は、もう何もなかったかのような顔をして、政治倫理審査会にすら全員揃って出席拒否。
共同親権やなにやら、世紀の悪法が、野党まで賛成してじゃんじゃん通過してしまう。
これだけひどい現状に、政権交代を望む声は高まれど、肝心の野党第一党はやる気なし。
一筋の光とも思えるれいわ新選組の支持率も、3月にピークになってから ここ2ヶ月は下降傾向だ。
長年政治の世界を注視してきたけれども、最近は目をそむけて、韓ドラの世界に逃げ込んでしまうことが多くなりがちだ。
でも、韓ドラは結構世情を鋭く反映していて、そこから振り返って、またぞろ政治に目をやったりしている。
ちょうど1ヶ月ほど前にこんな記事を書いた。
政権交代の期待から逃げ回る立憲民主党。。。。 れいわ新選組はいかに(4.22)
その後の比例投票先調査の推移を、三春充希氏のデータで確認してみると、立憲とれいわは かなり明暗を分けている。
立憲は15%弱だったものが17.5%に上がり、れいわは3月末に6%ちかくあったものが4.7%くらいに下がってどうにか下げ止まった感じだ。
5月20日現在の比例投票先の平均
自民 24.2 %
未定 19.5 %
立憲 17.5 %
維新 11.8 %
共産 5.1 %
公明 5.1 %
れいわ 4.7 %
国民 3.2 %
参政 1.4 %
教育 0.9 %
社民 0.8 %
みんな 0.5 %
5月20日現在のリアルタイム得票数推定
自民 1526 万票
立憲 1015 万票
維新 610 万票
公明 597 万票
共産 425 万票
れいわ 299 万票
国民 266 万票
参政 144 万票
社民 98 万票
教育 60 万票
みんな 30 万票
■立憲とれいわ 何が違うの?
どっちかの支持者だと、冷静に見ることができなくなりがちなので、すこし客観的に両党を比較してみようと思う。
まず、ホームページのトップから
立憲のトップに出てくるのがこれ
「政治改革」
ふ~ん 漠然としてる
じゃあ これをクリックすれば具体案が出てくるのかな? ポチッ
悪いことは言ってないよ 確かに
でも、国民が切実に思ってるのは 裏金議員は逮捕しろ! 脱税すんな! じゃないの?
その決着をウヤムヤにして 制度だけあーしますこーします とか言われてもピンとこない。
それに、この書き方。
「こーします」ですらなくて、「考え方はこうです」と発表しているだけ
やる気が感じられない・・・・
では れいわのホームページのトップはどうだ?
「絶望してる? だったら変えよう」
絶望してる人に訴えてるのは明確だけど、具体的ではない。
良くも悪しくも感情に訴える作りだ
では、ここをポチッ
緊急政策が並んでいる。
デザイン凝ってる割に字が小さいし、色合いも読みにくいとか難はあるけど、内容は具体的でわかりやすい。
何より、「こう思います」という意見表明じゃなくて、「やる」という決意表明だ。
■意志と主体がない立憲
2009年から枝野幸男をずっと見てきて、一貫して感じるのは、「常に逃げ道を計算している」ということだ。
「おれが責任負ってやる」という決意がなく、どんなに頑張っているように見えても その言動には常に逃げ道が計算されている。
その象徴が例の原発爆発したときの「直ちに影響はない」だったわけだが、要するに、後で影響が出たときに「ちゃんと『直ちに』と言ったじゃないですか。後からも影響がないとは言っていません。」と逃げられるように計算しているのだ。
「まっとうな政治」という枝野の好きな言葉もそうだ。
何が「まっとう」なのかは明らかにせず、なんとなく「まっとう」と言っておけば、どんなに日和っても寝返っても言い訳できる。
ホームページで「考え方」と書いているの同じ。
たとえ自民党にすりよって、腑抜けな修正案に賛成しても、「実現するとは言っていない」と言い逃れできる。
政治とは、「自分たちが」「国家権力を握って」「これこれをやる」と宣言して、それを実現することだ。
立憲には、この3点が抜け落ちている。
「自分たちがやる」という主体と意志が表明されていない。
「政権交代して国が実現する」という決意がない。
「これをやる」という宣言がない。
私の目には政治家ではなく、政治評論家にしか見えない。
それが、立憲がかつての2009年の民主党のような支持率を得られない、最大の原因だと思う。
ではなぜ、ここ1ヶ月で急に支持を伸ばしているのか。
ひとえに、野党第一党だからである。
あまりの自民党の酷さに、立憲自身のやる気の無さを乗り越えて、「野党たのむよ」という国民の悲鳴なのだ。
■ 本気なのに本気に見えないれいわ
こんな悲痛な国民の声が、れいわ新選組の支持に直結していない。
たしかに、2019年の結党、2021年の衆院選、2022年の参院選のころから比較すると、平均的な支持は1.5倍から2倍程度に大きくなっている。
これは、山本太郎や大石あきこはじめ、国会や地方の議員や、その仲間たちが命を削ってでも活動してきたことが少しずつ認知されてきたということだ。
先月の記事でも書いたように、全国津津浦浦でのデモも効果絶大だったと思う。
とは言え、3月下旬のピーク時の比例投票先6%弱で、近畿ブロックがギリギリ2議席というのが前出の三春充希氏の分析だ。(比例代表の考察の現状と議席計算の結果3/29)
現在の水位では2議席は難しい。
近くで見ていると、もっと支持が広がってもいいのでは、と思ってしまうけれども、そうならないからには何か理由があるはずだ。
一つには、これも前回記事で書いたように、「共闘に後ろ向き」というイメージを進んで振りまいてしまっていることがある。政権交代を切実に望んでいる人々には、これはマイナスイメージにしかならない。自らが本気の共闘を主導して見せることで「共闘を拒否しているのは立憲の方だ」というイメージ戦略をとらなくてはならない。
もう一点は、冷静にれいわ新選組のホームページを見返してみると、やはり「本気じゃない ふざけてる?」と思われるところが多分にあるのだと思う。
思い起こせば、最初に「れいわ新選組」という党名を聞いたときに、私も「そりゃないぜ!!!」と思ったし、実は今でも違和感はある。かなり。
既存の政治から徹底的に阻害され、何一つ期待してこなかった人々には強烈な印象をあたえ、小さくても熱く固い支持を得られたけれども、今直面しているのは、その先だ。
230万票の壁を突破して、500万票、得票率10%の壁に挑むための戦略が必要だ。
既存の政治にもそれなりに目を向け、2009年には民主党に投票したけれども、その後は投票に行っていない、2000万人の人達の、およそ20%を獲得する必要がある。
これだけの人数の大きさにアプローチするためには、これまでの「れいわ的」な感覚だけではダメなのではないか。
スーツを着ているから真面目で、ピンクのハッピだからふざけてる、なんて感覚は 「れいわ的」には「何いってんだ!スーツ着てる裏金ドロボウのほうがよほどふざけてるだろうが!」という話になる。たしかにそのとおりだ。
私自身、スーツなんて冠婚葬祭以外ではまず着ないし。
しかし、500万人という規模に向き合うためには、いくら無意味な「スーツ=真面目」のような既成概念であっても、そういう感覚を持っている人たちにも支持を広げるにはどうしたらいいか? という問題意識を持たなければならない。
国民は、結局のところ「ほんとに実現してくれそうだ」と思う政治家に託すのだ。
そう思われるには、政治家本人が「本気でやってる」だけでなく、「本気でやっているように見せる」ことが不可欠なのだ。
共闘についてのイメージもしかり、デザインの作り方もしかり。
れいわ新選組に不足しているのは、そこなのだと私は思う。
「本気でやっている」のは、痛いほどわかっているつもりだけれども、それを多数に伝えるには、そのための戦略が必要だ。
これまでの、固い支持層に好まれるイメージ作りから、より広い層に「本気が伝わる」イメージ戦略へ、フェーズアップすること。
案外、こんなベタなところが、れいわ新選組がジャンプアップするための鍵なのかもしれない。
■山本太郎頼みのれいわ新選組
もう一点、れいわ新選組の致命的な弱点は、圧倒的に山本太郎個人の人気に頼っているということだ。
減税デモも、太郎さんの時間と体力が活動量の限界になっている。
次の解散総選挙は、初めて山本太郎がどこでも立候補しない選挙だということもある。
これは、一朝一夕で改善できるものではないが、しかしこれが本質的な「れいわの限界」なのだということは、支持者こそがよくよく理解しておくべきだと思う。
本物の市民政党を名乗るのであれば、山本太郎や大石あきこが、仮にいなくても自分たちで活動する、というつもりで積み上げていく覚悟が必要だ。
それは実は大層なことではなくて、れいわ新選組が結成されるずっとずっと前から続けられてきた市民運動というのは、皆そうやって細々とでも闘ってきたのである。れいわ支持者は、そうした地味で息の長い運動を軽視しして、自分たちのノリノリの活動が全てだと思いがちだけれども、そのノリノリは「山本太郎頼み」と表裏一体だということを自覚しなくてはならない。
むしろ、スター選手が誰もいないところで、コツコツ自力で積み上げてきた市民運動に見習うところは大きい。
つまり、スターを中心にした同心円構造から、目的を同じくする戦隊のような布陣に、していくこと。
ファンクラブから、闘う組織への脱皮。
そうした変化が、支持者自身の自覚の中で目覚めていくことが、今必要なのだと思う。
■で、政権交代はおきるのか? 6月解散は?
残念ながら、野党第一党が今のような立憲で、第ニ党があろうことか維新であるこの国で、政権交代は一朝一夕には起こせない。
仮に自民・公明で過半数割れしたとしても、維新と国民民主が事実上の与党なのだから、絶対に政権交代は起きないし、そもそも今の立憲では過半数割れに追い込むこともできないだろう。
なにせそれだけの候補を立ててない。枝野は単独過半数をとか言ってるけど、実際は過半数233に対して、5/19現在で178人。目標が200というのだから、勝てるわけがない。
それが明確だからこそ、いくら自民党の支持率が低くても、6月解散の可能性はある。
岸田文雄という人間を舐めてはいけない。
彼は、とんでもなく、おそろしく、ある意味で安倍晋三以上に「自分が第一」なのだ。
自らの権力を維持するために、自らに楯突く安倍派の議員は、落選すれば良い くらいは十分に考えている。
安倍晋三の死後に、安倍神格化に動くかと思いきや、真逆で、反統一教会キャンペーンが広がったのはそのためだし、裏金を暴露したのも、肉を切らせて骨を断つ という岸田の安倍派潰しの戦略だ。
その結果、自民党が過半数割れしても、上記のように政権交代とはならない。
むしろそのほうが、9月の総裁選を勝ち抜けると計算している可能性はある。
上川は舌禍で叩き、河野はマイナ不祥事で抑え込み、石破は官房長官でもちらつかせれば尻尾をふるし、麻生は財務省だけ懇ろにしておけばおとなしくしている。
萩生田は、実質お咎めなしの厚遇で丸め込んだ。あとは、あくまで反抗する安倍派の一部の残党を落選させれば、自らの権力は安泰だ。
こんな岸田政権に、打撃をあたえるためには、単に自民党を減らすだけではダメだ。
まず、岸田が「保険」だと思って頼みにしている維新をも減らすこと。
万博会場でのガス爆発の影響は甚大だし、建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞をとった山本理顕氏が、その受賞後のインタビューという晴れの場で、ものすごい舌鋒で正論批判を繰り広げたりと、万博カジノに命運をかけていた維新の人気は激落ちしている。
「海外のカジノ業者の利益になるだけ」 世界的建築家・山本理顕が明かした「大阪万博批判発言」の真意 「安藤忠雄さんは逃げてはいけない」 2024.5.21 デイリー新潮
そして、岸田にとって、ほんとに「いや~な」勢力が増えることだ。
それがれいわ新選組だけだ、とは言わないが、れいわ新選組が得票にして倍増以上、議席にして15。国会議員合計で20を実現することが、政権交代にまでは至らずとも、次は「やばいな」と思わせることができる、ほぼ唯一の方法だろう。
もちろん、共産党もそれなりに伸びてほしいとは思う。
ただし、比例復活をあきらめて事実上の引退を決めた方が、地元事務所もないのに、わざわざれいわ新選組の現職のいる選挙区に出てくるのはやめてもらいたいが。
また、消滅の危機(※)にある社民党は、れいわと協力すればいいのに。
合流はどちらの側からも抵抗が大きすぎるだろうけれども、統一名簿やらなにやら、協力することで相乗効果はあるはずだ。
社民も立憲に首根っこを押さえつけられて、言いたいことも言えない状況では、何のために政治をやっているのか虚しくならないだろうか。。
ということで、みなさん 6月解散に備えて、体力を蓄えておきましょう。
夏の選挙は過酷ですから。
※政党要件は「前回の衆院選」か「前回または前々回の参院選」で得票率2%とればOKなので、福島瑞穂が1回おき(6年ごと)に参院選に出て2%とればずっと要件は満たせるが、それで安泰としていいのか?という問題提起として消滅の危機という表現をあえて使っている
■ガザ虐殺をやめろ
こんな発想をしてはいけないのだろうけど、イスラエルの首相官邸に隕石が落ちればいいのに と思ってしまう。
ジェノサイドを許してはいけない
#FreePalestine
#StopGazaGenocide
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