2021-09-28(Tue)
「できること」と「やらなあかんこと」 枝野幸男に政権交代は可能か
自民党の支持率が回復し、立憲は下降傾向、他の野党は支持率自体が誤差の範囲で増減不明、というのがスガ首相が辞任を表明して以降の支持率のようです。
立憲を初めとした野党陣営は、自民党総裁選をマスコミが連日取り上げるせいだ、と言いますが、本当にそれだけでしょうか。
26日に投開票され、衆院選の前哨戦と言われた旭川市長選挙では、現職の後継とされた立憲系の候補が自公系の候補に大差で敗れました。
自民、衆院選に弾み 旭川市長選、今津氏初当選 立憲、迫られる態勢立て直し
毎日新聞 2021/9/28
(立憲系の)陣営は、告示までの期間が短かった「出遅れ」が敗因と分析する。また新型コロナウイルス禍の閉塞感もあり、4期15年続いた西川市政の「刷新」を訴えた今津氏の方が、「発展的継承」を掲げた笠木氏よりも有権者にアピールしたとの見方もある。道議の一人は、今津氏が笠木氏より20歳若かったことを挙げて「政策より若さなのだろう」と語った。
(引用以上)
個別この選挙についてはまったく知らないので何とも言えないけれども、なんだかこういう総括の仕方に、勝てない理由があるような気がしてなりません。
勝つための弾を込める気があったのか、ということです。
選挙は、どっちの弾が有権者のハートを射抜けるのか という戦いです。
その言葉、行動、決意、覚悟が、有権者の希望と信頼に届くのかどうか です。
例えば、ゼネコンが丸ごと集票マシーンになって当選する議員だって、その業界にカネを落とし、末端の社員にもそれなりに生活の糧を届けるという希望と信頼に応えるからこそ、当選するのです。
倫理的にどうこうは兎も角、希望と信頼に応えない議員は、決して勝つことはできません。
例外的に、大きな敵失があった場合は、消去法で反対陣営が勝つこともあります。
スガ首相になってからの選挙は、かなりそういう傾向が大きかったと言えます。
スガ辞任の決定打となった横浜市長選挙など、立憲系候補はスキャンダルまみれにもかかわらず、現職大臣だったスガ系候補を大差で破りました。
これは、野党が勝ったのではなく、自民党内のスガおろしだったとみるべきでしょう。
多くの自民党員にしてみれば、肉を切らせて骨を断つじゃないですが、横浜市長はとられたおかげで党の支持率が爆上がりしてるのですから、万々歳です。
その成果が、旭川市長選挙だったわけです。
■
利権も含めて、希望と信頼に応えられるか、が勝敗の決め手だとすると、やはり現職や政権党は圧倒的に有利です。
なんだかんだ言っても、実績があるのですから。
それに比べて、野党はいくら良い政策を並べても、どうしても絵空事にはなってしまいます。エビデンスだ財源だと根拠を挙げたところで、目に見える実績は当然ながらないわけです。
その点、自民党は衰えたとはいえ、利権を握りしめ業界団体へのバラマキや特区を悪用したトモダチ優遇をやりまくります。
成果や実績が目に見えているし、なにせ政権党の歴史が長いので「なんとなく自民党なら安心」という宗教的な感覚まで国民の中に根強くあります。当然ながら釣られる人も多いのです。
とすると、野党が勝つためには何が必要なのか。
それは、現政権の2倍も3倍も大きな希望をぶち上げるしかないのです。
そして、それを不退転の決意で実現する。少し時間がかかっても、官僚の抵抗に手間取っても、必ず実現するという覚悟を示すしかないのです。
その決意と覚悟が信頼に足るかどうか、そこにかかっていると言っても過言ではありません。
2009年の政権交代の時は、前年のリーマンショックで混乱し落ち目になった自民党に対し、小沢民主党はすかさず「子ども手当」「農家戸別補償」「高速道路無料化」などを打ちだし、一般市民のみならず自民党の票田だった農家や産業界にまで「希望と信頼」の手を伸ばしたのです。
振り返って、今の枝野立憲はそうしたアプローチをしているでしょうか。
有権者に対して、「希望」をあたえる強いメッセージがあるでしょうか。
立憲のホームページを見ても、枝野氏のツイッターなどをウォッチしていても、何にも見当たりません。
その代わりに書いてあるのが、どう変えるのか内容も方向も不明な「変えよう。」という標語と、「#政権取ってこれをやる」という政策集らしき物だけ。
なるほど、良いことは書いてあるのだけれども、決定的に欠けているのは目玉政策が明示されていないことと、「目標値がほとんど書かれていない」ということです。
「努力します」的な話であって、「絶対に実現するから付いてきてくれ!」という迫力は皆無です。
今年2月の枝野氏の発言を見ると、彼の頭の中が理解できます。
原発をやめるのは簡単じゃない」枝野氏に聞く
2021/2/14 西日本新聞
-立憲民主党としては、カーボンニュートラルを原発を使わずに実現すべきだと。政権を取った時の道筋をどう示しますか。
「皆さん道筋を示せと言うが、道筋を示すのは無責任だと思います。つまり使用済み核燃料の話もあるし、原油価格がどうなるかも分からない。カーボンニュートラルには技術革新も必要で、何年やったらできますなんて無責任なことは言えない」
-では、野党として責任を持って言えるのは。
「方向性です。原発に依存しないでカーボンニュートラルを進めていくという方向性は言えるけど、その道筋を言うのは無責任です」
「無責任なことは言わない。それが多分、私と今までの野党のリーダーとの決定的な違いだと思います。分からないことは分からないと堂々と言う」
(略)
-40代という若さで震災対応を指揮する経験をしたのは、政治家として「強み」なのでは。「今でも昭和」とおっしゃる日本の政治をどう変えていきますか。
「強みというか、責任ですよね。もともと僕、リアリスト(現実主義者)なんですよ。官房長官になる前からリアリストだったけど、ますます徹底することになりましたね。なおかつ、あの経験をしているのは私しかいないわけなので。たぶん、生かさなければならない社会的責任があるんだろうな、と思います」
(引用以上)
要するに、枝野氏は「確実にできそうだということしか言わない。そうじゃないことを言うのは無責任だ。」と考えています。
3.11の対応を経験して、もうあのようなとんでもない重責を負うのはコリゴリなのでしょう。
できそうなことだけ言って、絶対に後で責められない安全運転をしたいのです。
「ただちに影響はない」
まさに、枝野氏を体現する言葉です。
多くの人には「影響はない。大丈夫だ」と聞こえるけれども、実は「ただちに」が付いているので、後で晩発性障害が生じても言い訳ができる。
はああ、さすが弁護士だなあ と関心した(呆れかえった)ものです、当時。
あの当時でも最大限の逃げ道を確保しながら震災対応をしていた枝野氏ですが、それでもあの時の重圧は確かに強烈だったでしょう。その意味では、もうコリゴリなのは分からなくもないです。
だったら、後進に道を譲ったらいいのです。
断言しますが、利権満載の自公に対して、「できることだけしか言いません」という野党は100年かかっても勝てません。
今、野党に求められていることは 「できること」ではなく「やらなあかんこと」「やらねば国民が生きていけない」ことを「絶対にやろう!」「みなの力で実現しよう!」と明示することです。
ウダウダ長々と政策を並べるのではなく、いくつかの重要政策をバババ~ンと打ち出すことです。
もちろん、政権を与えてもらい、段階を経ていけば実現できることでなければウソになるが、ホントにできるかどうかなんて誰も保証できるわけない。
住宅問題の解決のために月に団地を作ります、みたいな荒唐無稽な話ではなくて、物理的、論理的に可能な政策であるならば、最後は決意と覚悟と執念です。
それを最初から放棄した枝野氏に、政権交代はできない。
というか、たぶん政権交代したくない というのが枝野氏の本音でしょう。
政権とったら、またあの重圧を背負わなくてはならないのですから。
自民党が自滅しかけたのも、せっせと回復に努めているのも、指をくわえて見ている野党第一党の代表に、未来を託す気にならないのは私だけではないでしょう。
お願いですから枝野さんは一線を退いて、せめて本気で政権交代をやるきのある代表の下で選挙に臨んでいただきたい。
動きだそうとしている自動車のタイヤに、こんな部品が一個置いてあるだけで前に進みません。これはただちに影響があります。即刻取り除かなければなりません。
野田政権、安倍政権、スガ政権と痛め続けられてきた日本国民と日本経済に、残されている体力はもうあまり余裕はありません。「できることだけやりますよ~ん」と言ってる方には、一刻も早く先頭からどいてもらいたい。前に進めるために。
■家づくりの話
一転して家づくりのお話しです。
私が設計する家には、ほとんどプラスティックは使いません。
とくに、手足が触れる場所や、家の重さがかかる部材、直射日光が当たる場所などには使わないように注意しています。
それでも、コストをおさえて家の性能を上げるために、少しはプラスティック部材も使用します。
この写真の黒いのがそれです。
豊中市で建築中の家のある部分なんですが、さて、何のためにあるのでしょうか。
答えは、気が向いたら次の記事にでも書きます。
現場の見学をしながら説明を聞きたいなあ、と言う方がおられたら、どうぞサイドの連絡フォームからご連絡下さい。
ではでは
比例代表の投票先の平均
— 三春充希(はる)⭐2021衆院選情報部 (@miraisyakai) September 25, 2021
9月23~25日に実施された日経新聞・テレビ東京の世論調査を反映しました。総裁選で自民党が急騰をみせています。 pic.twitter.com/jGFZ4fvnlq
立憲を初めとした野党陣営は、自民党総裁選をマスコミが連日取り上げるせいだ、と言いますが、本当にそれだけでしょうか。
26日に投開票され、衆院選の前哨戦と言われた旭川市長選挙では、現職の後継とされた立憲系の候補が自公系の候補に大差で敗れました。
自民、衆院選に弾み 旭川市長選、今津氏初当選 立憲、迫られる態勢立て直し
毎日新聞 2021/9/28
(立憲系の)陣営は、告示までの期間が短かった「出遅れ」が敗因と分析する。また新型コロナウイルス禍の閉塞感もあり、4期15年続いた西川市政の「刷新」を訴えた今津氏の方が、「発展的継承」を掲げた笠木氏よりも有権者にアピールしたとの見方もある。道議の一人は、今津氏が笠木氏より20歳若かったことを挙げて「政策より若さなのだろう」と語った。
(引用以上)
個別この選挙についてはまったく知らないので何とも言えないけれども、なんだかこういう総括の仕方に、勝てない理由があるような気がしてなりません。
勝つための弾を込める気があったのか、ということです。
選挙は、どっちの弾が有権者のハートを射抜けるのか という戦いです。
その言葉、行動、決意、覚悟が、有権者の希望と信頼に届くのかどうか です。
例えば、ゼネコンが丸ごと集票マシーンになって当選する議員だって、その業界にカネを落とし、末端の社員にもそれなりに生活の糧を届けるという希望と信頼に応えるからこそ、当選するのです。
倫理的にどうこうは兎も角、希望と信頼に応えない議員は、決して勝つことはできません。
例外的に、大きな敵失があった場合は、消去法で反対陣営が勝つこともあります。
スガ首相になってからの選挙は、かなりそういう傾向が大きかったと言えます。
スガ辞任の決定打となった横浜市長選挙など、立憲系候補はスキャンダルまみれにもかかわらず、現職大臣だったスガ系候補を大差で破りました。
これは、野党が勝ったのではなく、自民党内のスガおろしだったとみるべきでしょう。
多くの自民党員にしてみれば、肉を切らせて骨を断つじゃないですが、横浜市長はとられたおかげで党の支持率が爆上がりしてるのですから、万々歳です。
その成果が、旭川市長選挙だったわけです。
■
利権も含めて、希望と信頼に応えられるか、が勝敗の決め手だとすると、やはり現職や政権党は圧倒的に有利です。
なんだかんだ言っても、実績があるのですから。
それに比べて、野党はいくら良い政策を並べても、どうしても絵空事にはなってしまいます。エビデンスだ財源だと根拠を挙げたところで、目に見える実績は当然ながらないわけです。
その点、自民党は衰えたとはいえ、利権を握りしめ業界団体へのバラマキや特区を悪用したトモダチ優遇をやりまくります。
成果や実績が目に見えているし、なにせ政権党の歴史が長いので「なんとなく自民党なら安心」という宗教的な感覚まで国民の中に根強くあります。当然ながら釣られる人も多いのです。
とすると、野党が勝つためには何が必要なのか。
それは、現政権の2倍も3倍も大きな希望をぶち上げるしかないのです。
そして、それを不退転の決意で実現する。少し時間がかかっても、官僚の抵抗に手間取っても、必ず実現するという覚悟を示すしかないのです。
その決意と覚悟が信頼に足るかどうか、そこにかかっていると言っても過言ではありません。
2009年の政権交代の時は、前年のリーマンショックで混乱し落ち目になった自民党に対し、小沢民主党はすかさず「子ども手当」「農家戸別補償」「高速道路無料化」などを打ちだし、一般市民のみならず自民党の票田だった農家や産業界にまで「希望と信頼」の手を伸ばしたのです。
振り返って、今の枝野立憲はそうしたアプローチをしているでしょうか。
有権者に対して、「希望」をあたえる強いメッセージがあるでしょうか。
立憲のホームページを見ても、枝野氏のツイッターなどをウォッチしていても、何にも見当たりません。
その代わりに書いてあるのが、どう変えるのか内容も方向も不明な「変えよう。」という標語と、「#政権取ってこれをやる」という政策集らしき物だけ。
なるほど、良いことは書いてあるのだけれども、決定的に欠けているのは目玉政策が明示されていないことと、「目標値がほとんど書かれていない」ということです。
「努力します」的な話であって、「絶対に実現するから付いてきてくれ!」という迫力は皆無です。
今年2月の枝野氏の発言を見ると、彼の頭の中が理解できます。
原発をやめるのは簡単じゃない」枝野氏に聞く
2021/2/14 西日本新聞
-立憲民主党としては、カーボンニュートラルを原発を使わずに実現すべきだと。政権を取った時の道筋をどう示しますか。
「皆さん道筋を示せと言うが、道筋を示すのは無責任だと思います。つまり使用済み核燃料の話もあるし、原油価格がどうなるかも分からない。カーボンニュートラルには技術革新も必要で、何年やったらできますなんて無責任なことは言えない」
-では、野党として責任を持って言えるのは。
「方向性です。原発に依存しないでカーボンニュートラルを進めていくという方向性は言えるけど、その道筋を言うのは無責任です」
「無責任なことは言わない。それが多分、私と今までの野党のリーダーとの決定的な違いだと思います。分からないことは分からないと堂々と言う」
(略)
-40代という若さで震災対応を指揮する経験をしたのは、政治家として「強み」なのでは。「今でも昭和」とおっしゃる日本の政治をどう変えていきますか。
「強みというか、責任ですよね。もともと僕、リアリスト(現実主義者)なんですよ。官房長官になる前からリアリストだったけど、ますます徹底することになりましたね。なおかつ、あの経験をしているのは私しかいないわけなので。たぶん、生かさなければならない社会的責任があるんだろうな、と思います」
(引用以上)
要するに、枝野氏は「確実にできそうだということしか言わない。そうじゃないことを言うのは無責任だ。」と考えています。
3.11の対応を経験して、もうあのようなとんでもない重責を負うのはコリゴリなのでしょう。
できそうなことだけ言って、絶対に後で責められない安全運転をしたいのです。
「ただちに影響はない」
まさに、枝野氏を体現する言葉です。
多くの人には「影響はない。大丈夫だ」と聞こえるけれども、実は「ただちに」が付いているので、後で晩発性障害が生じても言い訳ができる。
はああ、さすが弁護士だなあ と関心した(呆れかえった)ものです、当時。
あの当時でも最大限の逃げ道を確保しながら震災対応をしていた枝野氏ですが、それでもあの時の重圧は確かに強烈だったでしょう。その意味では、もうコリゴリなのは分からなくもないです。
だったら、後進に道を譲ったらいいのです。
断言しますが、利権満載の自公に対して、「できることだけしか言いません」という野党は100年かかっても勝てません。
今、野党に求められていることは 「できること」ではなく「やらなあかんこと」「やらねば国民が生きていけない」ことを「絶対にやろう!」「みなの力で実現しよう!」と明示することです。
ウダウダ長々と政策を並べるのではなく、いくつかの重要政策をバババ~ンと打ち出すことです。
もちろん、政権を与えてもらい、段階を経ていけば実現できることでなければウソになるが、ホントにできるかどうかなんて誰も保証できるわけない。
住宅問題の解決のために月に団地を作ります、みたいな荒唐無稽な話ではなくて、物理的、論理的に可能な政策であるならば、最後は決意と覚悟と執念です。
それを最初から放棄した枝野氏に、政権交代はできない。
というか、たぶん政権交代したくない というのが枝野氏の本音でしょう。
政権とったら、またあの重圧を背負わなくてはならないのですから。
自民党が自滅しかけたのも、せっせと回復に努めているのも、指をくわえて見ている野党第一党の代表に、未来を託す気にならないのは私だけではないでしょう。
お願いですから枝野さんは一線を退いて、せめて本気で政権交代をやるきのある代表の下で選挙に臨んでいただきたい。
動きだそうとしている自動車のタイヤに、こんな部品が一個置いてあるだけで前に進みません。これはただちに影響があります。即刻取り除かなければなりません。
野田政権、安倍政権、スガ政権と痛め続けられてきた日本国民と日本経済に、残されている体力はもうあまり余裕はありません。「できることだけやりますよ~ん」と言ってる方には、一刻も早く先頭からどいてもらいたい。前に進めるために。
■家づくりの話
一転して家づくりのお話しです。
私が設計する家には、ほとんどプラスティックは使いません。
とくに、手足が触れる場所や、家の重さがかかる部材、直射日光が当たる場所などには使わないように注意しています。
それでも、コストをおさえて家の性能を上げるために、少しはプラスティック部材も使用します。
この写真の黒いのがそれです。
豊中市で建築中の家のある部分なんですが、さて、何のためにあるのでしょうか。
答えは、気が向いたら次の記事にでも書きます。
現場の見学をしながら説明を聞きたいなあ、と言う方がおられたら、どうぞサイドの連絡フォームからご連絡下さい。
ではでは
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