マクロスフロンティア第10話「レジェンド・オブ・ゼロ」感想
第8話、
第9話とは雰囲気が一転し、マクロスゼロ映画化のお話。ランカ伝説の始まりでもあります。ダブルキスや豊かな自然描写や綺麗な河森総監督登場もあり、すごく面白く感じる。細かい伏線とネタバレがものすごく多い回でもありました。
それと、ランカ役の中島愛さんの演技が急に変わった印象。明らかに上手くなってる。ラストの
「やっぱりシンは、鳥の人ね」という台詞は、別人かと思った。
『娘フロ。』のCMも可愛いし、マクロスゼロBDのCMもきっちり入れてきましたね。
マクロスゼロのごく簡単な解説と、ゼロ劇中劇
マクロスゼロを見ていない人も結構いると思うので、ごく簡単に。ゼロの物語やマヤンの伝承はマクロスFとつながる部分が多いので、見た方がより深く楽しめます。
西暦2008年のマヤン島(雰囲気は東南アジアあたりの南の島)が舞台。人類創生の秘密とプロトカルチャーの関わり、異星人の遺物『鳥の人』を巡る統合軍と反統合勢力の戦い、自然と文明の対比、サラ&マオ姉妹とシンの三角関係などが描かれます。
- 工藤シン……18歳。統合軍パイロット。敵に撃墜されマヤン島にたどり着き、サラ&マオ姉妹や鳥の人と関わっていく事に。
- サラ・ノーム……16歳。マヤン島の巫女の家系。マオの姉。マヤンの伝統を維持する立場。
- マオ・ノーム……11歳。マヤン島の巫女の家系。サラの妹。都会に憧れている。
マクロスゼロを見た上で今回の話を見れば、ランカが水中でアルトに話した言葉をより実感しやすいし、映画ラストのボロボロのVF-0&マオが歌い
「やっぱりシンは、鳥の人ね」と言ったあたりもどういうシーンなのか理解出来るかと。
オズマの台詞も合わせて考えると、マオが第一次星間戦争(初代マクロスの戦い)を生き延びて「シン・クドウの伝記」を記したと思われます。ゼロから51年経っているので、シンやアリエスが残した機密文書が公開された可能性も。
マクロスゼロと、映画「バードヒューマン」。
バードヒューマンはマクロスゼロとは微妙に違うけど、アングルが同じだったり映像を使いまわした部分もあり、基本は同じのようです。
戦闘シーンも含めて作画全般
ヒュドラとの戦闘は、妙に浮いてたけど動きはすごかった。背景が動画だったし。
でも、こういう表現方法は本当、どうなんだろう。また、ラクガキだ手抜きだ言う人がいるようだし。同じ手間をかけるなら、背景を綺麗な止め絵にしてキャラ大写しで素早く動かせば、絶賛されたんでは…。
- 単に河森総監督あたりの好み(方針)
- アニメーターの技術向上・維持
- すぐに作画崩壊言う人は、実は声が大きいだけで少数派。今回の戦闘シーンみたいな描き方だと売上が伸びる
というあたり? 実際、見た人の心に「ひっかかり」が出来るだろうし。
あと、今回のシェリルを見て思ったけど、キャラデザやキャラ設定はやっぱりその筋の人を爆釣りしにくいと思う。何だかもったいない。
ドクター・マオ
オズマ「因縁…か。お前がドクター・マオの役をやる事になるなんてな」
このオズマの思わせぶりな一言で、ランカとマオ・ノームの関わりが示されています。
ただ、血のつながりで言えば、「親がいない」「ノーム姓」「血液型:α(サラやマオと同系統?)」というシェリルの方も怪しい。
レオン・三島とグレイスの裏取引
レオンと会っていた男は、グレイスでほぼ間違いなさそう。マヤン島のセットにグレイスが来ていないし。
今回は明らかになった事、新たな伏線が多数。
- レオンは、グレイスからVF-27とバジュラのデータ+シェリルのイヤリングと同種の石(?)を受け取った。
- グレイスは、バルキリーとバジュラのデータを渡す見返りとして、石に対して何かをしてほしいらしい。(08/09/30追記:これは結局最後まで今ひとつわかりませんでした。この石(フォールドクォーツ)を収集してくれという意味だった?)
- グレイスは複数の義体を持っているらしい。
- 船団内のエデン原産の生物ヒュドラが暴れたのは、バジュラと関係があるらしい。
- バジュラには「本当の恐ろしさ」がある。「V型感染症」と呼ばれるものとは別と思われる。(08/09/30追記:V型感染症の発症の事でよかったようです)
ちなみにここでのデータの受け渡し、ホログラフィーをパスしているように見えます。凝ってるなぁ。
ブレラはサイボーグ?
まだまだ謎は多いけど、少なくとも生身じゃないですね。
- 反応速度から見て、(ブレラの乗るVF-27は)無人機ではありえない
- しかし、EX-ギアを使っても運動性能と出力に生身の人間は耐えられない
- 腕が機械
- ランカに対するブレラの行動は、命令ではなくブレラの独断らしい
- どうやら記憶を失っているらしい
やっぱり、ランカの兄さん?
ダブルキスと、争いのカドゥン
シェリルは、ランカやアルトの言動に何かを感じる。
シェリルとアルトのキスを見て、ランカは決意する。
シェリルは「ランカがアルトを好き」な事に気づいた様子。
シェリルとアルトのキスを見たランカは、マオの思いを「頭で考える」のではなく「感じる」事が出来たと思われます。
ところで、アルトのキスに対する反応は、シェリルとランカで結構違う気が。そもそも、シェリルとの関係は友だち(というか下僕?)に近く、ランカに対してはそっけなくもどこか優しげに思える。考えてみれば、
第3話の後半あたりもそうだったかな…単にまだ距離感があるだけかな。
綺麗な河森総監督
ジョージ山森監督「昨日までの君は何者でもなかった。伝説は今、ここから始まる!」
第9話でランカが配っていた
ティッシュプロモーションディスクを何気なく取ったヒゲのおじさん、実は映画監督だったんですねぇ。Cパートの決め台詞が妙にカッコいい。というか、どう見てもヒゲ伸ばした河森総監督です。
本編前半
シン・工藤の伝記を元に映画『バードヒューマン(BIRD HUMAN/鳥の人)』が制作される事に。ランカは端役で参加する。アルトは父親の言葉でアドバイス。
アルト「思わざれば花なり。思えば花ならざりき」
「考えず、ただひたすらに感じて、その役になりきれって事」。アルトがランカに伝えたこの言葉は、後のマオ演技につながっています。
しかしアルトは、シェリルの下僕みたいになっていますね。いつの間にかランカは完全に引き離されてる。
ランカ、ロケ地へ。
スタッフがサラの「風の歌」がイメージに合わないともめている。
山森監督やスタッフは「桜姫東文章」でアルトが演じた桜姫のファンだった。
ランカは、アルトが歌舞伎の家の跡取りだと初めて知る。
アルトはSMSのメンバーとは別行動で、ほとんどシェリルの付き人状態。
さらに、シェリルやルカが知っているアルトの過去を、ランカは知らなかった。ここまでランカが出遅れてると、逆に「最後はランカとアルトがくっつくんじゃ?」と思えてしまう。
歌うランカを山森監督が見て、ひらめく。
ジョージ山森監督って、もしかすると外見だけじゃなくて行動もあの人に似てるのでは…。
本編後半
アイキャッチはVF-0D。マクロスゼロでアリエスがマヤン島に来たシーンそのまんまです。
女装での出演は断ったが、水中撮影のスタントを引き受けたアルト。
しかしシーン47はマオ役とのキスシーンだった。
シェリルが嫉妬のカドゥンに取り付かれつつある、ように見える。
凶暴化したヒュドラとの戦い。ブレラ・スターンが助けに来るが、ランカは記憶をなくし、アルトが助けてくれたと思い込む。
第9話でも思ったけど、アルトってケンカが弱そう。ブレラは、戦闘機に乗ってる時と性格違ってる気がする。
ランカがマオ役に大抜擢。さらにランカの歌をメインテーマに使う事に。ランカとキスする事になると気づき、動揺するアルト。
姉(サラ)が好きになった人を自分も好きになり、キスまでしたマオの事がよくわからない、と悩むランカ。
その時、シェリルがアルトにキスをする。ランカは、マオ役を引き受ける事を決意。
このシーン、音楽や雰囲気がすごくいい。ここでシェリルが変に照れなきゃほぼ決まりだったんだろうけど…。ランカにも風が来たようです。
シーン47の撮影。
シン(アルト)とマオ(ランカ)は、マオのとっておきの場所へ潜る。そこには鳥の人の頭部があった。動く事に驚いたシンは溺れかける。
マオ「シン、お姉ちゃんの事を好きなの? あたしを見て、あたしだってあなたのことを」
マオはシンに水中で口移しで空気を渡す。
シェリルとアルトのキスを見て、ランカもようやくマオの気持ちを感じたようです。
エンディングは『娘フロ。』に収録されている「アイモ~鳥のひと」をランカが歌いつつ、映画風に。「本編で音楽が流れ、その音楽のままエンディングに入る」というのは、評価高いですね。
Cパート。ランカは
第4話のミス・マクロスの時と違い、つまずく事なくしっかり歩く。
次回予告「ミッシング・バースデー」
6/12(関東は6/13)は、サッカーで放送休止。
第11話放送日は6/19(関東は6/20)です。
スターダムに上っていくランカ。当然ながら、友だちと過ごせる時間がなくなっていきます。
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