アニメ公式サイトの更新が止まる時
人気が今ひとつだったアニメの公式サイトは、早い段階で更新停止する事がしばしばあります。早ければ本放送中に怪しくなる。もちろん、更新し続けるサイトも沢山ありますが。
あんまり記事に書くような事じゃないだろうけど、アニメ作品の行く末を実感しやすい例なので、一部を紹介。
仕方ない。けど…
大人気アニメでも、放送終了後は公式が急速にさびれます。
まして、人気が微妙だった場合…
- 見に来る人は少なく販促効果もほとんどない。更新作業はリソースの無駄遣いだしモチベーションも上がらない
- 今後の宣伝は、販売店・CM・広告・ニュース系サイトなどで十分
- 次の作品で忙しい
というのはわかる。
でも、数は少なくても、その作品を気に入って最後までついていこうとしてるファンはいるわけで。
公式サイトの運営管理を主に誰がするかは不明だけど、公式が早々に更新されなくなったアニメのプロデューサーが次の作品をどんなにほめても、「ダメだったらまた捨てるの?」と思う事はあります。
いや、アニメは商品だし、そのぐらいの身軽さがないとまずいんですが。
DVD最終巻の発売日前に更新が止まったサイト(09/9/7時点)
(9/8 明日のよいち追加)
(9/9 もっけに重大なミスがあったので修正)
深夜アニメの投資回収の8割を占めるとも言われる、映像ソフト。
ほとんどのアニメファンが新作に興味を移し旧作なんて忘れてる中、きわめて熱心なファンは黙々とDVD/BDを買い続けている。
それを最後まで見届ける事なく更新をやめた、アニメ公式サイトのいくつか。
…この一覧の中に
宙のまにまにが入りませんように。
2007年
風のスティグマ
DVD全12巻。全巻コンプリートの遠い道に、作り手すらついていけなかったらしい。
原作者の山門敬弘さんが亡くなられた事ぐらい、告知してもいいと思うけどなぁ…。
この青空に約束をー ~ようこそつぐみ寮へ~
制作スケジュールに相当無理があったとの噂。
作画は本当の意味で崩壊しかけで、「短距離テレポート」「ロボット歩き」「ミニカーのように軽快な動きの車」「映像的には足踏みだが状況的には走って逃げてる」…といったものが見られました。ただ、正ヒロインの海己パートは綺麗で、OPは途中からすごく動きがよくなるなど、制作の意地も見られました。
サイトは最初から力を入れておらず、最終話放送終了直後に沈黙。
各ヒロインに2話が割り振られ、ヒロインが変わるごとに時間が戻ってたけど、実は各話のシーンをばらばらにして時系列に並べなおすと一続きの物語になっていました。
自分は最後まで楽しんで見たんだけど、ものすごい空気アニメに。
ななついろ★ドロップス
http://www.nanatsuiro.com/
灼眼のシャナや涼宮ハルヒの憂鬱で急激に知名度が上がっていた、いとうのいぢ絵。
ロンドローブ2007で第1話を流すなど宣伝に力を入れたものの、序盤が大不評。業務ブログは放送中に停止し、DVD最終巻の告知はなく、リンクも古いまま。
ヒロインの幼さを強調しすぎ&大御所の島田満さんに脚本とシリーズ構成をまかせて子供向け魔法少女物みたいにした結果、
- 序盤の怖いぐらいの叩きと急激な空気化
- 4話のような脚本ミス
につながった気が。中盤以降は好評だったけど、時すでに遅し。
最近は知らないけど、当時のジェネオン/ショウゲート作品は、DVDのジャケ絵公開&差し替えも他に比べて遅めだった記憶があります。買収や合併もむべなるかな。
(2010/03/28追記:久しぶりに見に行ったら、ドメインを捨てて公式サイトを閉鎖してました。現在、ドメインは韓国の個人に押さえられているようです)
シグルイ
放送制限もあって、話題性が出ず。
「抽選で50名にTシャツプレゼント企画」の条件がきつく(ブログを持っててシグルイ応援記事を書く必要があった)応募者が50人未満だったあたりから、雲行きが怪しくなった気が。
もっけ
(※うっかり、「最後まで更新」の方に入れてました。大変申し訳ありません)
DVD全9巻。5巻紹介で力尽きた。
序盤を見て「これはまずい」と思ってたら案の定、商業的にはきわめて残念な結果に。何で2クールにしたんだろう。蟲師が大当たりしたから? 妖怪物は案外需要があるし(夏目友人帳はヒットしましたね)。
これを見た頃から、
キャラデザの重要性を痛感。
しおんの王
http://www.shion-oh.com/
公式サイトそのものが閉鎖。移転したかもしれないけどわからない。
アフタヌーン(講談社)は、アニメ化への態度がぞんざいでは。「売ってみせる」じゃなく「売れればいいな」みたいに見える。
ご愁傷さま二ノ宮くん
DVD最終巻の少し前に更新停止。
面白かったけど…ケメコデラックス同様、
ドタバタギャグは今の流行じゃないらしい。
アニメNewTypeチャンネル内の公式サイトはMovable Typeで作られる事が多いです。でも、スティグマや二ノ宮くんサイトのバージョン3だとブログみたいになり、見づらい。
そらのおとしものや
生徒会の一存など新作アニメのサイトはバージョン4で作られていてブログっぽさが薄れてるけど、旧作アニメのサイトがバージョンアップされる事はなく…。
2008年
我が家のお稲荷さま。
Movable Type3で作ってるけど、かなりカスタマイズ。
DVD全12巻のデスマーチ仕様+序盤で微妙につかみがうまくいかなかったようで、評価は高かったものの話題性は今ひとつ伸びず。
各話紹介は途中で中止。DVD紹介は8巻で力尽きてる。集めるのに1年かかる作品は、作り手すらついていけないらしい。
二十面相の娘
Flashを駆使して凝ったサイトを作った時点で、全力を出し切った感。公式として機能してない。
(9/8追記)DVD最終巻発売日まで、更新を続けてたかも。ただ、読み込みに異常に時間がかかる・相当数の項目が表示されないので、詳細は不明。
Flash使いすぎると重くなるしメンテに手間がかかるから、ほどほどにした方がよいのでは…。
無限の住人
もっけ、しおんの王、宙のまにまにと並び、講談社が売り込みをかけなかった印象(※自分の目に留まらなかっただけで、実はかなりプッシュしてたのかも)。
ヴィンランド・サガを仮にアニメ化しても、同じようになりそう。
1つの作品が物語を積み上げアニメ化に至るには少なくとも数年かかるし、1クール物でも2億円ぐらい集めるようだし、知名度アップの最大の機会だから、講談社は自社作品をもう少し大事にした方がいいんじゃ…。
2009年
明日のよいち!
何と放送終了直後に放棄されてた (´;ω;`)ウッ
見切り早すぎだろ…。ラジオまだやってるのに。
放送を3ヶ月遅らせたせいか絵は安定。物語もうまく再構成し、面白い。
でも、クオリティに比べて、話題性や売上が驚くほど低かったのは確か。TBSのせいか、萌え要素の大半が封印されたのは痛かったけど…それだけじゃ説明がつかない。
これを見た頃から、「
古さを感じさせる萌えアニメは、相当不利じゃ?」と思い始めました。不評というより、最初から見てない人が明らかに多かったので。
作者のみなもと悠さんは、黒執事の枢やなさん、PandoraHeartsの望月淳さんと同期で萌え漫画をよく知らなかったらしく、よいち序盤は編集が考えたっぽい「らんま1/2風ハーレム漫画のプロット」をなぞったような展開。アニメ化されてない文化祭あたりから、独自性が出てきたんですが…。
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