映画と音楽
Amazon musicを探索していて、見つけたのでディズニー作品も聴いてみた。私はディスニーファンというわけではないのだけれど、ジブリの音楽(「ルージュの伝言」など)を聴いたから、ディズニー作品も聴いてみようと思ったわけ。
試聴したのはあまりに有名な"Let it go"である。
Amazon musicでは、イディナ・メンゼル、松たか子、メイ・Jが歌うものが、いずれもultra HDで配信されている。
"Let it go"は、周知のとおり、"Frozen"(アナと雪の女王)の中でも中盤の高調したシーンで歌われる曲で、TVでアニメを見ていると、伸びやかで力強い歌唱は、この映画全体の中でもトップの聴きどころである。当然、そういう感興を期待して聴くわけだ。
ところがである。YouTubeなどでも流されて、松たか子の歌がイイなどと好評の歌唱なのだけれど、じっくりと音楽だけを聴くと、意外にも映像付きで聴くときと比べて、なんだかものたりない感じがした。
イディナ・メンゼルは、さすがにたっぷりと歌うし、メイ・Jもやや弱いがよく歌っていると思う。
だけれど、どれも物足りないのである。
よく映画音楽は、映画の感興を形成する非常に重要な要素であるとされ、たとえば「ジョーズ」を音楽抜きで見たら、怖さはかなり削がれる。
だが、"Let it go"では、アニメーションのできの良さにひっぱられてか、歌まで素晴らしく聞えるという感じなのかもしれない。
その点、同じようなサウンドトラックでも、ミュージカル映画の場合はそういう感じにはならないように思う。
"Sound of Music"しかり、"My Fair Lady"しかり。音楽が音楽だけですっくと出来上がっている。
なお誤解がないように言い添えると、"Let it go"も音楽として弱いわけではない。映像抜きで音楽だけを取り出すと、演奏が弱く感じたということである。
私はディズニー作品はミュージカルだと思っているのだが、舞台派生のミュージカルと、はじめからフィルムで作るものとは、音楽の作りが違うのかもしれない。
ただもともと絶対音楽だったものに、映像を加えることは、音楽に解釈を与えることになる場合もあるだろう。それが気持ち良いこともあれば、違うだろうということもあるだろう。
絶対音楽ではなく、オペラでは、音楽の変更はしないけれど、演出家がかなり自由に舞台を作る。元の劇と時代や場所を変えて上演することも珍しくない。
映画(演劇)と音楽、この関係は、まだまだいろいろあると思う。あまり舞台も映画も見ない私が、たまたま見た(というかブルーレイを持っている)「アナと雪の女王」で感じたことを書いただけだから、随分的外れなことを言っているかもしれない。
それにしても、このようにたくさんの演奏を簡単に比較して聴けるのは、音楽配信サービスならではのことだ。ちょっとAmazon music unlimited 有料契約に気持ちが傾いている。
試聴したのはあまりに有名な"Let it go"である。
Amazon musicでは、イディナ・メンゼル、松たか子、メイ・Jが歌うものが、いずれもultra HDで配信されている。
"Let it go"は、周知のとおり、"Frozen"(アナと雪の女王)の中でも中盤の高調したシーンで歌われる曲で、TVでアニメを見ていると、伸びやかで力強い歌唱は、この映画全体の中でもトップの聴きどころである。当然、そういう感興を期待して聴くわけだ。
ところがである。YouTubeなどでも流されて、松たか子の歌がイイなどと好評の歌唱なのだけれど、じっくりと音楽だけを聴くと、意外にも映像付きで聴くときと比べて、なんだかものたりない感じがした。
イディナ・メンゼルは、さすがにたっぷりと歌うし、メイ・Jもやや弱いがよく歌っていると思う。
だけれど、どれも物足りないのである。
タブレットなどで聴くとそうでもない。大型のオーディオセットで聴くとである。テレビなどで聴くとどちらかといえば、透明感があるけれど、ちゃんとしたオーディセットだと、生々しくて、この3人ともだが、息遣いがはっきりと聴きとれる。
よく映画音楽は、映画の感興を形成する非常に重要な要素であるとされ、たとえば「ジョーズ」を音楽抜きで見たら、怖さはかなり削がれる。
だが、"Let it go"では、アニメーションのできの良さにひっぱられてか、歌まで素晴らしく聞えるという感じなのかもしれない。
その点、同じようなサウンドトラックでも、ミュージカル映画の場合はそういう感じにはならないように思う。
"Sound of Music"しかり、"My Fair Lady"しかり。音楽が音楽だけですっくと出来上がっている。
なお誤解がないように言い添えると、"Let it go"も音楽として弱いわけではない。映像抜きで音楽だけを取り出すと、演奏が弱く感じたということである。
私はディズニー作品はミュージカルだと思っているのだが、舞台派生のミュージカルと、はじめからフィルムで作るものとは、音楽の作りが違うのかもしれない。
ただもともと絶対音楽だったものに、映像を加えることは、音楽に解釈を与えることになる場合もあるだろう。それが気持ち良いこともあれば、違うだろうということもあるだろう。
絶対音楽ではなく、オペラでは、音楽の変更はしないけれど、演出家がかなり自由に舞台を作る。元の劇と時代や場所を変えて上演することも珍しくない。
これでわかることは、オペラでは、音楽が一番えらい、ということだと思う。ただ楽譜や記録が混乱して、元も楽曲の順序がわからなくなっているということもある。以前、「フィガロ」が新しい演出と曲順で上演されたことがある。また、「魔笛」では、より自然なストーリーにするために、ベルイマンの映画では順序が通常とは違っている。
映画(演劇)と音楽、この関係は、まだまだいろいろあると思う。あまり舞台も映画も見ない私が、たまたま見た(というかブルーレイを持っている)「アナと雪の女王」で感じたことを書いただけだから、随分的外れなことを言っているかもしれない。
それにしても、このようにたくさんの演奏を簡単に比較して聴けるのは、音楽配信サービスならではのことだ。ちょっとAmazon music unlimited 有料契約に気持ちが傾いている。