私がテーマ型ボードゲーム会を推す5個の理由
- 2016/07/04
- 06:32
だいぶ経ってしまいましたが、しのさん主催の「大賞受賞作ボードゲーム会」に参加してきました。とても楽しい素晴らしい会でした。
1.ルールの予習が容易である
全然知らないゲームについてその場でインストを受けてプレイするというのは、私のような初級者にとってやはり負担です。その点、プレイするゲームが絞られているテーマ型ボードゲーム会では、気になるゲームのルールブックを予習したり、ルールの詳細とまではいかなくてもどんな感じのゲームなのかということをあらかじめ調べておくことが容易になります。ルールをきちんと把握できた状態でゲームできる、もしくは、ゲームのイメージが何となく分かっている状態でインストを受けられる、というのがいかにゲームを楽しむための障壁を低くするかは言うまでも無いことかと思います。
2.集まるプレイヤーの傾向が似る
プレイヤー同士の相性というのは、マルチプレイヤーズゲームのゲームセッションであるなら避けて通れない問題です。特に縛りの無いのゲーム会だと、日時、場所、主催者(もしくは主催者以下当該情報の発信者全員)くらいしか集まるプレイヤーの傾向を決める要素はありません※。これでは、ラブレターや6ニムトやゲシェンクなどの軽いゲームばかりがプレイされているゲーム会に行って「俺はディセントがやりたかったのに…」というようなミスマッチが生まれてもおかしくはありませんよね。対して、テーマによってプレイするゲームが絞られたゲーム会ですと、このような悲劇は回避できるわけです。
また、例えば今回の「大賞受賞作ボードゲーム会」だと、「ドミニオンだけずっとプレイしていたい」みたいな人では無く、「昔のゲームも見てみたい、プレイしてみたい」という意識の人が集まるわけですが、このように、どんな意識でゲームを楽しもうかという点で似た傾向のプレイヤーが集まる、というのも重要な点です。こうしたプレイヤー間での意識の類似性によって、いわゆるガチ勢vsエンジョイ勢の対立みたいなところもいくらか緩和されるだろうと思われます。
※ 土日に開催するゲーム会なら土日休みの人になるでしょうし、開催場所からあまりにも遠い人は基本的に参加しないでしょうし、当該ゲーム会の情報発信者を全く知らない人は当のゲーム会に参加しようとはあまり思わないだろう、という点でプレイヤーの傾向が絞られるという意味です。
3.あまり注目されていなかったタイトルが発掘される可能性が生まれる
単に「面白いゲームを遊びたい」と言うと、その時の流行やコミュニティの傾向から、ある程度タイトルが狭められ、固定化してしまう可能性が高いと思います。それなりの数のゲームをプレイしてきた各コミュニティの経験からそれらのお薦めタイトルは定まっているはずで、多分それはある程度最適化されたものなはずです。そんな中で、何らかのテーマに沿ったゲームをある意味無理矢理遊ぶことになれば、必ず定番お薦めから外れたタイトルも選択されることになります。もちろん、そうして選ばれたタイトルがつまらなかった、失敗した、となる可能性はあります。ありますと言うかむしろそうなる可能性の方が高いかもしれません。しかし一方で、今まで全く眼中にも無かったタイトルが予想外に面白かった、ということも起こりえると思うんですね。ある程度固定されたメンバーで遊んでいると、購入するゲームタイトルの選び方にも傾向性が出てきて、そもそも購入の検討にも上らないような種類のゲームができてしまっていてもおかしくありません。テーマを設けて今まで遊ばなかったようなタイトルも無理矢理遊んでみる、ということになれば、そのような固定化したお薦めゲーム群の範囲外にあるゲームに触れ、その面白さに気付くきっかけとなる可能性があるのではないか、と思うわけなのです。
4.普段とは異なった視点でゲームの感想を持てる
特に何のテーマも無いゲーム会では、「一緒にボードゲームで遊ぶ」ということだけがテーマとなっていると考えることができるかと思います。そのような会で、同卓した人と感想を言い合うとすればそれは(厳密に、会の外側の話題を持ち込まないのであれば)、その会でプレイした特定のタイトルのボードゲームについてか、そうでなければボードゲームという様式そのものについて、ということになると思います。一方、何らかテーマを設けられたゲーム会では、直前にプレイしたタイトルのテーマ内での位置付けとか、テーマそのものについてなどといった、テーマが無ければ普通は考えないような方向性でゲームの感想を持つことが可能となります。例えば、「大賞受賞作ボードゲーム会」であれば、1980年代の大賞ゲームと2010年代の大賞ゲームとの違いだとか、ゲーム賞の意義だとかいうものですね。
5.普段とは異なった面白さを見出す可能性が生まれる
これは、3.と4.の合わせ技みたいなものですが。
普通のゲーム会では、誰かが何らかの理由(これは面白いらしいから、これは新しいメカニクスを用いたゲームらしいから、これは笑える馬鹿ゲーだから等々)でプレイを望んだゲームタイトルをプレイします。その場合、当然、同卓するプレイヤーは当のゲームをそのように楽しもうとする心構え(どんな風に面白いゲームなのか、どんなメカニクスでどんな動き方をするゲームなのか、どんな風に笑えるゲームなのか)を持つはずです。しかし、テーマ型ボードゲーム会で持ち出されるゲームはテーマに沿ったゲームだから選ばれるのであって、普段、ゲームタイトルを選択しそれを楽しむ心構えを持つときとは全く異なった過程を経ることになります。楽しむ心構え、つまり、楽しみ方に普段とは別なバイアスがかかるわけですね。例えば、馬鹿ゲーと評されるゲームも、そのような前提を全く持たずにプレイしたならば、もしかしたら勝つための合理的な手をキチキチと考えていくところに面白さが見出されるかもしれません。このように、あるゲームを選択する理由やそれをプレイする際の心構え等について、テーマという普段とは違う理由、違う心構えを持ってプレイすると、普段のゲーム会でそのタイトルをプレイする時とは異なった面白さを見出すことができるようになるのではないか、と思います。
EX.私がリプレイ派だから
相応しいテーマを設定しているテーマ型ボードゲーム会に参加すれば、以前やったことがありまたプレイしたいと思っているゲームタイトルのプレイを提案しやすい…というのも確かにありますが、皆さんそこら辺はあまり勘ぐらないようにしましょう。出禁にされたりテーマ型ボードゲーム会が廃れたら嫌なので。
以上、適当なことをダラダラ述べさせて頂きましたが、最後に一点だけ注意しておきます。それは、このようなテーマ型ボードゲーム会の利点は、何の縛りも無いオープンなゲーム会が通常行われているのを前提にした利点であり、そのような普通のボードゲーム会と併存することによって初めて活かされる利点だということです。今現在、何かそういった特別なテーマを設けたゲーム会を開いてはいないけども、定期的にオープンなゲーム会を開いているという主催者の方もたくさんいらっしゃると思います。私の本日の記事は、そういった地道な活動をされている方を否定するものではありません。むしろ、テーマ型であろうがなかろうが全てのゲーム会主催者の方々に私は敬意を表します。私の活動もそうですが、ボードゲーム愛好者それぞれがそれぞれの立場でボードゲームを盛り上げていけたら良いですよね。では。
普通ならプレイしたゲームや、会の様子などをレポートするところなのでしょうが、遅きに失した間がありありなので、ちょっと趣向を変えて、「大賞受賞作ボードゲーム会」とか、「ボドがたり!」のような(多分、広義の)テーマ型ボードゲーム会が如何に素晴らしいものかということを少し述べさせて頂きたいと思います。6月18日に開催した「大賞受賞作ボードゲーム会」の関連ツイートをまとめました。感想を言って頂けると次回へのやる気がモリモリ出ます。ありがとうございました!https://t.co/SayGhaLGUO
— しの (@see_know) 2016年6月20日
イベント中にもお伝えしましたが、もしまとめに問題があればご連絡下さい。
1.ルールの予習が容易である
全然知らないゲームについてその場でインストを受けてプレイするというのは、私のような初級者にとってやはり負担です。その点、プレイするゲームが絞られているテーマ型ボードゲーム会では、気になるゲームのルールブックを予習したり、ルールの詳細とまではいかなくてもどんな感じのゲームなのかということをあらかじめ調べておくことが容易になります。ルールをきちんと把握できた状態でゲームできる、もしくは、ゲームのイメージが何となく分かっている状態でインストを受けられる、というのがいかにゲームを楽しむための障壁を低くするかは言うまでも無いことかと思います。
2.集まるプレイヤーの傾向が似る
プレイヤー同士の相性というのは、マルチプレイヤーズゲームのゲームセッションであるなら避けて通れない問題です。特に縛りの無いのゲーム会だと、日時、場所、主催者(もしくは主催者以下当該情報の発信者全員)くらいしか集まるプレイヤーの傾向を決める要素はありません※。これでは、ラブレターや6ニムトやゲシェンクなどの軽いゲームばかりがプレイされているゲーム会に行って「俺はディセントがやりたかったのに…」というようなミスマッチが生まれてもおかしくはありませんよね。対して、テーマによってプレイするゲームが絞られたゲーム会ですと、このような悲劇は回避できるわけです。
また、例えば今回の「大賞受賞作ボードゲーム会」だと、「ドミニオンだけずっとプレイしていたい」みたいな人では無く、「昔のゲームも見てみたい、プレイしてみたい」という意識の人が集まるわけですが、このように、どんな意識でゲームを楽しもうかという点で似た傾向のプレイヤーが集まる、というのも重要な点です。こうしたプレイヤー間での意識の類似性によって、いわゆるガチ勢vsエンジョイ勢の対立みたいなところもいくらか緩和されるだろうと思われます。
※ 土日に開催するゲーム会なら土日休みの人になるでしょうし、開催場所からあまりにも遠い人は基本的に参加しないでしょうし、当該ゲーム会の情報発信者を全く知らない人は当のゲーム会に参加しようとはあまり思わないだろう、という点でプレイヤーの傾向が絞られるという意味です。
3.あまり注目されていなかったタイトルが発掘される可能性が生まれる
単に「面白いゲームを遊びたい」と言うと、その時の流行やコミュニティの傾向から、ある程度タイトルが狭められ、固定化してしまう可能性が高いと思います。それなりの数のゲームをプレイしてきた各コミュニティの経験からそれらのお薦めタイトルは定まっているはずで、多分それはある程度最適化されたものなはずです。そんな中で、何らかのテーマに沿ったゲームをある意味無理矢理遊ぶことになれば、必ず定番お薦めから外れたタイトルも選択されることになります。もちろん、そうして選ばれたタイトルがつまらなかった、失敗した、となる可能性はあります。ありますと言うかむしろそうなる可能性の方が高いかもしれません。しかし一方で、今まで全く眼中にも無かったタイトルが予想外に面白かった、ということも起こりえると思うんですね。ある程度固定されたメンバーで遊んでいると、購入するゲームタイトルの選び方にも傾向性が出てきて、そもそも購入の検討にも上らないような種類のゲームができてしまっていてもおかしくありません。テーマを設けて今まで遊ばなかったようなタイトルも無理矢理遊んでみる、ということになれば、そのような固定化したお薦めゲーム群の範囲外にあるゲームに触れ、その面白さに気付くきっかけとなる可能性があるのではないか、と思うわけなのです。
4.普段とは異なった視点でゲームの感想を持てる
特に何のテーマも無いゲーム会では、「一緒にボードゲームで遊ぶ」ということだけがテーマとなっていると考えることができるかと思います。そのような会で、同卓した人と感想を言い合うとすればそれは(厳密に、会の外側の話題を持ち込まないのであれば)、その会でプレイした特定のタイトルのボードゲームについてか、そうでなければボードゲームという様式そのものについて、ということになると思います。一方、何らかテーマを設けられたゲーム会では、直前にプレイしたタイトルのテーマ内での位置付けとか、テーマそのものについてなどといった、テーマが無ければ普通は考えないような方向性でゲームの感想を持つことが可能となります。例えば、「大賞受賞作ボードゲーム会」であれば、1980年代の大賞ゲームと2010年代の大賞ゲームとの違いだとか、ゲーム賞の意義だとかいうものですね。
5.普段とは異なった面白さを見出す可能性が生まれる
これは、3.と4.の合わせ技みたいなものですが。
普通のゲーム会では、誰かが何らかの理由(これは面白いらしいから、これは新しいメカニクスを用いたゲームらしいから、これは笑える馬鹿ゲーだから等々)でプレイを望んだゲームタイトルをプレイします。その場合、当然、同卓するプレイヤーは当のゲームをそのように楽しもうとする心構え(どんな風に面白いゲームなのか、どんなメカニクスでどんな動き方をするゲームなのか、どんな風に笑えるゲームなのか)を持つはずです。しかし、テーマ型ボードゲーム会で持ち出されるゲームはテーマに沿ったゲームだから選ばれるのであって、普段、ゲームタイトルを選択しそれを楽しむ心構えを持つときとは全く異なった過程を経ることになります。楽しむ心構え、つまり、楽しみ方に普段とは別なバイアスがかかるわけですね。例えば、馬鹿ゲーと評されるゲームも、そのような前提を全く持たずにプレイしたならば、もしかしたら勝つための合理的な手をキチキチと考えていくところに面白さが見出されるかもしれません。このように、あるゲームを選択する理由やそれをプレイする際の心構え等について、テーマという普段とは違う理由、違う心構えを持ってプレイすると、普段のゲーム会でそのタイトルをプレイする時とは異なった面白さを見出すことができるようになるのではないか、と思います。
EX.私がリプレイ派だから
相応しいテーマを設定しているテーマ型ボードゲーム会に参加すれば、以前やったことがありまたプレイしたいと思っているゲームタイトルのプレイを提案しやすい…というのも確かにありますが、皆さんそこら辺はあまり勘ぐらないようにしましょう。出禁にされたりテーマ型ボードゲーム会が廃れたら嫌なので。
以上、適当なことをダラダラ述べさせて頂きましたが、最後に一点だけ注意しておきます。それは、このようなテーマ型ボードゲーム会の利点は、何の縛りも無いオープンなゲーム会が通常行われているのを前提にした利点であり、そのような普通のボードゲーム会と併存することによって初めて活かされる利点だということです。今現在、何かそういった特別なテーマを設けたゲーム会を開いてはいないけども、定期的にオープンなゲーム会を開いているという主催者の方もたくさんいらっしゃると思います。私の本日の記事は、そういった地道な活動をされている方を否定するものではありません。むしろ、テーマ型であろうがなかろうが全てのゲーム会主催者の方々に私は敬意を表します。私の活動もそうですが、ボードゲーム愛好者それぞれがそれぞれの立場でボードゲームを盛り上げていけたら良いですよね。では。