Q:陸上男子の短距離において 100m9秒台の選手、200m19秒台の選手、400m43秒台の選手の数は、どれが最も多いでしょう。
答え:100m
100mの9秒台は102人、
200mの19秒台は61人
400mの43秒台は14人しかいない。
昨年のリオデジャネイロ五輪で最も印象的だった金メダリストの一人が、南アフリカのウェード・ファンニーケルク。
400mであのマイケル・ジョンソンが持っていた世界記録43秒18を17年ぶりに更新、43秒03をマークした。
五輪前年の2015年の世界陸上北京大会でも、43秒48の世界歴代4位(当時)の好記録で優勝していた。
ファンニーケルクの何がすごいかというと、
100m、200m、400mの3種目ともに大台を破っているところだ。
これは人類史上初の快挙だ。
100 m 9.98 (2016年)
200 m 19.94 (2015年)
400 m 43.03 (リオ五輪2016年)
陸上競技では100mから400mまでが短距離として括られているが、専門化が進み、3種目ともにすごい記録を残している選手はほとんどいない。
400mの前の世界記録ホルダーとなってしまったマイケル・ジョンソンは、
100 m 10.09 (1994年)
200 m 19.32 (アトランタ五輪 1996年)
400 m 43.18 (セビリア世界陸上1999年)
200mと400mでは歴史に残る活躍をしたが、100mではアメリカの短距離選手としては平凡な10.09が自己ベストにとどまる。
一方、北京五輪から3大会連続3冠のウサイン・ボルトも400mでは45秒台の記録しか残していない
100m 9.58(ベルリン世界陸上2009年 世界記録)
200m 19.19(ベルリン世界陸上2009年 世界記録)
400m 45.28
なお、ボルトは今年の世界陸上ロンドン大会をもって引退することを表明している。
日本の100mの日本記録保持者の伊東浩司、200mの日本記録保持者の末續慎吾、400mの日本記録保持者の高野進の3氏の短距離3種目のベストは以下のようになる。
3種目すべてに日本記録に迫ることがいかに難しいか判る。
伊東浩司
100m 10.00(1998年 日本記録)
200m 20.16(1998年)
400m 46.11(1996年)
末續慎吾
100m 10.03(2003年)
200m 20.03(2003年 日本記録)
400m 45.99(2002年)
高野進
100m 10.41
200m 20.74(1986年)
400m 44.78(1991年 日本記録)
リオデジャネイロオ五輪男子4×100mリレーで日本チームが銀メダルを獲ったが、二走を走ったのが飯塚翔太。
飯塚は2010年の世界ジュニア選手権200mで金メダルを獲得(20.67)しているが、その時に4位だったのが、ファンニーケルクだった。
正月の東京新聞に飯塚翔太のインタビュー記事があった。
「彼(ファンニーケルク)とは世界ジュニアからよく話をしていて、刺激をもらいました。僕も20年までに100mで9秒台、200mで19秒台、あわよくば400mで日本記録(44秒78)。その3つを出したいんです」
100mの自己ベストは10秒22。400mでは、14年アジア大会の1600mリレーで3走を務め、金メダルの実績がある。20年までに、さらなる強化を図るつもりだ。
「18、19年は100か400をメイン種目でやりたい。年ごとに分けて記録を狙おうかなと思っています」
1970年~80年代にピエトロ・メンネア(イタリア)という選手がいた。
1980年のモスクワ五輪の200mを制した選手で、彼が来日したときは国立競技場に見に行った。
この時のイタリアには、女子走り高跳びのシメオニとか結構好きな選手がいた。
メンネアは2013年に亡くなってしまったが、自己ベストはかなり凄い。
100m 10.01 1979年
200m 19.72 1979年
400m 45.87 1977年
但し、100m・200mの記録はメキシコユニバーシアードで出した記録で高地記録である。