女子フィギュアに得点操作は行われているのか?
先週末に行われた世界フィギュアスケート選手権。
五輪後わずかひと月後の試合だったため、モチベーションの維持やコンディション作りに失敗した選手も目立った。
そんな中、日本勢は男子の高橋大輔、女子の浅田真央と、どちらも金メダルを獲得した。
とはいうものの、優勝した浅田真央のFSの得点が、銀メダルの金姸児に及ばないという不可解な現象が起きた。
ご存知のように浅田は、2回目のトリプルアクセルが回転不足とされた以外は完璧。
対する金姸児は、転倒、抜けの二つの大きなミスがあった。
それにも関わらず、浅田を上回る高得点がなぜか出たのだろうか。
FSの得点が出て、FSでは金姸児の得点を超えないとわかったときの浅田の表情をご覧になっただろうか?
あの表情が全てを物語っている。
この1年以上言われ続けている噂は恐らく本当だろう。
「金姸児に有利に得点が操作されている」
フィギュアスケート界において、ときどき不正が発覚する。
今から8年前、ソルトレークシティー五輪の際にもフィギュア界に激震が走った。
ペアにおいて、競技前から順位が既に決まっていた、という事実が曝露されたのだ。
「談合」とでもいうべきだろうか。
この当時ペアは、ロシア組とフランス組の力が拮抗し、アイスダンスはフランス組とカナダ組の力が拮抗していた。
そこでフランスの審判が、ペアで、ロシア組に1位票を入れる代わりに、アイスダンスでは、フランス組を1位にする約束があったという。
この当時は、現在と異なり順位点で席次が決まる。
フランスの審判が、ロシアペアが1位になるような点数を付け、金メダルはロシアペアに渡るも、フランス人審判氏は、良心の呵責に耐え切れず、この件を暴露したといわれている。
この当時はっきり判ったことは
・審判は自国のスケート連盟(この場合はフランス)の意向には背けない」、そして自国選手を「擁護」できるような、連盟に忠実な審判だけが、五輪に派遣される審判委員会メンバーに選抜される
・選手は、アマチュア時代に五輪で上位に入賞しなければ、プロ転向しても巨額の契約金を手にできない
これに対しIOCはどのようにこの問題を収集しようとしたのか?
ロシアペアと並んでカナダのペアにも金メダルを贈ることで一切の幕を引こうとしたのだ。
この異例とも言える2組の金メダルの背景には、アメリカとカナダのマスコミの正論の展開があった。
IOC会長のロゲは、ISU会長のチンクワンタに政治的配慮を求めるため、書簡を公開で送り、早期の問題解決を要請した。
ロゲの意図は、疑惑騒動による五輪運動へのダメージを出来る限り小さくすること。
フィギュスケートはアメリカにおいて、冬季五輪だけでなく夏季も含めた五輪で最も視聴率が高いとされる、いわばドル箱である。
米NBCテレビの支払う放映権料が五輪を支えている以上、そのNBCから「カナダペアにも金メダルを!」と声高に言われれば、IOCは断ることは出来ない。 このスキャンダルを経て、ISUはフィギュアスケートの採点方法を変更した。
SP、FSの得点の合計で順位をつけることになった。
最大9人の審判が、採点をするがその内2名の審判の得点は反映されないダミーとなる。
では、これでソルトレークのような不正は、現在はなくなっているのか?
関係者の中には変わっていないと断言するも者もいる。
自国選手を「擁護」できるような、連盟に忠実な審判だけが、五輪に派遣される審判委員会メンバーに選抜されるシステムは、変わっていないからだ。
五輪で女子の審判を勤めた韓国人のイ・ジヒ氏が五輪中に「キムヨナが不利益を生じないよう努力する」と言ったと韓国紙が伝えたが、これが事実ならば特定の選手のために努力する審判には、審判の資格はない。
そして、審判氏名の公表は必要だろう。
●参考記事 韓国の描く 金妍児金メダル~平昌五輪招致のシナリオ