ロシアで行われていた世界水泳は、サッカー場の中にプールを作っていた
昨日までロシアのカザニで世界水泳選手権が開催されていた。
この大会で最も特徴的だったことは、サッカー競技場に作られた特設プールで競技が行われたことではないか。
ご存知のようにロシアは2018年のサッカーW杯の開催国だ。
カザニにはカザニアリーナというサッカー専用スタジアムがあり、その収容人数は45379人。
W杯の会場としては、平均的な大きさだろう。
だが、ここで水泳をするとなると話は違ってくる。
カザニアリーナは、観客席は屋根が覆っているが、ピッチの上には屋根がない。
ここに仮設の屋根を張り、ピッチの芝を傷めないように仮設のプールを設置した。
ゴールラインあたりに巨大な壁を作り、壁の向こうにウォームアップ用のプールを設置。
そして、ホームストレッチとバックストレッチの観客席をそのまま生かし、15000の観客席を確保した。
▲カザニアリーナ 外観 W杯でも使用される。
▲世界水泳では、ピッチ上にプールを設置した。
8月のカザニの平均気温は17.6度、明け方は13~4度、最も暑いときでも25度に達しない気候らしい。
連日真夏日が続いた東京からは、考えられないような涼しさだったようだ。
おまけに元々はサッカー場だから、屋根と観客席の隙間などから外気が流れ込んでくる。
午後になると気温が下がりだし選手は困ったようだ。
巨大な体育館に仮設のプールを設置して、選手権を行いことは過去にもある。
2001年の世界水泳を開催した福岡市は、マリンメッセにヤマハの仮設プールを設置していた。
2007年に開催したメルボルンは、なんと全豪オープンテニスのセンターコートとして使われているメルボルン・パークのロッド・レーバー・アリーナに仮設プールを設置していた。
福岡市が、2016年五輪の国内立候補都市を東京と争っていた際、競泳会場は福岡ドームに作る案が出ていた。
ドーム球場は、屋根があり、空調もかんびしており、実は様々な競技の会場にできる。
2020年の東京五輪の競泳会場は、新設のアクアティクスセンター(江東区)を予定している。
招致段階での建設費用は321億円だったが、現在は2倍以上の683億円に見積もられている。
しかもすぐ近くに、東京辰巳国際水泳場が既にあり、ポスト五輪の用途も問題だ。
いっそのこと、東京ドームに競泳会場を作っても良いのではないか。