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こりゃすごい・・、血管内皮増殖因子の発現を抑制する分子が見つかった！
★皆さん、血管内皮増殖因子(VEGF)というのをご存知ですか？
●あまり知られていませんが、
血管透過性と血管新生の促進作用をもっており、
敗血症や腸炎、癌などの多くの疾患に関係しています。
●目の網膜の疾患である加齢黄斑変性症では、
このVEGFの働きにより、多くの新生血管が網膜に出現し、
脆い新生血管からの血液の漏出で網膜が障害され、
失明につながります。
●現在は、その中和抗体が治療に使われていますが、
●今回、
マクロファージで強く発現する
Zinc finger proteinのSt18という遺伝子が、
VEGFの発現を
Sp1という転写因子を抑制することで抑えている
・・ことが、見いだされたのです。
●これを報告したのは、
生理学研究所の丸山医師らのグループです。
●研究グループは、
St18をマクロファージでのみ欠損するマウスを作成したところ、
●このマウスでは
(1)全身の血管透過性が亢進し、
(2)網膜や腸の血管が増生し、
(3)敗血症や薬剤性腸炎に対して脆弱となる
・・ことが分かりました。
●また、
このマウスは
炎症性サイトカイン遺伝子の発現は正常であるにもかかわらず、
敗血症や薬剤性腸炎ですぐに死んでしまい、
●その際、
血管透過性が上昇していることも分かりました。
●これらのことは、
マクロファージにおけるSt18の欠損が
全身の血管透過性を高めていることを意味します。
●また、
網膜や腸に分布する血管の数が
マクロファージで特異的にSt18を欠損させたマウスで
有意に増加していたことから、
●マクロファージにおけるSt18の欠損が
個体全体の血管透過性の亢進のみならず、
血管新生の増大をもたらすことが明らかとなったのです。
●これはすごい発見です。
●このSt18の発現を強めたり、
それに類似した効果を発揮する薬剤を開発することで、
血管新生をコントロールでき、
疾患を治療できるということです。
●是非、治療薬の開発につなげてほしいと思います。
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