春は夢のごとく 咲き 散ってゆく
光に彩られた心は 月と夢を語り
想いは 未来の空へと かげろう
木洩れ陽に舞い散る 夢のひとひらは
過ぎ行く「時」の無常と たわむれる
されど光と影の狭間に残り香だけを漂わせ
心を置き去りにしてゆくことはできない
明日に辿り着けないとしても 幻を求めず
春は夢と言われる 美しさや華やかさが
咲ききっている姿にあることを 忘れてはいけない
雨あがりの公園
感傷を引き摺りながら 歩いていると
ひとひらの桜が 私の髪をかすめ
肩口に舞い降りる
桜の木を見上げると
春の陽射しに戯れる桜が 雨露に輝いていた
雨に打たれ 落ち舞いゆく哀れにも
尚 輝こうとする生命の営み
感傷もなく淡々と 現実を受け入れながら
明日に そして次の春に生命を繋いでいく
その逞しさが 美しさを彩るのであろうか
落ちゆく桜の哀れは 私の心を映したに過ぎない
このひとひらは 夢果てても尚 私の心に舞い降り
私の中で 明日への希望となって 夢を繋いでいる