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受験数学かずスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

漸化式の基本、a_(n+1)=pa_n+q型の解法と例題
ふにゅ漸化式の解き方を今回から載せていくつもりやねん。

こんな始まりかたで大丈夫かこれ。


まず漸化式の基本から

090808_m1.jpg

漸化式は基本的には

(i)a_1=a,a_(n+1)-a_n=b_nは
a_n=a_1+Σ(k=1~n-1)b_k (n≧2)
の階差数列
(特にb_n=dの時はa_n=a_1+(n-1)dの等差数列)

(ii)a_1=a,a_(n+1)=ra_nは
a_n=ar^(n-1)
の等比数列

のこういう形にして解きます。
漸化式ってややこしいようですが、実は使うのはこの二つぐらいです。

階差数列については階差数列やΣ計算も参考にしといてください。

ここでは等差数列は階差数列の一種として書いています。

たまにa_1=1,a_(n+1)=(n+1)a_nはa_n=n!とかもあるけどな。
後はa_1,a_2,a_3を求めて{a_n}を類推して数学的帰納法で証明もありますが、またこれは今度と言うことで。


早速本題に入って、基本中の基本中の型の
a_(n+1)=pa_n+q
の型の解き方を説明します。
090808_m2.jpg

これはpが1か1でないかで解法は違って

p=1の時は、a_(n+1)-a_n=qで等差数列だからa_n=a_1+(n-1)qとなります。

p≠1の時は、漸化式のa_(n+1)とa_nを両方ともxとおいて解いています。
x=px+q
これを解いてx=q/(1-p)

なんでこんな方程式を考えたかと言うと、元の漸化式と見比べて辺辺引いてみると

a_(n+1)=pa_n+q…[1]
x=px+q…[2]

[1]-[2]:
a_(n+1)-x=p(a_n-x)

でxの値を代入すると

a_(n+1)-q/(1-p)=p(a_n-q/(1-p))
で数列{a_n-q/(1-p)}は公比pの等比数列になってます。

だからこれで解けるようになって

a_n-q/(1-p)=(a_1-q/(1-p))p^(n-1)

a_n=q/(1-p)+(a_1-q/(1-p))p^(n-1)


このやり方は理由とか言うよりも覚えてしまって解き方を覚えてください。

まあpとかqとか抽象的な数字でやるよりも、次の例でやり方を覚えてください。




090808_m3.jpg

a_1=1,a_(n+1)=a_n+(n+1)^2
{a_n}を求めよ。

解答
これはa_(n+1)=pa_n+qと見比べるとp=1の形だから階差数列です。
まあqの部分が(n+1)^2でnに依存してるからa_(n+1)=pa_n+q型とちょっと違いますが、定数にしてしまうと簡単過ぎるから階差数列で解く漸化式の練習と言うことで。

n≧2の時
a_n=a_1+Σ(k=1~n-1)(k+1)^2
=1+Σ(k=2~n)k^2
=Σ(k=1~n)k^2
=n(n+1)(2n+1)/6

これはn=1の時も成立するから

a_n=n(n+1)(2n+1)/6

階差数列使う時は、n≧2の場合とn=1の場合を必ずわけてください。
問題によってはn≧2の場合を解いてその式でn=1にすると,a_1の値に一致してないこともあります。

例えばa_1=2,a_(n+1)=a_n+b_n,b_1=1,b_n=2(n≧2)
はn≧2の時
a_n=a_1+Σ(k=1~n-1)b_k
=2+1+(n-2)2
=2n-1
でこれはn=1とすると2-1=1でa_1=2に一致せえへんからな。




090808_m4.jpg

a_1=1,a_(n+1)=2a_n+5
{a_n}を求めよ。

これはxに置き換えるところは計算用紙にするねん。
a_(n+1)とa_nをxとおきかえて
x=2x+5
これ解くとx=-3
a_(n+1)=2a_n+5
x=2x+5

これを辺辺引いて

a_(n+1)-x=2(a_n-x)
だから
a_(n+1)+3=2(a_n+3)

ここまで計算用紙に計算をしといて解答は

解答
a_(n+1)=2a_n+5

a_(n+1)+3=2(a_n+3)
{a_n+3}は公比2の等比数列より
a_n+3=(a_1+3)2^(n-1)

a_n=2^(n+1)-3


解答はいきなりこの式変形が思いつきましたって言う解答でも添削する側は

はい、頭いいですね

って丸せざるをえないわけやねんな。


ちなみにa_(n+1)とa_nをxって置き換えた式は特性方程式と言って、隣接三項間漸化式でも特性方程式使いまくりですが、これには意味があって

a_(n+1)=pa_n+q
と言う式があってa_1を定めていないと、これを満たす{a_n}は無数に存在するわけやねんな。

それで一般解を求めようとする時に、よくやるのが特殊解を見つけることやねん。

隣接三項間漸化式でも大学に入って微分方程式を解くときもこの考え方はよく使って、無数にある解のうちp≠1の時、一番簡単に一つ見つかるのが
a_1=x,a_2=x,a_3=x…
つまり全てのnでa_n=xって常に同じ値をとるのを考えてみると
a_(n+1)=pa_n+q
の式からa_(n+1)=x,a_n=xと代入して
x=px+q
よってx=q/(1-p)だから
a_n=q/(1-p)
って言う解が一つ簡単に見つかります。

これを特殊解とか言います。

こうやって一つ解を見つけておくと

a_(n+1)=pa_n+q
x=px+q
を辺辺引いて

a_(n+1)-x=p(a_n-x)

って余分なところが消えてくれ、

a_n=q/(1-p)+(a_1-q/(1-p))p^(n-1)

って一般解が求められる形になるねん。

まあこれはまたおっさんがなんか言うてるわって流しといてください。

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