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何年もの研究から、メディアの深い反中国バイアスが明らかに(抄訳)

2024/05/30のヌリ・ヴィタチ氏の動画の抄訳。別記事で少々補足した。

 西洋大手メディアの中国関連報道が中国に関して極めて偏っていることは、多少なりとも行間を読むことの出来る人なら誰でも直ぐ気が付くことだ。ネトウヨは「中国について悪いことしか報じられないのは、中国が実際に悪い国だからだ」と云う、「俺達があいつの悪口しか言わないのは、あいつが悪口を言われる様なことしかしない奴だからだ」と居直る小学生のいじめっ子の様な説明をして下さるだろうが、そう云う子達は自分達がいじめられっ子の立場に置かれたらどう思うだろうと想像する能力が無い。どうもこの様な発想はネトウヨに限らず、情報弱者全般について言えることらしいのでそう軽視も出来ない。

 勿論、中国に限らずどんなことについてであれ、報道された内容と現実とは常にイコールではない。記事は天から降り下って来るものではなく、記者達が書いたものであって、その記者達は喋ったことが直ぐ様現実になる魔法使いではなく、我々と同じ生身の人間に過ぎない。人間だから勿論様々なバイアスや思い込みや間違った知識が詰め込まれているし、何なら嘘を吐いたり目の前の現実を捻じ曲げる動機すら持っている。彼等は全体として地球上で最も強力な情報発信能力を持っているし、それ故世界の世論に対して比類の無い影響力を揮っている。そして人間と云うものは概して、一度聞いた真実よりも百回聞かされた嘘の方を信じがちなので、それに抵抗出来るのは、その巨大な嘘の洪水に飲み込まれまいと意識的に努力を続ける人達だけだ。

 私は子供の頃から、TVや新聞の言うことなんて、特に戦争の様な国際情勢上の大きな話題については、基本的に偏っていて、全体像を知る為に必要な情報を報道せず、事実を捻じ曲げたり誇張したり、あからさまに嘘を吐くことも珍しくない、と思っていたので、世の中の大きなことについて本当に知る為には、書籍等の別の情報源に当たらなければダメだと思っていた。これがかなり少数派の姿勢だったであることには後から気付いたが、最近では、自分はこれまで思っていたより遙かに少数派だった様だ、と実感させられる経験が続いている。

 私は今はこの様に西洋全体で大政翼賛化した大手メディアの大本営報道は殆ど見限って、各種代替メディアを頼りにしているが、それでもここに至るまでにはそれなりに試行錯誤した。はっきり言って、代替メディア、特に日本語環境のそれは、まだまだ発信力が圧倒的に足りていないと思う。

 自分の力不足が解っていながら、私の様な野良犬が旧Twitterやこのブログで情報発信を続けて来たのはその為だ。真実に辿り着く為にどうしたら良いのかまだ迷っているかも知れない人達の背中を押す為に、今の自分にせめて出来ることをやれたらと思う。だがそれが叶わなくとも、ガンディーの言い草を借りれば、「世界によって自分が変えられないようにする為」に私はこれを続けるだろう。このブログは何よりも、私が自分の正気を保ち続ける為にやっている。
Multi-year study reveals media's deep anti-China bias

Shaping the policy debate: How the British media presents China



 英国主流メディアの反中国バイアス

 2024/01/11、英国のキングス・カレッジ・ロンドンのラウ中国研究所は香港中文大学で、英国メディアが中国に関して一貫した否定的な報道を行っていることを明らかにした新たな報告書を発表した。
Shaping the policy debate How does the British media present China?

 ティム・サマーズ博士が率いるチームは、2020〜23年にテレグラフ、ガーディアン、BBC、フィナンシャル・タイムズ、エコノミストと云った英国のメディアに掲載された1,000本以上の記事を分析したが、それに拠ると、近年の中国報道に於ては否定的な枠組みと論調が強く支配的であったことが判明した。

 例えばフィナンシャル・タイムズの133本の長いコラムの内、肯定的なのはたったの2本だった。

 テレグラフの576件の記事の場合、否定的なのが62%、肯定的なのが2.5%、残りは中立的だった。

 ガーディアンの209本の記事は90%が否定的で、BBCも同様だった。

 またエコノミストは肯定的な記事は略ゼロで、同誌は北京支局長のデヴィッド・レニーが執筆する週刊コラムで中国を取り上げているが、このコラムは中国が何をしても「いじめ」や「脅迫」と云う決まり文句を何度も使い回しており、公平さを心掛ける様なフリすらしていない。分析に拠ると、彼のコラムは大部分が明らかに否定的で、賛否両論が少数。はっきり肯定的と分類されたものはひとつも無かった。

 「この研究がカヴァーした期間中、この国では肯定的な報道は殆ど皆無だった」と報告書は述べている。

 これについてサマーズ博士はこうコメントしている。

 「中国に関するメディアの否定的な報道は、英国に於ける中国に対する否定的な見方を強め、広める一因となっている。これにより、政府内外のロビイストや政治家達の利益に沿う形で、中国に対するタカ派的、或いはより批判的な政策が取られる可能性が高くなる。」

 西洋の主要メディアが強い反中国バイアスを帯びていることは広く知られているので、「これは多くの読者にとっては驚きではないだろう。」

 

 過度に政治化されたレンズ

 この分析はそれだけではなく、西洋のジャーナリスト達が中国に関する全てのことを、政治には関係無い話題に関しても政治化する傾向が有ることを明らかにした。
 
 「社会的、経済的、文化的問題の報道に際して、往々にして政治的、規範的なレンズが用いられている。」

 記者達はあらゆるものを敵対的な西洋のレンズを通して描き出すことによって、「中国とその政治について、モノクロで還元主義的で否定的なイメージを強化している。」



 香港と新疆

 また「香港」と「新疆」と云う2つの場所の名前が、「抑圧」のキーワードとしてどんな中国関連記事にも略ランダムに投入されていたことも明らかになった。

 「これらはどちらの地域にも関係の無い話題に関する報道に於て、中国を否定的に描写する形で頻繁に言及されている。つまり、その記事が香港や新疆に関係していなかったとしても、中国の『抑圧』の証拠が必要な記事に挿入するテンプレートなのだ。」



 中国の人々にとって有害なのは承知の上

 興味深いことに、一部の記者達は、こうした姿勢が中国とその人々にとって有害で​​あることを承知している。

 この報告書は、「ウイグル人のジェノサイド」の嘘を広めて来た、中国に対する敵対的な態度で悪名高いBBC特派員のジョン・サドワース氏の言葉を引用しているが、彼はインタビューで、否定的な側面だけに焦点を当てることが問題であることを認識していることを認めている。

 「明らかに、それは中国政府や中国の体制だけでなく、中国と云う場所や中国の人々全般についての短絡的な理解に繋がる危険性が有ります。私はそれが本当に危険だと思います。」

 にも関わらず彼やBBCの同僚達は世界中に中国についての誤解を招くイメージを毎日発信し続けている。彼等は、自分達は中国人を見下している訳ではなく、中国政府を憎んでいるだけだと弁明するが、中国人に敬意を払っている人間が、中国人にとって害となると判っている行為を平然と続けるだろうか。



 「邪悪な政府」がテンプレート

 報告書でダニエル・ベル教授はこう述べている。

 「西洋では、中国は自国民には悪いことをし、他国の人々にとっては危険な、邪悪な政府によって率いられていると云う、略普遍的なコンセンサスが有ります。そうでないと主張する見解を発表するのは極めて困難です。」

 では真実をどう伝えるか? 無理無理。西洋の主流メディアはこの点で余りにも団結してしまっていて、だからこそ西洋諸国の世論はここまで中国に敵対的なものになっている。

 「世論の所為で、中国の政治についてバランスの取れた見解を示すコメントを西洋の主要なメディアに掲載することは略不可能です。」
 
 サマーズ博士は報告書を次の様な勧告で締め括っている。

 「中国についてより正確で包括的な理解を得るには、代替の情報源を積極的に探究し、異なる意見を持つ人々が政策討論に寄与するよう奨励すべきである。」

 その通り、「他の情報源を探そう」———何ならここから始めても構わない。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
2022年3月に検閲を受けてTwitterとFBのアカウントを停止された為、それ以降は情報発信の拠点をブログに変更。基本はテーマ毎のオープンスレッド形式。検閲によって検索ではヒットし難くなっているので、気に入った記事や発言が有れば拡散して頂けると助かります。
全体像が知りたい場合は「カテゴリ」の「テーマ別スレッド一覧」を参照。

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