「近い将来,明確な法令が制定されれば,2009年までに米国における通話の40%がVoIPになるだろう」。米New Millennium Research Council(NMRC)が,インターネット電話の将来に関するレポートを米国時間12月16日に発表した。

 VoIP技術は,通信業界に変化をもたらすとともに経済に好影響を与えるものと見なされてきた。同レポートは,急成長するVoIP技術を取り巻くさまざまな問題とともに,VoIPサービスの規制当局が直面するであろう課題について,6人の学者と業界の専門家の意見をまとめている。まだ明確になっていない法令は,VoIPサービスにとって脅威となる可能性があるという。

 連邦通信委員会(FCC)は,新しいVoIPサービスに関わる重要な問題に対して明確な規則を制定する取り組みを開始した。12月1日より公聴会を開いてVoIPに関する調査を行なっている。大手通信事業者とケーブル事業者は,VoIP技術を提供する意思を明らかにしている。

 NMRCのレポートの作者は,FCCに対して明確なVoIPフレームワークの開発,通信サービスとして機能するVoIPアプリケーションの特定テレフォニ規則への準拠,すべてのVoIPサービス・プロバイダを平等に扱うこと,法令が社会的責任に一致することを要求している。

 同レポートは,VoIPが引き続き成長するために,利用する技術に関わらずVoIPサービス・プロバイダは,通信事業の規則に従う必要があるとまとめている。特に,公的秩序の遵守を目的として警察や緊急サービスへのアクセスなどを提供する必要があるという。

 同時に,作者の大半が,州と連邦政府の法令がVoIPプロバイダの重荷になるべきではないと考えている。連邦,州,ローカルの通信規制のすべてに完全に準拠させることにより,消費者市場にむけたVoIPの投入が遅くなるという。

 同レポートは,VoIPは,従来の電話サービスと新しいデータ・サービスの中間に位置しているが,通信業界の基礎を損なうことなくVoIPを拡張するために,ある程度の規制を適用すべきだと結論付けている。

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