ソーシャルネットワーク・サービスの「フェイスブック」に大きな注目が集まっている。2011年1月4日にウォール・ストリート・ジャーナルなど米国メディアが報じたように、フェイスブックの会社評価額を500億ドル(約4兆円)に設定して、米ゴールドマン・サックスなどが4億5000万ドル(約360億円)を出資したという。この評価額は米ヤフーや米イーベイなどを超え、米グーグルと米アマゾン・ドットコムに次ぐ規模だ

 フェイスブックを巡るこうした動きを「バブルではないか」とする声もある。だが、フェイスブックのユーザー数はすでに世界で5億人を超え、2011年には6億人になると見込まれている。まだまだ成長を期待される巨大サービスであることは間違いない。

 フェイスブックを率いる26歳の若きCEO(最高経営責任者)、マーク・ザッカーバーグは一躍、話題の人となった。2010年末には、タイム誌の「Person of the Year 2010」に選ばれた。ザッカーバーグを主人公にしたハリウッド映画「ソーシャル・ネットワーク」も、1月15日から日本全国で公開される。

日本では分かりにくいフェイスブックの威力

 世界的にブレークしつつあるフェイスブックだが、日本ではそのすごさをなかなか実感しにくい。ソーシャルネットワークとしては、「ミクシィ」や「ツイッター」のほうが圧倒的に先行している。国内の登録者数はミクシィが2000万人を超え、ツイッターが1000万人を超えたもようだ。フェイスブックはまだ300万人程度とみられる。

 機能面でも、フェイスブックは複雑で分かりにくいという声が少なくない。実名での登録に抵抗があるとの声もよく聞く。筆者自身、なぜフェイスブックでは実名でなければならないのか、どの機能をどう使うのか、当初はうまく理解できずにいた。

 ところが、『フェイスブック 若き天才の野望』という本を編集しているうちに、フェイスブックの実名主義の理由や機能の狙いなどがわかり、その威力をひしひしと感じるようになった。