これまで複数のデータセンターを利用してきましたが、データセンター選びには毎回とても苦労しました。そこでこれまでの経験を踏まえて、ここでは私が考えるデータセンター選びのポイントを書いてみたいと思います。
ポイント
まずあなたがデータセンターに何を望むかはっきりさせることが重要です。私が重要だと思うポイントとしては次のようなものがあります。
- ・データセンターの所在地
- →事務所から近いほうが便利です。ただし地震等自然災害に強いのは必須です。
- ・入館セキュリティーの厳しさ
- →強ければ強いほど安心なのですが、頻繁に現地で作業するのであればむしろ入館セキュリティーは弱いほうが使いやすいというのは事実です。
- ・ラックは持込みか、貸し出しか
- →ラックマウントサーバの場合、ラックマウントキットとラックに相性があるので、もし備え付けのラックとラックマウントキットが合わないと棚板を使うこととなり、スペースがもったいないです。また備え付けのラックが空気循環が悪いタイプだとたくさんサーバを詰め込めないので、そういう場合はラック持込みがおすすめです。
- ・温度管理
- →温度がSLAで決められているか。サーバはかなりの熱を排出するので温度管理は重要です。
- ・備品貸し出しの柔軟性
- →工具、イス、机、キーボード、温度計、LANケーブル、シリアルケーブル等現地作業ではいろいろ必要になりますが、そういったものを柔軟に貸してくれるところは大変使い勝手がよいです。(以前私が使っていたデータセンターは係の人と顔見知りでしたので何でも貸してくれてとても助かりました。昔使っていた某大企業系データセンターは何も貸してくれなかったからなぁ。。。)
- ・廃棄ゴミの処理方法
- →廃棄ゴミ処理は意外と重要です。頻繁に発生するダンボール等のゴミが現地で処理できないとかなり大変なことになります。(以前サーバ100台箱出ししたことがありますが、2トントラック2台分のゴミが出ました。あのときはしんどかった・・・)
- ・重加重機器への対応
- →ハイエンド機器になると数トンという重さになることがざらです。それに対応しているかどうか。
- ・様々な電源への対応
- →100V,200V両電源に対応しているか。またハイエンド機器になると電源プラグが特殊な形状だったりすることがざらで、それに対応しているかどうか。
- ・搬入スペースや駐車場の有無
- →これも意外と重要で、サーバ搬入時、搬入スペースや駐車場がないとかなり悲惨なことになります。特に数トンクラスの機器の場合はそれらがないと悲劇です。
- ・MSP(マネジメント・サービス・プロバイダ)サービスの有無
- →トラブル発生時、電話をかければ電源on/offしてくれるリモートハンドサービス程度から、常時モニタリングしてくれていてトラブル発生時は勝手に操作マニュアルを見ながらコマンド操作してくれるところまで行ってくれるようなサービスが必要か。
- ・空きラックスペース量
- →サイトの伸びが急激でラックやスペースの利用が急増しそうなのであれば、残ラックスペースは重要です。
- ・常駐スペースの有無
- →社員がデータセンターに常駐する場合は常駐スペースを借りられることができるか。
- ・ケージの有無
- →ケージ(柵ですね)を設置できるか。
- ・ネットワーク回線のコネクティビティー
- →IX直結か、大手ISPとのトランジットを豊富に持っている業者であるとよいです(通信系の業者が運営しているデータセンターだと安心ですが、中小のデータセンターだとこのあたりが心配です)。もしくはキャリアフリーを謳っていて外部回線を引き込めるデータセンターもあります。
- ・UPSや発電機の有無
- →停電時どの程度耐えられるのか。ここで注意なのはいくら発電機が完備されていたとしても災害で道路が封鎖されてしまったしたらガソリン等燃料を給油できないのでUPSがあることも重要です。
- ・火災発生時の消火方法が水かガスか
- →水だと機械が死にます。ガスだと人が死にます。そんなわけで個人的には水がお勧めです(?!)。
- ・イレギュラーな要望に強い
- →サイトが大きくなってくると様々な要望が生まれてきますが、それらのイレギュラーな要望の相談に応じてくれる親切なデータセンターがよいです。
- ・そして価格
- →データセンターの価格はぴんからきりまでなので、「品質より価格」でいくのか「価格より品質」でいくのか決める必要があります。ただしかなりまとまったオーダーをすれば「品質と価格」の両立は可能ですがこればっかりは会社規模に拠りますね。
まとめ
昔私はデータセンターは極端な話、場所とネットワークさえ提供されるのであれば安ければ安いほどよいと思っていました。この考えはサーバを一度取り付けてしまえばあとはサーバ増加がほとんどない場合はたしかにその通りなのですが、頻繁にサーバ増強のために現地作業が必要なのだとしたら極力上記のポイントを押さえたデータセンター選びをするのがとても重要だと最近は考えるようになりました。