ネットワールドは2011年7月13日、工場のLANなどのようにインターネットに接続していない環境に向けたウイルス対策システム「セキュア工場パック」を出荷した。ウイルスに感染したPCを検知/隔離するLANスイッチ製品と、インストールしなくても使えるUSBメモリー型のウイルス対策ソフト製品を組み合わせた。価格は、LANスイッチが15万9000円(税別)から、ウイルス対策ソフトが5本で12万4000円(税別)。
セキュア工場パックは、工場のウイルス対策を目的に、(1)韓国HanDreamnetが開発したセキュリティ機能付きのLANスイッチ「SGシリーズ」と、(2)トレンドマイクロが開発したUSBメモリー型のウイルス対策ソフト「Trend Micro Portable Security」(TMPS)を組み合わせた。LANスイッチが検知/隔離したウイルス感染PCに対してTMPSを適用するシナリオだ。
パッケージ化といっても、新規の価格設定(セットで購入することによる割引)などの付加価値はない。このため、従来通り、それぞれの製品を別個に購入して利用することになる。SGシリーズとTMPSは、2製品ともにネットワールドが以前から取り扱っている製品であり、今回、これらを組み合わせると効果が高い用途として、工場での利用を提案したかたち。
セキュア工場パックを構成する2製品の概要は、以下の通り。
(1)SGシリーズは、ネットワーク攻撃を検知/遮断する機能を備えたエッジ・スイッチである。不正なネットワーク攻撃や、ウイルス/ワームに感染したPCの振る舞い(ウイルス/ワームの拡散行為)などを検出し、これを防御する。
イーサネット上の通信ごとに、MAC/IPアドレスやTCP制御フラグなどの情報をログとして記録しておき、これらの情報の推移や時間間隔などを材料に、明らかに不正な攻撃や典型的な攻撃パターンを検知する。例えば、ウイルス/ワームの繁殖先を探す際のポート・スキャンや、TCPコネクションのハンドシェイクを待たない通信を検知することで、脆弱性を持つPCへのウイルス/ワーム転送行為の多くを防止する。
搭載ポートに応じて、6機種を用意している。(1)「SG2008G」(8ポート、15万9000円)、(2)「SG2024」(24ポート、28万4000円)、(3)「SG2048G」(48ポート、48万円)の3機種が基本。これに、それぞれのポートをPoE(Power over Ethernet)ポートとした上位機(SG2008GPoE/SG2024GPoE/SG2048GPoE)を揃える。
(2)一方のTrend Micro Portable Security(TMPS)は、OSにあらかじめインストールしておくことなく利用できる、ポータブル型のウイルス対策ソフトである。USBメモリーの中にウイルス対策ソフトが入っており、これをPCに挿入するだけで、USBメモリーからウイルス対策ソフトを直接起動して利用できる。TMPSを利用できるPCのOSは、Windows XP/Vista/7。