今回は、「要求開発」のデザインフェーズを取り上げます(図1)。
デザインフェーズでは、準備フェーズや立案フェーズで作成した様々なモデルを利用して、新業務を設計していきます。
前回説明した立案フェーズは、既存業務の概観をとらえ、攻略点を特定することを目的としていました。デザインフェーズでは、その攻略点について、実際の業務がどのように変化し、どのような効果が得られるかを、関係者がイメージできるまで、さらに深堀りしていきます。
それでは、早速ホワイトバード社のケーススタディを見ていきましょう。
新業務を設計する
入社3年目の白鳥翼が、父である白鳥太郎社長から一任された、ホワイトバード社の新基幹システム構築プロジェクト。コアメンバーである翼と情報システム室の桜井、営業部の直江の3人は、ステークホルダーの協力を得ながら、なんとか現状業務分析までを完了することができました(第4回参照)。
ある日の早朝。会議室では、新業務の検討会議が始まろうとしていました。「ゴール記述書」(第3回参照)に記述した目標(図2)の1つ「フランチャイズ店からの問い合わせ件数の減少」を達成するための新業務をデザインするのが目的です。出席者は、プロジェクトのコアメンバーである翼と桜井、直江の3人に西新宿店の熊田オーナーを加えた4人です。