日本国内で初めてAndroidを搭載した携帯端末「HT-03A」を,2009年7月10日にNTTドコモが発売した(図1)。
Androidは,米Google社が開発し,携帯電話関連の業界団体であるOHA(Open Handset Alliance)が2007年11月に発表した,ソフトウエア・スタック(複数層で構成するソフトウエア群)である。
Androidを構成するソフトには,携帯端末向けに改良されたLinuxカーネルとミドルウエア,アプリケーションの実行環境,開発環境であるアプリケーション・フレームワーク,アプリケーション,がある。
Androidは携帯端末用として開発されているものの,適用範囲は携帯端末にとどまらない。Androidが現在対応しているCPUは英ARM社のARM系と米Intel社のx86系の2種類だが,Androidはオープンソースとして公開されている。そのため,誰でも自由に他の機器に移植できる。ソフトウエアの構成や内部を独自に変更することも可能である。
アプリケーションの開発も自由だ。開発者は,AndroidのアプリケーションをJava言語で開発できる。標準でインストールされているアプリケーション(コア・アプリケーション)と,第3者が開発するアプリケーションとの区別はない。例えば,図1にある待ち受け画面アプリケーションのような標準ソフトも置き換えられる。
アプリケーションの開発には,オープンソースの統合開発環境「Eclipse」を利用できる。開発環境や開発を補助するAndroid用の「Eclipseプラグイン」も無償で提供されており,開発者は作業を軽減できる。