ジャンル:ウイルス対策ソフト 作者:Robert Hogan氏 ライセンス:GNU GPL URL:http://klamav.sourceforge.net/ |
KlamAVは,テキスト・ベースで動作するウイルス対策ソフトClam AntiVirusのフロントエンド・ツールだ。グラフィカルな画面上で操作できる。指定した時刻にスキャンする,届いたメールをスキャンする,といった機能も加わる。
コンピュータ・ウイルスによる被害は後を絶たない。これは,Windowsだけの話ではない。Linux向けのウイルスも存在する。また,Windows向けのウイルスであっても,Linuxサーバー経由でウイルス付きのメールを配信したり,ウイルスに感染したファイルをファイル共有したりすれば,被害を広げることになる。これらを防ぐためにも,Linuxマシンのウイルス対策は欠かせない。
Windowsでは,シマンテックのNorton AntiVirusやマカフィーのVirusScanなどの有償製品が有名だが,Linuxではオープンソースの「Clam AntiVirus」(以下,ClamAV)がよく利用されている。
ClamAVは,Linuxシステムにあるファイルを検査し,ウイルスに感染したものを隔離または削除するウイルス対策ソフトだ。ただ,コマンドラインから操作する必要があるため,特にLinux入門者には使いづらい。
KlamAVは,ClamAVをグラフィカルな画面で操作できるようにしたフロントエンド・ツールだ。指定したディレクトリを検査する,感染しているウイルスの情報を得る,パターン・ファイルを更新する,といったClamAVのあらゆる操作がマウスだけで行える。
ClamAVのインストール
KlamAVを利用するには,まずClamAVをインストールする必要がある。Fedora Coreの場合は,yumコマンドを利用して次のようにインストールする。
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Debian GNU/Linuxの場合は,apt-getコマンドを利用してインストールする。
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yumやapt-getが利用できない場合は,ソース・アーカイブを入手してインストールを行う。ソース・アーカイブは,公式Webサイト(http://www.clamav.net/)から入手する。2007年5月上旬時点の最新バージョンは「0.90.2」で,アーカイブ名は「clamav-0.90.2.tar.gz」だ。
ソース・アーカイブからインストールする場合は,あらかじめclamavユーザーを作成しておく必要がある。ユーザーの作成は,
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と実行する。続けて,図1のようにインストール作業を行う。
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図1●ClamAVのインストール手順 |
いずれの方法でもインストールが終わったら,次のコマンドで動作テストを実施し,ウイルス・チェックが行われることを確認しておこう。
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KlamAVのインストール
次に,KlamAVをインストールする。Fedora Coreの場合は,yumコマンドでインストールできる。
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Fedora Core以外では,インストーラ付きのソース・パッケージを使うとよい。パッケージは,KlamAVの公式サイト(http://klamav.sourceforge.net/)から入手できる。ただし,入手するバージョンに注意する。なぜなら,インストールされたClamAVのバージョンによって,利用するKlamAVのバージョンが異なるからだ。ClamAVが0.8xの場合はKlamAVの0.38を,0.9xの場合は0.41のパッケージを利用する。ClamAVのバージョンは,次のコマンドで確認できる。
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バージョン0.41の場合は,図2のように実行する。バージョン0.38を利用する場合は,「0.41」を「0.38」と置き換えて実行をすればよい。
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図2●KlamAVのインストール手順 |
最後のコマンドを実行すると,パスワードを尋ねられるので,管理者のパスワードを入力する。後は,メッセージに従って操作すればインストールは終了だ。ただし,インストールするパッケージの選択画面で,「Dazuko」のチェックを外しておくようにする。
インストールが完了したら,
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と実行すると,KlamAVが起動する。Fedora Coreの場合はアプリケーション・メニューの「システムツール」-「KlamAV」でも起動できる。