商品やサービスが今までのように売れなくなった――。人口減少で経済が成熟し切っているかに見える日本。実際には、消える市場もあれば伸びる市場もあって変化は激しい。シニア世代が存在感を高め、スマートフォン1つで何でもそろえる若い世代の影響力も増す。企業は市場をどう読んで、売れる仕組みをつくり出していくのか。経営においてかつてなく重要性が高まっているマーケティングの今を探る。(写真:PIXTA)
シリーズ
マーケティングのリアル
141回
香川の勇心酒造、米エスティ・ローダーに美肌成分を供給、悲願の世界進出へ
香川県綾川町の勇心酒造が米エスティ・ローダーにOEM供給を開始。地方の酒蔵が長い年月をかけて独自技術で世界展開の足がかりをつかんだ。親子2代が超長期的な視点からそれぞれの役割を果たした。
キリン、高級ビール「一人負け」の焦燥 よなよなと10年越しの共闘
キリンビールがクラフトビール戦略を⾒直す。主⼒の「スプリングバレー」の成⻑が頭打ちになり、⾼価格帯カテゴリーで苦戦しているためだ。2014年に資本業務提携したヤッホーブルーイングとの共闘で形勢逆転を狙う。
スタバやドールが「もったいないバナナ」救出 エシカルブランド確立狙う
青果物の生産や販売を手がける伊藤忠商事グループのドール(東京・中央)がスターバックスコーヒージャパン(東京・品川)など50社以上と連携し、規格外品として捨てられる「もったいないバナナ」の救出を進める。食品ロスの削減につなげるだけでなく、エシカルブランドとして価値を確立しようとして…
サントリーのジン「ROKU」、発売5年で世界3位 原料は和素材の桜やユズ
サントリーの高価格帯ジン「ROKU(ロク)」が欧米で記録的なヒットを飛ばしている。桜やユズなどの和素材を使った個性的な味わいが評価され、発売から5年で売上高世界3位のブランドに急成長した。インバウンド需要も促し「ジャパニーズジン」の輸出拡大を目指す。
ファミマ、期間限定「たぶん40%増量」で集客 ワクワク感でPBてこ入れ
ファミリーマートは8月、アイスや弁当、ファミチキなどの価格を据え置いたまま内容量を40%以上増量する販促キャンペーンを始めた。物価高でお得感を打ち出す販促が増えている中、ファミマは消費者の「いたずら心」も刺激して販売増につなげる。
アサヒ、ノンアルビールで強気の4ブランド 「酔いの調節弁」需要も
アサヒビールが4月に発売したノンアルコールビール「アサヒゼロ」がヒットを記録。アサヒは同ジャンルで主力の「ドライゼロ」を持つが、意外にも共食いは起こっていない。ノンアル否定派だったビール党を呼び込む戦略が功を奏した。適正飲酒の風潮が高まる中、ビール業界全体がノンアルにシフトするか…
キリン、ネット広告疲れ対策 ビール体験型施設でリアルへ回帰
キリンビールが東京・代官山の体験型施設を改装オープンした。コロナ禍で活用できていなかったが、一転して再評価が進む。ネット広告では伝えきれない体験価値を発信する狙いだ。
SNSでの「ソーシャルリスニング」がブランドを強くする
ブランド価値調査「ブランド・ジャパン2024」(BJ2024)の結果をどう読み解くか、ブランド・ジャパン企画委員を務める法政大学経営学部の西川英彦教授に聞いた。「ブランドの革新性が足りない会社は、ソーシャルリスニングに力を入れるべき」という
森永製菓のゼリー飲料 羽生九段が愛用し将棋ファンから認知拡大
ブランド価値調査「ブランド・ジャパン2024」で森永製菓が前回の65位から大きく伸び、19位に入った。森永製菓が伸びた理由の一つは、将棋ファンの注目を浴びたことにありそうだ。
日清食品カップヌードルがブランド国内首位 奇抜CMに精緻な分析
日清食品の「カップヌードル」が、ブランド価値調査「ブランド・ジャパン2024」(BJ2024)の一般生活者編で4位に入った。テレビCMとSNSを組み合わせたサイクルで商品の個性を市場に浸透させることに成功した。
第8回
パワーファミリーは託児所付きリゾートがお好き クラブメッドに商機
宿泊や飲食、アクティビティー、キッズプログラムへの参加など滞在中の経費をすべて含む「オールインクルーシブ」と呼ばれる旅行が、パワーファミリーを中心に人気を集めている。代表格が仏リゾート大手、クラブメッド。託児サービスなどが充実しており、家族全員で楽しめる。外出に積極的で「コト消費…
第7回
BMW、パワーファミリーの教育熱くすぐり囲い込む 子供の留学支援も
富裕層を主な顧客としていた自動車メーカーなどにもパワーファミリーを意識した動きが出てきた。三井住友トラストクラブ(東京・中央)と独BMW日本法人は4月、BMW傘下の小型車ブランド「MINI(ミニ)」の購入者専用のクレジットカード「MINIダイナースカード」の発行を始めた。若いファ…
第6回
1席6500円のプレミアム映画館 パワーファミリーがつくる物価の新基準
新宿・歌舞伎町に誕生した映画館「109シネマズプレミアム新宿」が好調だ。全席プレミアムシートを打ち出し、特に6500円の高級シートが人気。ラグジュアリーな鑑賞体験の提供が、映画のファンだけでなく富裕層の心をつかんでいる。
第5回
パワーファミリーの家計のぞき見「月収110万円で4割貯蓄、家事代行活用」
日経ビジネスはマネーフォワードの協力を得て、同社の家計簿アプリを使うパワーファミリーとその予備軍の計4世帯に取材。職業や世帯年収はもちろん、毎月の支出の内訳や消費傾向を詳細に聞き取った。浮かび上がったのは、ぜいたくし過ぎず堅実な姿勢。4世帯とも月収の4割前後を貯金・投資に回し、将…
第4回
パワーファミリー「NISAに月10万円以上」が3割 マネックス・SBI動く
資産運用に熱心なパワーファミリーを囲い込もうと、ネット証券各社が攻勢を強めている。強みの手数料の安さに加え、対面相談業務も強化。「悩みに寄り添うコンサルティング」で未来の富裕層の心をつかむ。また勉強熱心なパワーファミリーは未公開株などオルタナティブ投資にも手を広げている。
第3回
お受験で下克上 開校わずか6年目の私立小、慶応幼稚舎しのぐ人気
東京・世田谷に2019年に開校した私立東京農業大学稲花小学校(東農大稲花小)。24年度にようやく1~6年生がそろった新興の私立小が、伝統校ぞろいの小学校受験の世界で大躍進を遂げている。保護者への連絡はほぼオンライン。アフタースクール(学童保育)も充実させ、多忙な共働き世帯に寄り添…
第2回
小田原にパワーファミリー続々移住 主な支出は「教育・趣味・旅行」
パワーファミリーが住むのは都心のタワマンだけではない。今、子供を伸び伸び育てられる環境を求め、小田原に続々と移住している。独自調査を通じて彼らの消費者像を探ると「教育や趣味、旅行などにはお金を惜しまない」傾向が浮かんだ。
第1回
年収1500万円の共働き世帯、10年で倍増 ワークマン・ライフ攻略へ
デフレからインフレへの転換点を迎え、安売りではなく付加価値で商売する時代がやってきた。日経ビジネスではインフレ下でも消費意欲が衰えず、高い購買力が見込める世帯年収1500万円以上の共働き家庭を「パワーファミリー」と定義。その消費行動と攻略法を徹底的に洗い出すことにした。
第9回
LINEMO、携帯プランでNPS連続首位 シンプルさ貫き支持
ブランドにどれだけファンが付いているかを示す「NPS(ネットプロモータースコア=顧客推奨度)」調査。携帯電話サービス部門ではソフトバンクの提供するオンラインプラン「LINEMO」が前回に続きトップを守った。
第8回
100均より300均 NPS首位スタンダードプロダクツが売る価格以上
ブランドにどれだけファンが付いているかを示す「NPS(ネットプロモータースコア=顧客推奨度)」調査。均一価格ショップ部門で100円ショップ大手などを抑えてトップを取ったのは「Standard Products(スタンダードプロダクツ)」だった。
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