異なる道を歩んだ、日本を代表するスポーツの選手と企業が、米国で躍動している。
2024年、米メジャーリーグのナショナルリーグでホームラン王と打点王の2冠を獲得した大谷翔平選手が、ワールドシリーズ(WS)でも注目の的になっている。
WSの初戦には、力みのない構えから力強いスイングでボールをすくい上げ、ライトフェンス直撃の痛烈なライナーを放った。二塁ベース上でいったん止まったものの、相手の連携の乱れを突き、再び走り出し三塁ベースに滑りこんだ。
その大谷選手が身に着ける手袋やプロテクター、スパイクにはNの文字がある。契約する米ニューバランスが提供したものだ。
しかし、22年まで日本のスポーツ用品メーカー、アシックスが提供していた。同社は14~22年まで大谷選手とアドバイザリースタッフ契約を締結し、野球用品を提供。大谷選手モデルのシューズなども販売していた。
■本連載のラインアップ
・大谷翔平をあきらめたアシックスの経営改革 赤字から最高益への舞台裏(今回)
・アシックス、責任押し付け合いの低迷期脱出 廣田CEOが講じた組織改革
・アシックス、最高益で希望退職募集 体育着イメージからブランド再構築
・ナイキの厚底でどん底 奮起のアシックス廣田氏「世界最速のシューズを」
・パリ五輪でジョコビッチを蘇らせた アシックスのテニスシューズ開発陣
・アシックス廣田氏「日本の商習慣は非常に複雑」 欧州起点のDX改革
・アシックス富永社長「バラバラのシステムを統一、DX改革は7合目に」
・アシックス、株式持ち合いに決別 廣田CEOが経営陣に求めた覚悟
・アシックス、社員と走る廣田会長 「運動コンプレックスを力に」
14年、北海道日本ハムファイターズに所属していた大谷選手がアシックスと契約を結んだ際には、「アマチュア時代から愛用しているアシックスと契約させていただくことになり、大変うれしく思っています」とコメントしている。
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