日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。
シリーズ
ニュースを斬る
完結
全2511回 完結
コカ・コーラ、「本命」避けた27年ぶり値上げ
コカ・コーラボトラーズジャパン(東京・港)が、4月1日から出荷する清涼飲料の大型ペットボトル商品を値上げする。消費増税分の反映以外の値上げとしては27年ぶり。物流費や原材料の高騰を受けた措置だが、競合他社からは「敵ながらあっぱれ」との声も聞かれる。そのワケとは。
「0.56%」に賭けたゴーン氏
日産自動車の前会長で、会社法違反(特別背任)の疑いで逮捕・勾留されているカルロス・ゴーン氏が8日、裁判官が容疑者に勾留理由を説明する勾留理由開示の手続きために東京地裁に出廷した。裁判官は勾留理由を「証拠隠滅や逃亡の恐れがあるため」とし、ゴーン氏は「根拠のない容疑をかけられ、不当に…
米技術見本市「CES」開幕、空飛ぶクルマに脚光
世界最大の技術見本市「CES」が米国時間の1月8日、米ラスベガスで開幕する。世界各国のスタートアップが新技術を披露し合い、大企業との“出会い”を模索する。日本政府もブース費用などを支援し、出展を後押ししている。
高校向け学習アプリ最大手が「義務教育」に照準
ソフトバンクとベネッセホールディングスが共同出資する教育サービスベンチャー「クラッシー」が、数十~100億円を投じて競合の「エデュコム」を買収する。得意市場を補完して、小学校から高校までのワンストップサービスを目指す。
首相、賃上げ要請「やんわり」のワケ
2019年の新年祝賀会が開かれ、安倍晋三首相は経済界に賃上げを求めた。ただ例年になく「やんわり」とした要請にとどまっており、首相の亥年への思いがにじむ。
ロボットが代行、コーヒーを37階までお届け
港区の高層オフィスでロボットが商品をお届けするサービスが始まった。地上まで降りるのが不便という、超高層ビルの最大の弱点を補う狙いだ。
無人の山手線 新時代拓くか
JR東日本が山手線の無人走行実験を始めた。運転手不足は「確実にやってくる未来」だけに技術開発を急ぐが、ハードルはなお高そうだ。
在職期間の長いCEOが交代に失敗する理由
CEO(最高経営責任者)は、いつ交代したらよいのだろう。これは、取締役全員がCEOの実績を評価する際に毎年自問する、もしくは少なくとも自問しなければならない問いだ。筆者らは最先端の方法論と大勢のCEOをサンプリングして、良いCEOと悪いCEOを特定した。
三菱UFJ新社長「計画よりスピードに力」
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、三菱UFJ銀行の三毛兼承頭取が社長に昇格する人事を発表。6年ぶりの社長交代で、三毛氏は低金利で細る国内ではなく、海外で稼ぐ姿勢を鮮明にした。
恐怖の英中銀シナリオ、英EU離脱で金融危機?
英国政治の迷走が続く最中に出された、イングランド銀行(中央銀行)の経済予測が話題だ。「無秩序離脱」になった場合、19年末にかけて実質国内総生産(GDP)が最大8%落ち込むと予測した。大和総研ロンドンリサーチセンター長の菅野泰夫氏に見通しを聞いた。
レオス藤野氏激白「みずほ証券が上場延期要請」
資産運用会会社のレオス・キャピタルワークスが予定していた25日の東証マザーズ市場への上場を取りやめた。なぜ直前に上場延期を決めたのか。同社の藤野英人社長は主幹事のみずほ証券への不満を露わにした。
ソフトバンク ぬぐえぬ成長への不安と疑念
ソフトバンクグループの通信子会社が19日に上場。初値・終値ともに力不足と言え、波乱の船出は今後の成長への不安と疑念の高まりを映す。
富士通社長、5G基地局の受注に意欲
富士通の田中達也社長は12月18日、記者団と懇談し、10月に提携したスウェーデンの通信機器大手、エリクソンと協力して次世代無線通信規格「5G」向け基地局を受注することに意欲を示した。
IT力がカギ握る日立のABB事業買収
日立製作所は12月17日、重電世界大手、スイス・ABBから送配電などの電力システム事業を約7000億円で買収すると発表した。送配電網を高度に制御するIT(情報技術)部門の強みを生かし、電力システム分野で世界トップの座を狙う。
その「社内賃金格差」、理由を説明できますか
いわゆる「働き方関連法案」の一つの柱が同一労働同一賃金原則の法制化だった。大企業は、2020年春から雇用形態間の不合理な待遇格差の解消に向けた対応が求められることになる。正規と非正規の一層の分離をもたらすのか、統合をもたらすのか。
パリのデモ最前線で見たマクロン政権の正念場
フランスの「反マクロン」デモが収まる気配がない。マクロン仏大統領は、12月8日のデモを抑えるために約9万人の治安部隊を動員。記者がパリでデモの最前線を取材すると、激しい抗議に対して治安部隊から容赦のない放水と催涙弾が乱れ飛んだ。
革新投資機構、社長ら辞任、経産省と溝埋まらず
産業革新投資機構の田中正明社長ら民間出身の取締役9人が辞任することを発表した。同機構は官民ファンドの1つで、役員の高額報酬問題を巡って経済産業省と対立を深めていた。田中氏は記者会見を開き、高額報酬批判に対して強く反論した。
ファーウェイはZTEの二の舞になるか
カナダ司法省は12月5日、中国の通信機器・スマートフォン大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長を逮捕したと公表した。米国が経済制裁を科すイランへの違法輸出の疑いがかけられているもよう。イランへの輸出ではライバルの中興通訊(ZTE)も今春、米商務省から制裁を科されたばかり。フ…
巨額買収決議の武田、次の焦点は「アリナミン」
武田薬品工業は12月5日、臨時株主総会を開き、アイルランドの製薬大手シャイアーの買収を決議した。買収額は7兆円弱となる見通し。財務基盤の悪化を防ぐため、武田薬品は事業売却を進める方針。そこで次の焦点として浮上するのが、栄養ドリンク剤「アリナミン」の売却だ。
日産ゴーン氏解任とEU離脱に揺れる英最大工場
日産自動車にとって欧州最大の生産拠点である英サンダーランド工場が2つのショックに揺れている。一つはゴーン氏の逮捕と解任で、もう一つは英国のEU離脱だ。ゴーン氏は歴代の英首相と関係を築き、英国工場を守り続けてきた。工場の従業員や住民に話を聞いて回った。