ファーストリテイリングの売上高が初めて3兆円を超え、純利益も過去最高を更新した。成長の鍵を握る海外事業を拡大するためにはESG規制への対応も重要課題となる。

 カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが、無駄のないものづくりや商品の長寿命化を進めている。ファーストリテイリング取締役グループ上席執行役員の柳井康治氏は、「事業を展開していく以上、サステナビリティの活動は必須」と強調する。

定番増やし値引き抑える

ファーストリテイリング取締役グループ上席執行役員の柳井康治氏(写真=ファーストリテイリング提供)
ファーストリテイリング取締役グループ上席執行役員の柳井康治氏(写真=ファーストリテイリング提供)

 同社は24年8月期の連結決算で、売上収益(売上高)が前期比12.2%増の3兆1038億円、営業利益が同31.4%増の5009億円となり過去最高を更新した。大幅な増益の陰にあるのが徹底した無駄の排除である。例えばユニクロ事業では、年間を通じて販売する定番商品を増やし、常に必要な品目をこまめに発注・生産することで無駄な在庫を持たないようにしている。柱の商品はこの7年間で50品番以上と3倍以上に拡大し、在庫回転率は2.5回から3.1回に改善した。値引率も大きく改善している。

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