●中国、ITソースコード強制開示強行へ…国際問題化の懸念(YOMIURI ONLINE 2009/04/24/03:10)
中国政府がデジタル家電などの中核情報をメーカーに強制開示させる制度を5月に発足させることが23日、明らかになった。
中国政府は実施規則などを今月中にも公表する方針をすでに日米両政府に伝えた模様だ。当初の制度案を一部見直して適用まで一定の猶予期間を設けるものの、強制開示の根幹は変更しない。日米欧は企業の知的財産が流出する恐れがあるとして制度導入の撤回を強く求めてきたが、中国側の「強行突破」で国際問題に発展する懸念が強まってきた。
制度は、中国で生産・販売する外国製の情報技術(IT)製品について、製品を制御するソフトウエアの設計図である「ソースコード」の開示をメーカーに強制するものだ。中国当局の職員が日本を訪れ製品をチェックする手続きも含まれる。拒否すれば、その製品の現地生産・販売や対中輸出ができなくなる。
どの先進国も採用していない異例の制度で、非接触ICカードやデジタル複写機、金融機関向けの現金自動預け払い機(ATM)システムなど、日本企業が得意な製品も幅広く開示対象になる可能性がある。
中国側は、ソフトの欠陥を狙ったコンピューターウイルスの侵入防止などを制度導入の目的に挙げる。しかし、ソースコードが分かればICカードやATMなどの暗号情報を解読するきっかけとなる。企業の損失につながるだけでなく、国家機密の漏洩(ろうえい)につながる可能性もあるため日米欧の政府が強く反発。日本の経済界も昨秋、中国側に強い懸念を伝えた。
中国は当初、08年5月に実施規則を公表し、09年5月から適用する予定だった。各国からの反対で、中国当局が今年3月、制度実施の延期を表明したが、これは適用開始までの猶予期間を設けることを指していたと見られる。
猶予期間はメーカー側が提出する書類を用意する時間に配慮したものだが、いつまで猶予するかは不明だ。日米欧の政府は詳細が分かり次第、中国側に問題点を指摘し、制度の見直しや撤廃を求めていくことになる。
◆ソースコード=コンピューター用の言語で書かれたソフトウエアの設計図。企業の重要な知的財産で、ソースコードが流出すれば開発成果を他社に利用される懸念がある。マイクロソフトは基本ソフト「ウィンドウズ」のソースコードを機密情報として扱い、巨額の利益につなげた。
●ITでの増長 (dongze) 2009-04-26 08:29:11
ITでの増長は、まあ今回のは集大成のようなものかも、piyoさんのいうように「対中国輸出規制」を設けるのが一番手っ取りばやいですが、民生用のデジタル機器とかより、TCP-IP世界の暗号化関連が一番の狙いでは?と業界筋は古くから見ています。CCCの出来かけの頃からこの政策はいつも見え隠れしていて、とうに意図を見透かしている欧米&日本(+香港/シガポールあたりも反対していた)が政府筋でずっと監視&圧力かけ続けておりましたよ、この件は(ここいらへんはpiyoさんもご承知では?)
シナからすれば(ダメリカが弱っている)この時期ようやく日の目を見たということですから、WTOやらなんやらで決定的なお達しを出すまで止めない(&それでもまた別の手を使う)でしょうなあ。→だから増長なのですが。
世界の工場として中国を使うことを止めるのが一番ですね、エコな環境でない国(電力は石炭、水質は自国民どころかクラゲだの、畸形魚だので他国にも迷惑かける始末、知的財産はダブスタどころか強奪しか頭にない=単に人件費が安い:最近そうとも言えない)への投資は引き上げるとしましょうよ、もうすでに外貨準備見れば支払いは十分以上してあるし、、ね。
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●IT増長その2 (dongze) 2009-04-26 08:44:11
ちょっと不正確な書き方ですが、一般向けではわかり易いかと例のお達しの適用範囲は以下のとおりになります。
ファイヤーウォール、LANカードおよびスイッチングハブ、VPN、ルータ、インテリジェントカードおよびICチップ用OS、データバックアップおよびリストア用ソフトウエア、OS、データベースシステム、迷惑メール防止製品、不正アクセス侵入探知システム、ネットワーク監視システム、操作履歴やログの収集分析ツール、ファイル改ざん検知システム(引用ソース:
http://www.nikkeibp.co.jp/news/china08q3/585650/)
後ヒントは「金橋」PJです(ねえpiyoさん)
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●振り返さないでちょ (piyo) 2009-04-26 11:16:32
「金橋プロジェクト」とは、政府機関、50以上の主要都市、多数の研究機関、企業を結ぶ、公共情報ネットワーク構築プロジェクトである。プロジェクトは以下の段階からなる。(1)16都市を結ぶバックボーンの構築、(2)アップグレードと他の都市への拡大、(3)同期ディジタル・ハイアラーキ(SDH)技術の導入。「金関プロジェクト」とは、貿易業務用に特別に設計された情報ネットワークのプロジェクトである。税関と貿易部門の情報ネットワークを接続し、 EDIビジネスを促進し、磁気媒体の情報に代り情報をネットワーク上で交換されるようにする。「金カード・プロジェクト」は12のプロジェクトからなり、中国のバンキング・システムを、マルチ・バンク・ネットワークへのアクセス可能な、デビット・カード付きのバンキング・システムにするプロジェクトである。2000年までに2億枚の決済カード流通を目標とした。
……CCCやらRoHSやら出来もしないことを次々と、、。
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●もちょっと詳しいのが (dongze) 2009-04-28 06:28:04
もうすこし詳細な対象製品リストPDF版(でもこれ日本人の翻訳じゃないな、、、)がありました。ご参考まで。
http://www.csaj.jp/government/
http://www.csaj.jp/government/other/2008/080627_list.pdf
これ見方を変えると、逆キャッチオール規制なんですよね、チナ様に逆らう製品はダメという。
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●DVD!DVD! (シンセン在住) 2009-04-26 11:03:23
今回の、ITソース強制開示の件、自分も気になっております。
自分は、中国人ワーカー同様、ただただ作るのが担当なので、現在どんな製品を作っていても「IT」からは逃れられず、世界の工場たる中国としては、その呪縛をより強く感じているのだろうと感じます。
今回の案、半年ほど前に見たときには、DVDプレイヤーの特許問題を思い出し、知材権という概念が乏しい中国人からすると、ああいうことは納得ができない、外国が因縁つけてきた、みたいな感じで、こういう無茶な案が出てきたのかなあと。
“特許攻撃”で中国DVD産業が壊滅へ
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/china/comment/060526_dvd/index.html
産業の高度化を謳う、シンセン市の今年の人民会議では山寨企業を合法化して育てていくような案が出ましたが、数日後には発言を撤回したという続報がありました。
なんで取り消したのか?一次ソースが読めない自分の全くの推論ですが、現時点で合法化しても、DVDのように特許料を抜かれて損だ、というような計算もあるのではないかと邪推しています。
下記記事によると、山寨の主力商品であるミニノートでは正規品との価格差は30~40%ということ。
例えば正規品のミニノートでは価格の半分がOS代といわれていますので、現時点で合法化してもコスト競争力が保てなさそうです。
●拡大を続けるクローンノート PC 市場、メーカー数は300~400社
http://japan.internet.com/finanews/20090424/2.html
現状、大手メーカー、販売店でも、リナックスOSで販売→海賊版Windowsはサービスします、みたいな売り方をしていますが、PCだからできることであって、電子家電の中に組み込まれたソフトはこういう売り方は出来ないわけで。
世界の「組立」工場からの脱却が、現状のテーマ、そのためにソフト、知材の国産化が、一番の戦略的課題なのでしょうけれど、今回の泥棒の居直りのような法律に対しては、さすがに日本当局の反発も必至でしょうし、こういう案が出てくるだけでも失うものもあるだろうに(信用?何それ食えるの?という感じなのかなあ)。
現状でも、華為のような昨年の特許世界出願数世界一の企業も出てきており、本件、全く譲歩できる余地はないと思いますが、この円高+不景気で、中国移管を検討されているお客様が増えているなあ、というのが当地での実感です。