日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 御心配をおかけして申し訳ありません。更新しないまま1カ月も経ってしまいましたが、御家人は一応、健在であります。

 素人の中国観察(チナヲチ)からは相変わらず距離を置いています。また、当ブログで何度も言及していますがチナヲチは自分のための道楽なので、飽くなり厭になれば別の道楽にシフトすることは私にとって何の不自然もありません。またやりたくなったら再開する、ということで。

 ただ私にとって大の古馴染みである五香粉さんから、



 御家人さん、たまにはお返事を書いてください。




 とリクエストを頂いてしまったので、とりあえず健在報告を記す次第。振り返ってみれば、1日4時間ばかりかけて記事を集めて気になるものに目を通した上で観察日記(当ブログ)を書く、という作業を4年近く続けてきたことに我ながら驚いています。驚きつつ、

「中共政権最後の国際的祭典となるかも知れない北京五輪から一切は動き始める」

 と自分で勝手に決め込んで、もう暫く「夏休み」を続けるつもりです。それゆえ今回のお題は「登校日」。

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 この1カ月間についていうと、まずは「三病息災」が「四病息災」になってしまいました。とはいえ仕事に差し支えるものでも命に関わるものでもないので当人はあまり気にしていません。

 仕事は中途半端に忙しいです。年末進行のように死ぬほど追いまくられると一種の逃避行動として当ブログに逃げてくることもあるのですが、残念ながら中途半端な忙しさだとそこまで切羽詰まることもありません。

 それから、あるトラブルに巻き込まれてしまいました。香港サイドで私の勤務先に仇なすべく蠢動する勢力がいることが判明。「御家人さんどうしよう」と仕事仲間たちから泣きつかれてしまったのです。

「東京にいるおれの知ったことか。そのくらい自分たちで何とかしろ」

 と、まずは突き放したのですが、ボスの耳に入ると事と次第によっては黒社会を動かしてしまいます(本当)。今回はそれほど深刻な事態ではないものの看過できない、しかし香港の連中はどう始末すべきか途方に暮れている。……とのこと。

 私は常にそういうトラブルから遠い場所に意識して位置取りしているのですが、自分に直接関係ないこととはいえ、降りかかる火の粉は払わなければなりません。仕方なくリーダー格の人物に関する諸情報を集めさせた上で、香港在住時代に何度か使った古くて姑息な方法で潰しました。

 当時の飲茶友達に現地の治安当局筋の奴がいるので、

「おう久しぶり御家人だよ。おれ?相変わらず東京。元気か?しばらく会っていないけどお前のことだから出世しただろう?また一緒に飲茶したいよなー」

 などと香港に電話したらあら不思議。始末すべき対象が刑事で起訴されてしまいました。

 相手は泡食って「庭外和解」(示談)を何度も申し入れてきたのですが一切拒否。それで保護観察1年のような、ごく軽い判決が出ます。判決が下ると少なくともその期間中は被告のIDカードにそのことが記録される筈。

 私が身を置く香港の業界は私も含めてヘタレ揃いですから、これでもう大人しくなります。どんなに些細なことでも刑事起訴されるようなスキのあった相手の負けという訳で、事態はこれにて一件落着。……いまは知りませんが昔の香港ではこういうことはよくありました。今回についていえば、私にとっては手間と時間の無駄に過ぎず、迷惑しているのですけど。

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 中国については相変わらず距離を置いています。理由は前回書いた通り。

 中国当局が行う政治キャンペーンのようなプロパガンダ、これ自体はヲチをする上で極めて示唆に富んだものなので無視できません。われわれ日本人からみると、プロパガンダ自体は実に下らない内容ではあります。

 しかしながら、党中央の誰あたりが主導しているのか、周囲はそれについてきているか、力の入れ具合はどうか、主要メディアや地方政府も足並みを揃えているか、敵視の対象は何か、真の敵視の対象は何か、この動きを打ち消さんとする蠢動の気配はあるか……などと、チェックすることがたくさんあるのでヲチする身にとってはなかなかの好素材なのです。

 ただ上に書いたように、プロパガンダ自体は実につまらない内容のものです。私が上海に留学していたころ、もう20年近く前になりますが、当時は大学生も一般市民も、「お上がまた何か始めたな。馬鹿らしい」といったノリでスルーしていました。確かにスルーせずにはおれないつまらないものなのです。ところが江沢民の始めた愛国主義教育の成果なのか、いまの中国の若い世代は何やら本気で下らない政治宣伝に和している気配があります。

 「スルー」が20年経ったら「同調・唱和」になりました。それを民度の退行と表現すべきなのかどうか、物質的にはかなり豊かになって、町並みも摩天楼が建ち並ぶ光景に一変しているというのに、あにはからんや肝心の民度が……。

 ともあれ私はガーンとショックを受けて、チナヲチは夏休みに入りました。付言するなら、年初以来大事件続きで記事漁りの作業時間が生活と仕事を圧迫し、私自身も疲労の限界に近づいていたこともあります。

 ともあれ、民度の退行も私には衝撃的だったのですが、かくなってしまうと横合いから水でもぶっかけない限り,中国人民(少なくとも都市部)が馬鹿騒ぎというか増長というか舞い上がりというか、とにかく一種の狂躁状態から目を覚ますことはないでしょう。

 いつかその日が来ることになる訳ですが、「水をぶっかけられる→目が覚める」という段階が国内的な処理だけで済むとは思えません。その過程では揺れ戻しで「攘夷運動」ひいては「義和団アゲイン」なんてことが起こる可能性もありますし、国内で済む騒ぎとしても進出している外資や現地在住の外国人に危険が及ぶかも知れません。私個人は、中国が政治的・経済的にいまや国際社会にすっかり組み込まれてしまっている以上、何らかの災禍が諸外国にも及ぶと考える方が自然であるように思います。

 この一カ月はそういう漠然としたことばかり考えていました。「夏休み」といいながらも、

「どんな形で水がぶっかけられるか」
「ぶっかけられてどうなるか」
「物価高・雪害・チベット・地震・五輪で中共の一党独裁という統治メカニズムにどれだけの負荷がかかっているのか」
「国力の疲弊みたいな現象は起きているのか」
「独裁装置がたわむことでどういう動きが出てくるか」

 などといった、ブログではひとつの話としてまとめにくいテーマが常に頭の中にあります。

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 ヲチというのは、山のてっぺんやビルの屋上から街全体を俯瞰する作業と、実際に街を歩いて大通りの看板の文字を読んだり、一本裏通りに入ってあれこれ眺めてみたり、袋小路に落ちていたガラスの瓶を拾ってみるといった重箱の隅をつつくような作業を有機的に連繋させることで現状を把握したり、大きな流れを読んだり、この後どうなるか考えたりするものだ、と私は勝手に考えています。

 その自己流の定義に照らせば、記事集めなどを行っていない現在は、やはり「夏休み」状態ということになります。今日が「登校日」ですから、もうしばらくこの状況が続くと思って頂ければ幸いです。私にとって中国観察とは、所詮はのめり込むに足るいくつかの道楽のひとつにすぎませんから、自分がその気にならないと本格的に再開することはできません。

 ……あ、でも記事漁りはしていませんが、この1カ月、元麻布の中の人を含む色々な関係筋と会って意見交換するという普段やっていないことに従事していたりします。「夏休み」といいながら結構アクティブ(笑)。どれほど自分の血肉になるかはわかりませんが、文字とは別の刺激があって、これはこれでなかなかいいものです。

 最後に余談。北京五輪を控えて最近、バスなどの爆破事件だか爆発事故のようなものが頻発しているようですね(ヤフーのトップに標題が出れば私も記事を読んだりはします)。自分の経歴というか世代というか、そういう背景もあるのですが、民主化運動やちまちまとした時間のかかる体制内改革を行う時機は完全に過去のものとなった、という感想がまず浮かびます。

 異議申し立てなんかをやっている状況ではもはやないのですね。組織によるものであれ、個人的な鬱憤晴らしであれ、これはれっきとした非合法行為であり、破壊活動であり、いうなれば蹶起。

 「自由派」と呼ばれる反体制色の強い知識人や海外で民主化運動をやっている連中がこういう現状をどう捉えているか、そもそも「民主化運動」をいま現在、具体的にどう定義しているのか知りたいものですねえ。

 ……言わずもがなではありますが、そこら辺についての関係筋との意見交換は来月に予定しております(笑)。




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