いつも仕事にかまけてブログ更新が滞ってしまい申し訳ありません(最近謝ってばかりですねorz)。私事ながら仕事上の拡声器を使う必要に迫られまして苦慮しているところです。随分長い間中国語を使っていますが、愚鈍な私にとってはいつまでたっても外国語。このブログを始めてしみじみと思ったのですが、日本語だと本当に思ったまま書けるので気楽でいいです。
それはさておき、たまにはニュースを丸投げしてもいいですか?これは是非ふれておかなければいけない出来事ですし、さほど説明を要する内容でもないと思うのです。感想を言えば、とうとう出たこの一言、というところでしょうか。
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●靖国参拝、日中・日韓関係の「核心でない」…首相(読売新聞2005/06/22/13:49)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20050622i105.htm
●小泉首相:靖国参拝「日韓・日中関係の核心とは思わず」(毎日新聞2005/06/22/14:08)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050622k0000e010056000c.html
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「日中、日韓関係で私の靖国神社参拝が核心だとは思っていない。日中、日韓ともに未来志向で過去の歴史を直視しながら、いかに発展させていくかが核心だ」(読売新聞)
というのは、先の日韓首脳会談で盧武鉉大統領が靖国問題を「日韓関係の核心だ」としたことに対する返歌のようなものです。むろん中国にも鉾先は向けられています。そして、
「韓国や中国の言う通りに全部しろ、という考えを私はとっていない。日本には日本の考え方がある。違いを認めて友好増進を図ることが国と国として大切だ」(読売新聞)
……と、このコメントです。ごく当たり前の内容なのです。が、日中国交樹立以降、かくも明確な言辞を示した首相がいたでしょうか。その意味でこれは、歴史的発言だと思います。
私は長屋の熊公みたいなものですから、溜飲を下げたといいますか、とりあえず祝杯といきたいくらいスーッとしたのですが、仕事中なのでアルコールは控えて、さりとて海軍コーヒーを飲みに行く時間的余裕もないので、日本海軍伝統の三つ矢サイダーにしておきます。
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●「日本側の努力必要」 加藤氏、中国要人と会談(産経web)
http://www.sankei.co.jp/news/050620/sei080.htm
一方で加藤紘一や野田聖子ら親中派を自任する連中が北京詣でを行っているようですが、今回の小泉発言はそれらを一瞬でセピア色にしてしまう(笑)ものだったと思います。河野洋平が首相経験者らを動員して説得に当たらせ、一方では反日署名論評連発の国内メディアや外交部定例会見で小泉包囲網ともいうべき猛攻を繰り返してきた中共政権ですが、小泉発言は、
「韓国や中国の言う通りに全部しろ、という考えを私はとっていない。日本には日本の考え方がある」
……と、それらに屈することは断じてない、と真っ向から旗幟鮮明なる態度を示したものです。しかも中国・韓国を名指しですから(笑)。
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名指しされた中国も反応は早かったですねえ。上が香港、下が中国国内(新華網)に流れた速報です。
●小泉首相が中韓には絶対屈服しないと宣言(明報2005/06/22/15:15)
http://hk.news.yahoo.com/050622/12/1drv2.html
●小泉首相、靖国参拝停止に圧力をかける中韓には屈服せずと発言(中新網2005/06/22/15:39)
http://news.xinhuanet.com/world/2005-06/22/content_3120221.htm
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中国としては、最近は台湾を使った尖閣問題などでチマチマと点数を稼いできました。これは台湾国内の反日感情を高める上でも妙策だったように思います(敵ながら天晴れ)。ただ、今回の小泉発言を受けて、改めて戦略を練り直す必要に迫られるでしょう。党上層部における勢力争いがあるとすれば、胡錦涛の立場がいよいよ悪くなりそうです。
もし今後の対日外交が反胡錦涛派=軍部主導で動くなら、硬質なリアクションもあるでしょう。いままで抑えていた香港の尖閣防衛組織にゴーサインを出して、小型船を使った現地上陸を試みさせる。その際に巡視艇(海軍ではない)をつかず離れずの間合いで遊弋させたり、日本の主張する領空範囲のギリギリ外側まで軍用機を飛ばす、なんて示威(自慰?)行為があるかも知れません。
あとは反日デモですね。「愛国者同盟網」など大手反日サイトの謹慎を解いた効用が示される訳です。まずは「七・七」(盧溝橋事件)で「なんちゃってデモ」(動員数50名前後のお行儀のいいデモ)。あるいは公式なイベントを現地盧溝橋で大々的に執り行うかも知れませんから、「なんちゃってデモ」は日本大使館に向けて行われる可能性もあります。そのあともし小泉首相による「八・一五参拝」があれば、本格的な反日デモ再燃(もちろん対外強硬派が煽ることによるもの)の目もあるでしょう。
ひるがえって言えば、安保理問題でも意思表示してしまっていますし、経済面でのアクションも起こせないとなると、そのくらいしか選択肢はないように思うのですが。ええ、つまるところ伝統の「人海戦術」です(笑)。
でもこれ以上「反日」を煽ってしまうと、別な方向(社会問題)から火の手が上がりそうな気もします。いやすでに散発的にパチパチと火花を散らしている訳ですが。その点についていえば「時間との競争」(時限爆弾)であることに少なくとも胡錦涛は気付いているようですが、対外強硬派はどう認識しているのか、気になります。
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ともあれ、今回の歴史的発言に対し、中国からどんなボールが投げ返されてくるでしょうか。とりあえず新華社や人民日報あたりではいま現在、署名論評をせっせと書いている記者がいることでしょう。最近の反日記事はネタ切れで勢いが感じられなくなっていただけに、一発奮起に期待です。どうか久々の怪電波をよろしく。……怪電波宜候、との応答を心待ちにしております(笑)。
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